![[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/37be5f209edf11f669c28ac2faf124f2.jpg)
高性能キャブレターの装着で満足してしまい、定期的な分解洗浄メンテナンスや周辺部品のメンテナンスを、おざなりにしてしまっているユーザーは意外と多い。高性能キャブでもノーマルキャブでも、ケーブル金具を分解したタイミングやセッティング調整の際には、スロットルケーブル(スロットルワイヤー)のメンテナンスを積極的に行おう。
●文/写真::モトメカニック編集部 ●外部リンク:ワイズギア
インナーワイヤー不備による“摺動抵抗増し”が実は多い…
カスタムされたカワサキGPz900R。オーナーからは「エンジンの回転落ちが悪くて…。キャブが調子悪いの!?」といった相談を以前に受けた際に、現状を確認した。確かにスロットルを戻したときに不安定になることがあったので、スロットルケーブルを外し、キャブ単体で強制的にスロットルバルブを作動させると、気持ち良く動き、戻りも悪くなかった。
次に、スロットルケーブルを外して点検すると、キャブ側の固定金具内側周辺でワイヤーの動きがどうも渋い。そこでワイヤーインジェクターを使用し、ケーブル内部の洗浄とグリスアップをおこなった。その後ワイヤーを復元し、エンジン始動。すると、何事もなかったかのように違和感もゼロ。
そんな事態に陥らないためにも、定期的な洗浄&グリスアップが極めて重要になるのが、スロットル操作系部品なのだ。
FCR+ハイスロットルの組み合わせが定番のカワサキニンジャ。この組み合わせ例のモデルは数多く存在する。しかしながら、どれほどのユーザーが、ケーブルコンディションに注目しているのか?
このタイプのケーブルインジェクターを世に広めたのは、1970年代のヤマハ。現在では様々なメーカーから発売されているが、取り扱い方次第で、いろいろなケーブルに対応することができる。
クラッチケーブルと比べて、アウター外径が細いスロットルケーブルには使いにくい。しかも金具エンドの場合はなおさら使いにくい。それでも外径を合わせて筒内噴射してみよう。
ケーブルを挟んだゴムシールの隙間からスプレーケミカルが漏れ出てしまうことがあるが、指先やウエス越しに押し付けて、溢れ出しを無理やり押さえながら筒内噴射しよう。
ケーブル潤滑の際には、最初にパーツクリーナーで内部の“汚れたグリス”を洗い流すのが重要。パーツクリーナーを筒内噴射したら、エアーガンでさらに内部をリフレッシュしよう。
ここで利用したのが、ワイズギア製スーパーワイヤーグリース。よったケーブルへの浸透性が高く、定評のケミカルだ。キャブ側の金具部分をインジェクターのラバーで押さえ込んで噴射。
念のため、エアーガンを利用してケミカルが行き渡るように促した。全力吹きではなく、エアーガンのトリガーを調整しながら吹き付ける。余分なケミカルの除去にもなる。
洗浄時はパーツクリーナー、潤滑時はやグリスやケミカルが、スロットルドラム側までしっかり届いていることを目視確認しよう。ウエスで押さえて作業し、周辺へは飛び散らないように!!
ケーブルアウターを指先で固定しつつ、インナーワイヤーを作動させよう。作業前と比べてスムーズに作動する様子が手に伝わってきた。軽いのが良いに決まっているのがスロットルの操作感だ。
スロットルケーブルで切れやすい部分と言えば、スロットル側もキャブ側も、タイコ周辺だろう。組み付け復元時には、このタイコ周辺にグリスを塗ってケア促進するように心がけよう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
素材を痛めない万能クリーナーは、長期放置車&レストアの徹底洗車に最適 最近は、1970年代のカワサキZ系やホンダCB系に加えて、ホンダNSR250RやヤマハTZR250Rといったレーサーレプリカモデル[…]
まめなオイル管理が、良コンディションを維持できる秘訣 新型スーパーカブが発表されて以降、新型のシリーズモデルは、週末に限らず、毎日のように街中で見かけるようになった。軽く気ままに走ることができるモデル[…]
必要なのはキャブ本体とパーツリスト! 燃調キット開発プロセスとは 日本製自動車の性能は優秀で、日本国内で役目を終えた後も中古車として世界各地に輸出され、何十年という時を経ても現役で活躍していることが多[…]
“思い出の1台”に乗りたい バイクメーカーがニューモデルを開発する際は、ユーザーがそれを受容できるか、あるいは新たなマーケットを作り出せるかが重要。レーサーレプリカもネイキッドも、それがウケると分かっ[…]
単気筒1ボディと4連キャブでは洗浄段取りに違いあり。 超音波洗浄が可能なら、完璧に近い仕上がりに!! いつかそのうち乗るつもり…という「いつか」が数ヶ月から数年になり、もうダメか…となるのが長期放置車[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
自分だけのパーツ作成に役立つ彫刻機 愛車やガレージのカスタムにはワンポイントでも世界にひとつだけのパーツやあしらいがほしいもの。とはいえ、こだわればこだわるほどプロ級のツールが必要不可欠となる。 そこ[…]
Amazonランキング1位! カエディア USBチャージャー「KDR-M3C」を選択 携帯電話所有者のスマートフォン比率が2024年現在で97%というデータがあるなど、もはや日常生活に切っても切り離せ[…]
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
ヤマハの社内2stファンが復活させたかったあの熱きキレの鋭さ! 「ナイフのにおい」R1-Z の広告キャッチは、ヤマハでは例のない危うさを漂わせていた。 しかし、このキャッチこそR1-Zの発想というかコ[…]
空冷ビッグネイキッドをヤマハらしく時間を費やす! 1998年、ヤマハは空冷ビッグネイキッドで好調だったXJR1200に、ライバルのホンダCB1000(Big1)が対抗措置としてCB1300を投入した直[…]
