![[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_01.jpg)
フリクションロスの増加やレスポンスの悪さなど、ケーブルのコンディション悪化による影響は少なくない。洗浄や注油で改善しなければ新品に交換するのが最善だが、その際はNTBの「規格部品」も選択肢に加えておきたい。純正部品と同等の性能と品質を備えたブレーキケーブルやスロットルケーブルなら、絶版車を賢くリフレッシュできる。
●文/写真:栗田晃 ●外部リンク:丸中洋行
現状のラインナップになくても新規開発の可能性もあり!!
プラスチック製カバーの下は味も素っ気もないと言われることも多い原付スクーター。確かに50ccスクーターのラインナップが豊富だった2000年ぐらいまでは、基本骨格が一緒で着せ替え人形的なモデルが多かったのも事実。しかしそんな原付スクーターも、今では絶版車人気の一翼を担う存在となっている。
原付や小排気量スクーターをはじめ、中古車や絶版車のメンテナンスや整備に欠かせない補修部品のジャンルで活躍しているのがNTBパーツだ。メーカー純正部品と同様の性能と安全性を兼ね備え、公益社団法人自動車技術会(JASO)の規格に準じた独自設計の「規格部品」は、整備業者/バイクショップ/エンドユーザーに幅広く活用されている。
NTBの規格部品の中でもとりわけ充実しているのが、スロットルケーブル/ドラムブレーキ車のブレーキケーブル/クラッチケーブルなどのコントロールケーブル類だ。乗りっぱなしや放置期間が長く作動性が低下したケーブルは、洗浄やケーブルオイルの注油で回復するならまだしも、ささくれ立ったインナーケーブルが引っ掛かるようなら新品に交換するしかない。
NTBのケーブル類は、規格部品というだけあり、全長はもちろんレバーホルダー部分の金具やネジ部の形状まで純正部品と同等で、ボルトオンで装着できるのが大きな魅力。ブレーキケーブルなら国内4メーカーの200機種以上に対応し、スロットルケーブルは大型車やハーレーダビッドソン用も取り揃えている。
そのラインナップには純正部品が販売終了、または“ご相談パーツ”扱いになっているものも数多く含まれており、メンテナンスや修理にとってとても頼りになる存在として認められている。
それに加えて見逃せないのが、現状はリストにない機種であっても、ユーザーからのリクエストや市場での需要動向によっては新たに製品化される可能性があるという点。その際のカギを握るのは、アウターケーブルの金具を筆頭としたケーブル構成部品を調達できるか否か。
今回メンテナンスしたホンダ ジュリオの場合、参考となる純正部品をNTBに預け、同社が使用している部品類で再現できることが判明したことで、完全に互換性のあるケーブルを製造できた。
中古車や絶版車のメンテナンスの前に、まずはNTBオートパーツサーチで対象車種の規格部品を確認してみよう。充実したラインナップに驚くはずだし、そこに掲載されていない部品に関しても、同社に相談することで解決策につながる可能性があると思えば、NTBへの期待値はグッと上がるはずだ。
2ストロークスクーターでカギを握るディバイダー
スロットルケーブルのホルダー側は、ケーブルガイドの形状や角度が異なるため、他機種用パーツの流用が難しい。純正(下)に対してNTBの規格部品は、ガイドの形状や遊び調整部分の形状を完全再現。裏を返せば、部品の都合でこうした細部を再現できない場合、規格部品としては製品化できない。
2ストロークスクーターの場合、エンジンに近い位置でキャブレターを開閉するスロットルケーブルとオイルポンプを開閉するポンプケーブルに分岐されており、双方のストローク比や端部の金具形状がケーブル開発時の重要なポイントとなる。樹脂製ケースに収納された分岐部分はディバイダーと呼ばれ(名称はメーカーによって異なる)、規格部品にとっても不可欠。
ハンドルカバー裏からフロントパネル内/ステップボード裏側に取り回す前に、ケーブルがスムーズに作動するか確認しておこう。20年以上経過した純正に比べて、NTB製ケーブルのスムーズさは驚き。
NTB製ケーブルは、フレームステーに対してディバイダーがピッタリの位置に納まる。流用“できるかもしれない”社外品と純正部品同等の規格部品との差は、こういう部分にも現れる。
2ストロークエンジンで重要なオイルポンプケーブルも、違和感なく組み付けることができる。ホルダー部分はダブルナットになっており、ケーブル交換時はオイルポンプドラムの開度を調整する。
絶対的強度が必要なブレーキケーブルも、規格部品のクオリティで安全安心
ドラムブレーキであってもケーブル内部のフリクションの大小によってコントロール性の良し悪しは異なる。潤滑不足でフリクションが大きければ、レバーストロークが小さい領域の反応は悪くなる。
NTB製ブレーキケーブルは、レバー側のタイコ形状/アウターケーブル端部金具形状/レリーズアーム側の金具やネジ長/蛇腹ゴム形状まで純正形状を忠実に再現し、ケーブル内部のナイロンスリーブによって長寿命とスムーズな動きを両立している。
