伝説の開発者、新型テージH2を語る

「テージH2には温めたアイディアをすべて投入」新生ビモータ開発責任者直撃インタビュー

  • 2020/1/16
ビモータ ピエルルイジ・マルコーニ氏

カワサキとの新たなパートナーシップにより再生を果たすイタリアの名門・ビモータ。カワサキ製スーパーチャージドH2エンジンを搭載する新型「テージH2」開発のために、かつての名車「テージ1D」の開発者であるピエルルイジ・マルコーニ氏が復帰。EICMA会場で本人に直撃した貴重なインタビューをお届けする。

車重はH2マイナス25kg、フロントアームもシンプル化

ビモータ華やかなりし時代の名車・テージ1Dの開発者であるピエルルイジ・マルコーニ氏は、’98年にビモータを退社し、’14年に復帰するも’15年にはビモータ社自体が活動を停止。今回のプロジェクトのために再び呼び戻されたマルコーニ氏は、これまで温めてきたアイデアのすべてをテージH2に投入したと言う。

「大学の研究課題から始まり、この最新版はひとつの究極の姿に達しました。すべてが新しいのですが、過去の1Dとの最大の違いを挙げるとすれば、それはフレームがないことでしょう。 エンジンにマウントした前後のスイングアームは削り出しで、左右のアームをカーボンパーツで連結して剛性を稼ぎ、フロントのアッパー(ステアリングロッドまわり)は3つのパーツで構成しています。1Dは12個のパーツ構成でしたが、これは多くのアジャスターを備える必要があったため。テージH2ではジオメトリーが完成の域に達し、調整機構が不要になりました」 

ところで、マルコーニさんはこのプロジェクトの初期段階から参画していたのだろうか? 「カワサキは3年ほど前から動いており、この車両を作るというアイデアはあったようですが、2019年6月頃から実際に設計を始めたのは私です。頭の中にはたくさんのアイデアがあったので、設計に要した時間はわずか4か月でした」 

マスの集中、軽量化もスゴイ。「2本サスに見えますが1本はフロント用です。車重はH2からマイナス25kgの207kg(編註:H2の実際の数値と異なるが当日の会話内容を優先)。外観のデザインはビモータに長く携わっているデザイナーによるものです。乗り味も素晴らしいですよ!」

bimota KB4

映像のみだが「㎅4」なるカフェレーサーの姿も。新型ニンジャ1000のエンジンをパイプ+ピボットプレートのハイブリッドフレームに搭載するほか、リヤサスはユニットプロリンクに見える。2020年の実車発表が待たれる。

ビモータの歴史 理想と革新

’72年の創業からの約10年間は、スチール製バックボーン/ダブルクレードルフレームに注力していたビモータ。

’80年代中盤のDB1でスチール製トラス、YB4からはアルミ製ツインスパーを導入するなど様々なフレーム形態を手がけ、’05年以降はスチール製トラスフレームが主軸に。なおマルコーニ氏が開発したGSX-RエンジンのSB6/7シリーズは、ビモータ最大のヒット作として約2000台が生産されたものの、その一方で彼が手がけた500Vドゥエは、直噴式の自社製2ストVツインエンジンにトラブルが続発し、’90年代末に同社の事業がいったん停止する要因となった。

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’78 bimota KB1
bimota DB1
’85 bimota DB1
bimota YB4
’85 bimota YB4
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’94 bomota SB6
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’97 bimota 500V due
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’05 bimota DB5

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