日本仕様の発売は来春以降

怪鳥復活! DRビッグのDNAを注ぎ込んだスズキ新型V-STROM 1050/XTがEICMAで発表[動画あり]

  • 2019/11/23

スズキがEICMA 2019で発表したのは、V-ストローム1000の後継機種となるV-ストローム1050だ。新型カタナが伝説のデザインを復刻、発展させたように、新型V-ストローム1050は往年のDR750Sのエッセンスを注ぎ込んだ。しかも、担当デザイナーは“本物”を作った本人だ。

最新の電子制御を搭載、デザインはオフテイストを強化

2013年に登場した現行V-ストローム1000は、新設計された1037ccのVツインエンジンを搭載し、スズキ初となるトラクションコントロールシステムを装備して話題に。スポークホイール仕様のXTとともにV-ストロームファミリーの頂点に立っていただが、手軽さとファニーフェイスで愛されるV-ストローム250や、名車と呼ばれる好バランスで人気のV-ストローム650に比べると、日本ではやや目立たない存在だったことも確かだ。

今回のEICMAで発表された新型V-ストローム1050/XTは、強化した電子制御と伝説のDRビッグ(1988年登場のDR750S)のDNAを注ぎ込んだデザインで新風を吹き込む。

何よりこだわったのは、スズキのビッグオフローダーらしいデザインだ。ファラオの怪鳥と呼ばれたDRビッグを彷彿とさせる“クチバシ”は、他社に先駆けて作り上げたスズキビッグオフの象徴ともいえるもの。何を隠そう、この新型V-ストロームをデザインしたのは、当時のDR-ZやDRビッグを手掛けたデザイナーである宮田一郎さんその人なのだ。

SUZUKI V-STROM 1050XT 2020
【SUZUKI V-STROM 1050XT[2020]】主要諸元■全長2265mm 全幅940 全高1465 軸距1555 シート高850-870 最低地高160(各mm) 重量247kg(装備)■水冷4ストロークV型2気筒 DOHC4バルブ 1037cc 108ps/8500rpm 10.2kg-m/6000rpm 変速機6段 燃料タンク容量20ℓ■タイヤサイズF=110/80R19 R=150/70R17 ※諸元は欧州仕様
SUZUKI V-STROM 1050 2020
【SUZUKI V-STROM 1050[2020]】主要諸元■全長2265mm 全幅870 全高1515 軸距1555 シート高855 最低地高165(各mm) 重量236kg(装備)■水冷4ストロークV型2気筒 DOHC4バルブ 1037cc 108ps/8500rpm 10.2kg-m/6000rpm 変速機6段 燃料タンク容量20ℓ■タイヤサイズF=110/80R19 R=150/70R17 ※諸元は欧州仕様
1988年登場のDR750S。クチバシやボディラインは当時画期的だった。EICMAではパリダカールラリーのファクトリーレーサーも展示。詳細は2020年1月号にてチェックされたし。

ユーロ5対応とパワーアップを両立、電子制御も進化した

エンジンの排気量は1037ccと変わらないものの、出力アップで一段上の車格になったことにより車名は1050へ。このパワーアップに貢献してるのが電子制御スロットルの採用だ。これにより、スロットルボディを大径化しながら低回転域の制御を安定させることができたのだという。また、電子制御スロットルと併せていわゆるパワーモード切替のS-DMS(スズキ・ドライブ・モード・セレクター)も新採用。用意された3つのモードはそれぞれにトラクションコントロールシステムとも連動する。

スロットルバイワイヤ(電子制御スロットル)を採用したことで緻密な制御が可能になり、結果としてスロットルボアを45→48mmへと拡大。これにより混合器の流量が増し、約7psのパワーアップを果たした。

従来はスポークホイール仕様という位置付けだったが、新型になりXTは明確に上級モデルの立ち位置に。XTは無印にはないボッシュ製6軸IMUを備え、より幅広いライダー支援システムを備えている。S-DMSとトラクションコントロールシステムはスタンダードモデルも装備するが、XTは専用装備として約50~160km/hに設定可能(欧州使用)なクルーズコントロール、坂道発進をアシストするヒルホールドコントロール、下り坂でのジャックナイフを未然に防ぐスロープディペンデントコントロール、負荷条件が変わっても最適なブレーキングをアシストするロードディペンデントコントロールを搭載しているのだ。

差別化を図ったXTには専用装備も多数

風洞実験によって決定されたスクリーン形状は同一ながら、スタンダードは工具を用いて3段階に、XTはさらにプラス50mm広い範囲かつ工具不要で11段階に高さを調整できる機能を付加。ハンドルバーにはナックルガードも装備している。また、エンジンアンダーガードやセンタースタンド、LEDウインカーといったものもXT専用装備となる。ただし、電子制御系を除く多くの部品はスタンダードモデルにも取り付けが可能なようだ。足まわりについてはキャストホイールのSTDとスポークホイールのXTという違いだけで、サスペンションやタイヤについては同一のものを装備している。カラーバリエーションはともに3色ずつ(欧州)だが、2020年春以降に登場が期待される国内仕様(11月10日に浜松のスズキ本社で行われたV-ストロームミーティングにて鈴木俊宏社長が発売を明言)に関しては、まだなんとも言えないのが正直なところだ。

ロングツーリングに欠かせないウインドプロテクションは風洞実験によって検証。スクリーンの調整機構はSTDとXTで異なる。
XTは写真の赤×白、黄×青のほか黒をラインナップ。STDは左の黒×灰(写真はオプション装着車)のほかに白×黒、黒がカラーバリエーションとして用意される。参考ながら英国における価格は9999ポンド/1万1299ポンドとなっており、従来型からの値上がり幅で比較すると日本仕様はスタンダードが150万円台前半から、XTは170万円前後ということになりそうだ。
ドイツのハスラーラリーチーム(HRT)からは、さらにオフロード性能を高めるコンプリートキットが3895ユーロで発売される。写真がHRTのVストロームXTデザートエクスプレスだ。フロントストロークの190mm(+30mm)化、ウィルバース製リヤショック&リンクを備える。

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ヨ

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)