想像以上にデリケートなクロームメッキ、NAKARAIのKINGシリーズでメンテし綺麗に保つ

想像以上にデリケートなクロームメッキ、NAKARAIのKINGシリーズでメンテし綺麗に保つ

塗装やアルマイトとは異なるクロームメッキは、絶版車や旧車の金属光沢の演出に重要な表面処理である。メッキの奥から湧き出てくる点サビは大敵で、ダメージを負うと元には戻らないため精神的な痛手も大きい。だからこそサビが発生する前の予防が必須で、錆びたメッキ面は早期に適切なケアを行うことが重要だ。


●文/写真:栗田晃●外部リンク:NAKARAI

クロームメッキパーツのケアには専用ケミカルが有効

重厚な金属光沢が魅力的な装飾クロームメッキ。その被膜は0.02〜0.5㎛と極めて薄く、肉眼では見えない孔やクラックから浸入する水分によってクロム層の奥からサビが進行するため、日常的な手入れの善し悪しが数年後のコンディションに影響する。

NAKARAIの「メッキング/ミガキング/サビトリキング」は、そんなデリケートなクロームメッキに特化したメンテナンスケミカルである。

新品部品の表面を最初からメッキングで保護できれば理想的であることは言うまでもない。だが旧車や絶版車好きのサンデーメカニックにとって、数十年前のパーツに新品同様のコンディションを求めるには無理がある。そこで重要なのが、“効果的にサビを落とし”、“新たなサビを発生させない”という観点だ。

クロームメッキのクロム層は金属そのもので、塗装や樹脂に比べて硬度が高い。だが先の通り被膜が極端に薄いため傷つきやすく、硬い道具で磨くと傷が残ってしまう。たとえコンパウンドでも、粒度の選定を誤ればスクラッチの原因となってしまうのだ。

サビトリキングの主成分は研磨剤だが、クロームメッキの硬度や特性に配慮した設計が行われている。中でもサビ=酸化物を溶かして目立たなくする成分を含み、ゴシゴシと強く擦らなくても点サビが落ちていくのが特長である。

クロム層の奥で発生したサビはクロム被膜を突き破って表面に出てくるため、破壊したメッキが再生することはない。だが放置すれば成長するサビを早期に除去することで進行を食い止めることは可能だ。

古くなったから、サビが出たからといって簡単に新品交換できないのが絶版車のクロームメッキパーツ。そのコンディションを維持するためにもNAKARAIのKINGシリーズを活用したい。

メッキのプロが開発した信頼のKINGシリーズ

メッキ業者であるNAKARAIはクロームメッキをはじめとした各種メッキを取り扱い、メッキの下地作りに不可欠な研磨作業にも精通している。

それだけにクロームメッキの表面に存在するピンホールや、そこから発生するサビのメカニズムも熟知しており、そうした知見を活用してメッキの状態に応じて使い分けができる「メッキング/ミガキング/サビトリキング」を開発した。

【メッキング/サビトリキング(デカキング)/ミガキング】●価格:5980円(100ml)/2980円(260g)/2780円(180ml)

早期の点サビはサビトリキングで完全除去

絶版車や旧車のクロームメッキパーツにありがちな点サビ。これらは目に見えない孔からクロム被膜の奥に浸透した水分によって内部で発生し、クロム被膜を突き破って出てきたもの。

クロームメッキの点サビは表面の汚れと違って、除去した後も粒状の痕跡が残ってしまう。だが早期に対応するほど被害は小さく済むので、気がついた時にサビトリキングで手入れすることが重要なのだ。

付属の汚れ拭きクロスにサビトリキングをたっぷりつけて優しく撫でるように擦る。磨き始めは付属のクロスが引っかかる感触があるが、サビトリキングが反応してサビが落ちると滑りが良くなる。

作業前後の差は明確。向かってロゴの左側が施工後の箇所。サビの深さや広さによって効果はまちまちだが、サビトリキングによって点サビは確実に落ちる。磨き傷をつけないよう、クロスは常にきれいな面を使用する。

サビトリキングに防錆作用はないので、サビを落としてしっかり拭き取ったら今後の進行を防止するためメッキングを塗布しておく。メッキングは少量をできるだけ広範囲に塗り広げるのがコツ。

特殊シリコーンを主成分とするメッキングはにクロム被膜の孔から浸透して水分の浸入を防ぐ効果もある。そのため新品部品だけでなくサビ取り後のケアにも有効。含有する光沢剤により輝きもアップ。

汚れやくすみ落としにはミガキングが有効

水道水に含まれるカルキを原因とする輪ジミが定着するとシャンプー洗車で落ちないほど頑固になることもある。そんな汚れやくすみに有効なのが、超微粒子コンパウンドを主成分としたミガキングだ。

史上最鏡クロスに適量のミガキングをつけてメッキ面を擦る。コンパウンドといっても粘度は低く手触りはサラサラ。サビトリキング使用時と同様、ミガキング後も表面保護のメッキングを塗布しよう。

専用のクロスで塗り広げるメッキングに、膜厚感や不自然なテカりはなく、表面硬度3H〜4Hの強力な被膜を形成する。厚塗りすると光沢剤が虹色に光るので、そうならないように薄塗りする。

マフラーにも使えるメッキング

地面に近いマフラーは屋外保管車ではサビが発生しやすく、熱が加わることでサビが促進されてしまう。メッキングは塗布後24時間で完全硬化した後は200℃まで使用できる耐熱性があるので、クロームメッキ仕上げのマフラーにも使用できる。ただしエキゾーストパイプ根元部分は200℃以上になるため、口金から15cm程度は塗布しない。

油断禁物のインナーチューブもメッキング

インナーチューブに施工される硬質クロームメッキは、装飾クロームメッキより被膜が分厚いが、目に見えない孔があるのは装飾クロームメッキと同様で、手入れを怠ると点サビが発生する。

フォークオイルによるコーティング効果が期待できないストローク範囲外にメッキングを塗布すれば、インナーチューブに強力な防錆効果を発揮する。ブーツを引き上げインナーチューブの下側も忘れずに塗布。トップブリッジとアンダーブラケット間にも塗布しておこう。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

モトメカニック

バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