全長を純正と同一に仕上げることで、ケーブルのレイアウトもスムーズなものとなる。リンク式フロントサスペンションがストロークしても屈曲したり突っ張ることはなく、低速でも高速でも扱いやすい。
採寸~設計~製造まで純正相当。NTB製ケーブルができるまで
NTBのラインナップにないケーブルを製造する場合、まず最初にサンプルとなる純正部品を測定して図面を作図し、この図面をもとに仕掛品を製作する。
新たなケーブルが作成できるか否かは、アウターケーブル用金具の在庫状況によって決まる。在庫や設定がない場合は代替品での製造か可能かを検討し、金具の曲げ角度などが異なる場合は、実際に車両に装着して確認を行う。
これらはブレーキケーブル用金具の一例。NTBには純正ケーブルで使用されている多種多様な金具やゴム部品があり、それらを組み合わせることで純正部品と同等の性能を有する規格部品が製造される。
2ストローク車のスロットルケーブルは、ケーブルの途中でキャブレターとオイルポンプを分岐するディバイダーも重要なパーツとなる。下のサンプル品に対して、形状やストロークが同じ部品が調達できるかがカギ。
ケーブルの選定やタイコ部分の固定方法も、純正パーツと同等のクオリティで組み立てられる。NTB製ケーブルは自ら設定した規格部品のハードルをクリアするため、厳しい品質基準を設けて開発されている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
バイクいじり全般で使い勝手の良いスタンダードサイズ 自社内の多段鍛造設備で同じブランク材から鍛造するため、スタンダートサイズの全長は6角/12角/サーフェイスとも開口部5.5〜13mmは全長26mm、[…]
バイク置き場を有効活用できる。掛けてから移動できるリアスタンド バイクとの接点は、スイングアーム下から支える付属のL形アタッチメントか、スイングアームに取り付けたスプールに引っかける別売りのV形アダプ[…]
クロームメッキパーツのケアには専用ケミカルが有効 重厚な金属光沢が魅力的な装飾クロームメッキ。その被膜は0.02〜0.5㎛と極めて薄く、肉眼では見えない孔やクラックから浸入する水分によってクロム層の奥[…]
素材を痛めない万能クリーナーは、長期放置車&レストアの徹底洗車に最適 最近は、1970年代のカワサキZ系やホンダCB系に加えて、ホンダNSR250RやヤマハTZR250Rといったレーサーレプリカモデル[…]
まめなオイル管理が、良コンディションを維持できる秘訣 新型スーパーカブが発表されて以降、新型のシリーズモデルは、週末に限らず、毎日のように街中で見かけるようになった。軽く気ままに走ることができるモデル[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
バイクいじり全般で使い勝手の良いスタンダードサイズ 自社内の多段鍛造設備で同じブランク材から鍛造するため、スタンダートサイズの全長は6角/12角/サーフェイスとも開口部5.5〜13mmは全長26mm、[…]
バイク置き場を有効活用できる。掛けてから移動できるリアスタンド バイクとの接点は、スイングアーム下から支える付属のL形アタッチメントか、スイングアームに取り付けたスプールに引っかける別売りのV形アダプ[…]
クロームメッキパーツのケアには専用ケミカルが有効 重厚な金属光沢が魅力的な装飾クロームメッキ。その被膜は0.02〜0.5㎛と極めて薄く、肉眼では見えない孔やクラックから浸入する水分によってクロム層の奥[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! クルマのボディケア用品の名門として語られることが多いシュアラスターですが、同社の本質は“洗車関係”にとどまりません。じつは、燃料がどう燃え、エンジンがどんな性格を[…]
スクリーンの透明感を取り戻す「ゼロリバイブ」 フルカウルのスポーツバイクやロングツーリング向きのアドベンチャーバイクなどに装着されているスクリーン。長く乗っていると、風雨にさらされて汚れたり、バイクカ[…]
人気記事ランキング(全体)
色褪せないヘリテイジ、進化する「Z」の系譜 017年秋の東京モーターショーで世界初公開されて以来、Z900RSは常に我々ライダーの注目の的であり続けている。その最大の魅力は、往年の名車Z1/Z2への敬[…]
排気量拡大路線から4バルブヘッド開発へ 1980年代の後半はAMGにとって重要な分岐点だった気がします。もともと、彼らはメルセデスベンツが作ったエンジンをボアアップ、強固な足回りへと改造することに終始[…]
Q:雪道や凍結路は通れるの? チェーンやスタッドレスってある?? 一部の冒険好きバイク乗りと雪国の職業ライダー以外にはあまり知られていないが、バイク用のスノーチェーンやスタッドレスタイヤもある。 スタ[…]
オンロードメインで楽しむ扱いやすいツアラーモデル いい意味で、事前の想像とは大きく異なる乗り味だったのが、油冷単気筒エンジンを搭載した軽二輪アドベンチャーのVストローム250SX。このルックスから、個[…]
