レストア作業に欠かせない車体やパーツのサビや汚れ落としを効率的に行うために、専用の機械でエアーや水でガラスビーズなどをパーツに吹き付け研磨する「ブラスト」作業。本稿では、水に溶ける性質を持つ重曹メディアを使用する「EZブラスト」を紹介する。吹き付ける粉体メディアは人体に無害で、もちろん環境にも優しい。ドライ/ウェットのどちらでも使用できる特徴を持ち、幅広い使い方ができる。
●文:モトメカニック編集部 ●写真:たぐちかつみ(モトメカニック編集長)●取材協力:EZブラストジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
「水に溶ける」重曹を使った洗浄の特徴とは?
食品添加物や入浴剤、医薬品にも使われている炭酸水素ナトリウム、いわゆる重曹の粉末によって洗浄を行う「EZブラスト」。ブラストと聞くとアルミナやガラスビーズを思い浮かべるサンデーメカニックも多いだろうが、重曹を用いることで既存のブラストとは異なる価値が生まれる。
その特徴は「そこそこの研削力のメディア」が「水に溶ける」こと。塗装の剥離やサビ落としが目的なら、研削力は強いに越したことはない。しかしアルミナやガラスに比べて柔らかい重曹は相手素材に食い込まず、エンジン内部のカーボン汚れやクロームメッキ表面のくすみや赤さびだけを除去できるのだ。
またEZブラストはドライ/ウェットのどちらでも使用可能で、水道水を併用したウェットブラストとして活用すれば、吹き付けたメディアを溶かしながら流せる。これがシリンダーヘッドの燃焼室やポートのカーボン除去やキャブレターの洗浄に絶大な効果を発揮する。
バイクやクルマはもちろん、建築物や船舶関係の洗浄などメディアの回収が難しい作業でも活用されているEZブラスト。メンテナンスやレストアの強力な助っ人になるのは間違いない。
ドライとウェットを切り替えできるEZ WETスタートキットは5万5800円(税・送料別)。空気の使用量が多いのでコンプレッサーは3馬力以上を推奨。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
バイク部品のペイントに特化した専門ショップが数多く存在する現在、フレームや足周り、周辺小物などなど、強靱さや耐久性を求められるパーツへのペイントを専門に、いち早く「パウダーコーティング」を採用し、数多[…]
幾多の歳月が刻み込んだ雰囲気=未再生車両のオーラに対し、ちょっと違った価値観を持つファンが増えているという、スーパーカブの世界。ある意味「いい感じのサビ」が、そのようなファン心理を生んでいると言えなく[…]
原付でも自動二輪車でも、チューブ入りのスポークホイール車でもキャストホイール車でも、どんなオートバイでも定期的に必ずチェックしたいのがタイヤの空気圧と足まわりの点検だ。タイヤの空気が甘いまま走って良い[…]
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』がオススメする"上手近道"な工具あれこれ。今回は数あるハンドツールの中で、ソケットレンチに特化して存在感をアピールし続けているの山下工業研究所(コーケン)の「Z-[…]
ネット通販がどれだけ発達しても、「今すぐ欲しい」「実物を見たい」を叶えられるのは実店舗だけ。そこでバイクいじり専門誌『モトメカニック』がオススメしたいのは、全国に170店舗以上の直営店を構える「アスト[…]