
デビューから1年以上が過ぎたX350。編集部メンバーは我を忘れてロードサーキットで膝を擦り、限界スピードでのスポーツ走行にかかりっきり。でも待てよ? X350スタイリングはダートトラックレーサーのXR750をモチーフにしているのは明白。ダートで走らせたらどうなのか? そんな遊びをしているのが群馬県のハーレーダビッドソン高崎のスタッフたちだ。同社が所有し運営するオフロードコース「モトフィールド榛名」でその様を目の当たりにしたので報告する。
●文/写真:宮下豊史 ●外部リンク:ハーレーダビッドソン高崎
「もっとバイクを楽しんでほしい」
そう語るのはハーレーダビッドソン高崎の武井代表。ハーレーはどちらかと言えばツーリング指向の強いモデルが多い。しかし、そのエンジンは今や2000ccに迫る勢いで年を重ねるごとに排気量が拡大し、出力も上がってきている。
そんな強大なパワーを操るには適切なライディングテクニックが必要だ。H-D高崎はそこに重きを置き、スタッフが率先してライディングテクニック向上に励んでいる。ユーザーたちと一緒に楽しむツーリングイベントを安全に遂行させるために必要不可欠だからだ。
このライテクを磨くためのスポーツ走行を、仕事の一環としてではなく、バイク好きだからバイクで遊びたいという純粋な気持ちで楽しんでいる。
今回ウィズハーレー編集部が訪れたのは、群馬県榛名山の麓に位置する「モトフィールド榛名」。ここは山の高低差を利用したモトクロスコース/林間コース/オーバルコースを有するオフロード場だ。高崎の町並みを眼下に望む駐車場で、H-D高崎スタッフたちが出迎えてくれた。
傍らにはダート仕様にカスタムした白いX350の姿が。この車両は普段は試乗車として店頭に用意されていて、スタッフたちの練習、またはお客さまを連れてくるイベント時に、レンタルバイクとしてコースに持ち込んでいる。
足元はもちろんオフロード走行も可能なブロックパターンのタイヤを装着。オーバルコースがあるとはいえ、ほぼオンロードバイクの車両で練習することができるのには理由がある。実はこの場所はH-D高崎が所有するコースなのだ。練習走行で使うのは1周200mほどのフラットダート路面のオーバルコース。低いスピード域でタイヤの滑る感覚を味わえるので、練習にピッタリ。スタッフたちは汗をかきつつ、代わる代わるスライド走行をしていた。
一方で、店頭にはミシュランのハイグリップタイヤを装着したX350もあり、こちらは本庄サーキットや榛名モータースポーツランドの走行に使用されている。オフ/オンともに、今後は定期的に練習会を開催予定とのこと。スタッフのスキルアップだけではなく、同店のホームページでイベント告知をチェックしてみてはいかがだろう。
H-D高崎スタッフの2人。向かって右の中島さんはサービスを担当し、ふだんはCBR600RRやGSX-R125でサーキットを走り込んでいる。隣りの鈴木さんはオフロード走行が初めて。転倒するシーンもあったが、果敢にチャレンジする精神、それを後押しする社風がすばらしい。
自社所有のオーバルコースで自由に遊ぶスタッフたち
オーバル以外に高低差のあるモトクロスコース、木立の中を駆け巡る林間コース、さらにその立地を活かしたサバイバルゲームができるエリアもある。
●モトフィールド榛名(群馬県高崎市中室田町4148)
武井代表はオフロードもオンロードもこなすマルチプレイヤー。鉄スリッパを履いてのダートラ走行の経験もあるので、走り方をスタッフに安全に楽しく走れるようにレクチャー。足を出す向き、走行時のポジション、肘の位置などを細かくアドバイスしていた。
X350ダート仕様。店頭試乗も可能
普段は店頭試乗車として活躍している車両だ。前後タイヤはピレリMT60。ダートもオンも走れるブロックパターンのタイヤだ。転倒からエンジンを守る左右ガード、ブラックパレード&OVER RacingのJMCA認証マフラーでパワーアップし、フェンダーレス化でリア周りをすっきりとさせている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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