スペインの日本車オタクから渾身の一投!

スペイン発・ジャパンレジェンズの外装キットで名車ZXRふたたび【往年のレプリカマニア垂涎】

ʼ80~90年代の日本製バイク(とくにレーサーレプリカ)をこよなく愛する、スペインのカスタムビルダー・ジャパンレジェンズ。現行版カワサキZ900をベースにすることで現代的な性能と品質を確保しつつ、’89年に発売されたカワサキ初の本格的レーサーレプリカ・ZXRのデザインを外装キットで見事に再現している。


●文:田宮徹 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

このZXR……ではなく、Z900ベースのカスタムモデルは、スペインの「ジャパンレジェンズ」というビルダーが手がけたもので、外装キットパーツとして欧州で販売がスタート。公式サイトによれば、ファーストロットはすでに完売、現在はセカンドオーダーを受け付けているとのことだ。

【JAPAN LEGENDS ZXR900 FAIRINGS KIT for Z900】●色:黒、赤×銀、緑×黒、緑×白×青 ●外装キット価格:1750〜2850ユーロ(約21〜34万円)

現行ネイキッドモデルに最小限のカスタマイズを加えて、’80~’90年代のレーサーレプリカ風に大変身させるのがこのキット。緑×白×青の仕様は、燃料タンクと前後ホイールを塗装。

当然ながら、かつてのZXRシリーズとはデザインがだいぶ異なっているが(そもそもサイドカウルがないし……)、それでもZXRの雰囲気が十分に再現されているのがこのキットの魅力。しかも燃料タンクやシート、テールランプやメーターなどは純正をそのまま流用しているので、比較的安価でスタイルチェンジが可能だ。 

ZXRの特徴だったのが、アッパーカウルダクトから伸びる蛇腹ホースで導入されたフレッシュエアでシリンダーヘッドを冷却するK-CAS。さすがにホースは再現されていないが、丸目2灯式ヘッドライトだけでなくダクト穴もあり、顔つきはまさにZXR。ハンドルはバータイプのままローハンドル化し、クランプ上に純正メーターを移設。テールランプも純正を上下ひっくり返して使用している。

キットはアッパー/タンクサイド/アンダー/テールカウルに加え、ミラーやLEDヘッドライト、LSL 製ハンドルバー/ナンバーステー、MRA製スクリーンも同梱。カラーは黒、緑×黒、赤×銀と、初代ZXRを模した緑×白×青(要タンク塗装)を設定。保安部品なしのレース用もある。

ベースモデルのZ900は、948cc水冷並列4気筒エンジンを採用しながらアンダー100万円の税込み価格を実現。そして、その俊敏かつ扱いやすい運動性能にも定評がある。レプリカブーム全盛期に憧れたあのスタイルで、もう一度あの頃のように……なんて、思わず夢膨らむキットだ。

ベース車両は日本でも販売されているZ900。RSよりも安くて、セパレートシートを採用することを考えるとベストチョイス!

そもそもZXRとは?【カワサキレーサーレプリカの始祖 】

ZXRとは、カワサキが’88~’89年に発売したレーサーレプリカで、ほぼ同時に750/400/250ccをラインナップ。後にはそれぞれレース向けホモロゲーションモデル的なRバージョンが登場したりしつつ、’90年代後半まで販売されていた。なお、’93年には750のファクトリーマシンであるZXR-7が鈴鹿8耐を制している。

ZXRは、いち早く倒立フォークを採用(750の初期型は正立)したり、250には当時としては画期的だったラムエアシステムをZZ-R1100に先駆けて搭載したりもしている。ちなみにラムエアとは、走行風を利用してキャブレターに空気を押し込む仕組みで、自然に吸入できる空気量を超えて混合気を供給、つまりターボとまでは言わないものの過給効果が得られるというもの。速度が上がるほどに効果が増す、現在の高性能スーパースポーツには必須の装備だ。

【KAWASAKI ZXR750 1988】 初期型は正立フォークで、2年後に倒立フォークを採用。’96年にはZX-7R/RRへとモデルチェンジし、MotoGPマシンのZX-RRやスーパーバイクのNinja ZX-10Rへとつながっていく。

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