「着る換気扇」サーキュレーターメッシュ 今回紹介するのは、2025年9月の発売からわずか2ヶ月半で累計3万枚を突破したという「サーキュレーターシリーズ」だ。最大の特長は、裏地に採用された「サーキュレー[…]
最新の投稿記事(全体)
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
ライバル勢を圧倒する抜群のコーナリング性能 ’80年代初頭のヤングマシン紙面には何度もRZが登場しているが、デビュー当初のRZ250の実情を知る素材としてここで選択したのは、’80年11月号に掲載した[…]
寒暖差が大きくても着替えずに対応できる! ワークマンのヒーターウエア『WindCore(ウインドコア)』シリーズは、電熱ヒーターを内蔵する防寒アイテム。別売りのバッテリー(4900円)は必要だが、もの[…]
パンアメリカのオフロード性能をユーザーに体験してもらう 2021年夏に販売開始されたパンアメリカ。ストローク量の多い前後サスペンションのおかげで、ハーレーの中で唯一ダート走行が可能なアドベンチャーカテ[…]
勝つための合理性と最新テクノロジーが辿り着いたパラレルツイン! レーシングマシンは勝つためを最優先に開発される。だから優位なテクノロジーなら躊躇せず採用する斬新で個性の集合体のように思われがち。 とこ[…]
- 1
- 2


![NTB|規格部品|スロットルケーブル|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_02a-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|スロットルケーブル|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_03a-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|スロットルケーブル|作動確認|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_06a-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|スロットルケーブル|納まり|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_04a-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|オイルポンプケーブル|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_08a-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|ブレーキケーブル比較|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_09b-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|ブレーキケーブル比較|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_10b-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|ブレーキケーブル装着|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_11b-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|ブレーキケーブル図面|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_12c-768x432.jpg)
![NTB|規格部品|アウターケーブル用金具|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_13c-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|ブレーキケーブル用金具|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_14c-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|ディバイダー|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_15c-768x512.jpg)
![NTB|規格部品|組み立て|[バイクメンテDIY] 純正パーツのケーブル類が絶版でも、NTB規格部品なら在庫あるかも〈原付から大型車まで網羅〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2025/05/NTB_Cable_16c-768x512.jpg)




