400で初のV4でもホンダ・ファンは躊躇なく殺到! 1982年12月にリリースされたVF400Fは、このクラスでは12,500rpmの未経験な超高回転域と0-400mを13.1secという俊足ぶりもさ[…]
商品ではなく「こんなこと、できたらいいな」を描く 今回は見た瞬間にハートを鷲掴みにされてしまったモトクロス系のお気に入りバイクカタログをご覧になっていただきたい。 まずはアメリカホンダ製作によるモトク[…]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。FXに遅れること約1年、1980年6月に発売された[…]
人気記事ランキング(全体)
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
ヤマハの社内2stファンが復活させたかったあの熱きキレの鋭さ! 「ナイフのにおい」R1-Z の広告キャッチは、ヤマハでは例のない危うさを漂わせていた。 しかし、このキャッチこそR1-Zの発想というかコ[…]
伝統の「火の玉/玉虫」系統 Z900RSのアイコンとも言える、Z1/Z2(900 SUPER 4 / 750RS)をオマージュしたキャンディ系カラーリングの系統だ。 キャンディトーンブラウン×キャン[…]
高機能なウィンタージャケットを手に! 今だけ34%OFF コミネの「JK-603」は、どんなバイクにも合わせやすいシンプルなデザインのショート丈ウィンタージャケットである。 見た目の汎用性の高さに加え[…]
電子制御CVTがもたらすワンランク上の加速性能 ヤマハ軽二輪スクーターのNMAX155は、ʼ25年型で大幅進化。パワーユニットの熟成、リヤのストローク5mm延長を含む前後サスペンションのセッティング最[…]
最新の投稿記事(全体)
1948年創業、1958年にスーパーカブが誕生し、その後は誰もが知る世界一のメーカーに 2023年に創業75周年を迎えた本田技研工業は、1949年にフレームからすべて自社製の本格的なオートバイ、ドリー[…]
元々はブレーキ液の飛散を防ぐため フロントブレーキのマスターシリンダーのカップに巻いている、タオル地の“リストバンド”みたいなカバー。1980年代後半にレプリカモデルにフルードカップ別体式のマスターシ[…]
まずはレーシングスクールから! そもそもプロレーサーって、レースだけで収入の全てを賄っている人というのが一般的なイメージなんでしょうけど、残念ながらそういった人は全日本でもほんの一握り。では、プロレー[…]
足着きがいい! クルーザーは上半身が直立したライディングポジションのものが主流で、シート高は700mmを切るケースも。アドベンチャーモデルでは片足ツンツンでも、クルーザーなら両足がカカトまでベタ付きと[…]
コンパクトな新エンジンの効用をより強く感じられる新作ストリートファイター ストリートファイターV2シリーズのハイライトは、やはり新設計のV2エンジンにある。旧型比-9.4kgのシェイプアップを行うと共[…]
- 1
- 2


![カワサキ|GPz900R|スロットルケーブル|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/1be3f84427578d55494d20ab604f627d-768x512.jpg)
![カワサキ|GPz900R|スロットルケーブル|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/842c0e062795c4715b46293305b0a035-768x512.jpg)
![カワサキ|GPz900R|スロットルケーブル|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/Cable_Maintanance_04-768x512.jpg)
![カワサキ|GPz900R|スロットルケーブル|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/Cable_Maintanance_05-768x512.jpg)
![カワサキ|GPz900R|スロットルケーブル|クリーニング|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/Cable_Maintanance_06-768x512.jpg)
![ワイズギア|スーパーワイヤーグリース|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/Cable_Maintanance_07-768x512.jpg)
![カワサキ|GPz900R|スロットルケーブル|エアーガン|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/Cable_Maintanance_08-768x512.jpg)
![カワサキ|GPz900R|スロットルケーブル|ウエス|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/Cable_Maintanance_09-768x512.jpg)
![カワサキ|GPz900R|スロットルケーブル|ケーブルアウター|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/Cable_Maintanance_10-768x536.jpg)
![カワサキ|GPz900R|スロットルケーブル|タイコ|[絶版バイクメンテ]定期的なケーブルメンテナンスで作動性向上〈1993 カワサキGPz900R Ninja〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/Cable_Maintanance_11-768x512.jpg)





































