30周年を迎えたヨコハマ ホッドロッド・カスタムショーに展示されるはずだったBMW R 18 THE WAL MKII(ザ・ヴァル・マーク・ツー)が日本上陸! 12月25日(日)まで、DEUS EX MACHINA ASAKUSA(デウス エクス マキナ アサクサ)に展示されている。このTHE WAL MKII以外にも、BMWは都内での車両展示イベントが目白押しだ!
●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●外部リンク:BMWモトラッド、DEUS EX MACHINA ASAKUSA
世界初公開の貴重なカスタムが浅草のDEUSに登場!
12月4日(日)に開催されたヨコハマ ホッドロッド・カスタムショーで展示予定だった「THE WAL MKll」。しかしアメリカのオークランド、カリフォルニアで発生した港湾のストライキによる出航大幅遅延により、残念ながらイベントに間に合わず……。
その勇姿を一目見ようと楽しみにしていたファンも多かったのだが、ついに日本上陸! 特別に、 12月25日(日)までDEUS EX MACHINA ASAKUSA(デウス エクス マキナ アサクサ)に展示されることとなった。
ヨコハマ ホッドロッド・カスタムショーでは、木村信也氏のトークショーも行われた。ジャーナリストの河野正士氏が聞き手となった当日の様子を振り返りつつ、ぜひ実車をチェックしに浅草詣でを!
木村信也(きむら・しんや)/1962年、東京生まれ。琉球大学(昆虫学)を卒業後はバイクの世界に入り、1992年に「ゼロエンジニアリング」を立ち上げる。ハーレーダビットソンをベースにしたカスタムバイクの数々は「ゼロスタイル」と呼ばれ、国内外から大きな注目を集める。2006年、活動の拠点をアメリカに移し、チャボエンジニアリングを立ち上げる。クライアントと一対一で向き合いながら、唯一無二のカスタムバイクを制作している。https://www.chabottengineering.com/menu.html
世界で求心力のあるカスタムビルダー、木村信也氏が語る
──木村さんとBMWの繋がりというのが正直意外でイメージできなかったんですが、BMWをどんなブランドだと思っていましたか?
木村「僕はカスタムショップになる前は用品店にいて、そのときにBMWのR50SとかR69Sなどを7〜8台はレストアしたことがあったんですね」
──それは修理だけでなく、乗りながらコンディションをみていたんですか?
木村「もちろん乗りながら調整していましたよ。レストアしてエンジンのコンディションを見ていました」
──確か2019年だったと思うんですが、BMWモトラッド本社からR18でカスタムバイクを制作してほしいとオファーがあったんですね。オファーがあったことにびっくりしましたか?
木村「びっくりしました。というのは、カスタムショップにメーカーから直接オファーがくるというのは光栄なこと。自分の人生のなかでも経験のなかったことでしたから」
──カスタムする前には、結構乗られるんですよね?
木村「バイクが乗れる状態であれば極力乗って、そのバイクのキャラクターを知ることから始めます。それがいちばん理想的。今回も、身を委ねてたくさん乗らせてもらいました」
──R18に乗ってみて、どんな印象でしたか?
木村「まず1800ccという排気量にビビっていたので、一番穏やかなレインモードを試しました。これはにわかには信じられないかもしれないですが、60年代のR69SとかR50Sとか往年の良いバイクにフィーリングが似ていたんです。それから過激なモードに切り替えていくと、一変して今までジェントルだったのが暴力的な感じになったんです。二面性のあるバイクでしたね」
──R18は、ロックとロール、そしてレインという3つのモードがあるんですよね。木村さんがおっしゃった暴力的というのがロックですね。
木村「3つのモードそれぞれいいんですが、レインは往年のBMWを感じさせてくれたんですよ」
──どのくらいの距離乗られたんですか?
木村「1カ月弱ほどノーマルで乗りました。峠や高速道路を走ったり、市街地も。カリフォルニアなので雨は乗らなかったけど、馴染みの場所をよく走りました。R18でタコスも食べに行きましたね」
──ご自身のリアルな生活の中に、バイクを置いてみるんですね。それを経て、カスタムをしていく作業というのはどんな感じですか?
木村「バイクをカスタムするに先立ってはドイツのBMWモトラッド本社に招いていただいて、デザイナーや技術者の方からフィロソフィーなどを聞き、共有しました。BMW本社には歴代のバイクがほとんど揃っていて、それらも見せてもらったんです。
さらに本社で設計や開発をしている人たちの情熱が伝わってきました。ただ単に商品を生み出すのではなく、ファンタジーとか夢がつまっている。ものすごいプレッシャーになりましたが、それを自分の中で消化することからスタートしたんです。それに加えて僕が今まで手がけてきたBMWの整備とか、自分の中のBMW像を合わせて方向性を決めました」
──コンセプトを教えていただけますか?
木村「自分の中では、やはりアウトバーンを淡々と速い速度で走り続けるバイクです。それがBMWの一つの姿。スポーツエンデュランスというテーマを僕の中で決めてつくりました。ノーマルのR18はアップハンドルでアメリカンとも言えなくもないけど、もう少し正統派なBMWの方向性を積極的にもたせたいと思いました」
──R18が出てくるまではBMWはどちらかというとツアラーというイメージで、クルーザースタイルのR18にもそういったBMWらしい要素があったということですね。
木村「そうですね、素地はあったと思います。あと僕のスタイルは、オーダーしてくれたクライアントが似合うバイクであり、クライアントが最後の部品なんです。依頼主がバイクにまたがった時に完成なんです。
でも、このバイクはお客さんがいるわけではないので、もし自分がBMWのデザイナーだったらと思いながら、自分の好きなバイクをつくりました」
──「THE WAL MKl」から「THE WAL MKll」では、カウルが全然違うデザインですね。どうして一度完成したものを、作り変えたんですか?
木村「飽きたんです(笑)『THE WAL MKl』は1年以上前だから、ずいぶん眺めていたんです。本来であれば完成したらクライアントにすぐに渡すのですが、これは自分のところにずっとあったんです。ずっと見ていると変えたい衝動にかられて……」
──カウルがだいぶ大きくなりましたね。
木村「そもそものコンセプトがスポーツエンデュランスなんです。実際に完成して走ってみると、カウルが風をプロテクトするには少し小さかったんですね。それがずっと気になっていて、さらに毎日見れば見るほど飽きてしまって(笑)。これは理屈でなく衝動なんです」
──「THE WAL MKll」が「THE WAL MKIII」とかになるんですかね。
木村「それは危険ですね。だから早く嫁に出したいですね(笑)」
──では購入ご希望の方は、ぜひ問い合わせを(笑)。今日は、ありがとうございました。
年末年始はBMWの車両イベントが目白押し!
●展示車両:THE WALL MKll
日時: 12月9日(金)~12月25日(日)
場所:DEUS EX MACHINA ASAKUSA(東京都墨田区向島1丁目2−8)
●展示車両:R18(マーズ・レッド・メタリック)
日時: 12月10日(土)~12月25日(日)
場所:横浜赤レンガ倉庫イベント広場「イルミネーションガーデン」(神奈川県横浜市中区新港1-1)
●展示予定車両:R 18 Bobber, R 18カスタム
日時: 12月25日(日)~1月8日(日)
場所:代官山T-SITE(東京都渋谷区猿楽町17−5)
●展示予定車両:CE 04
日時:1月10日(火)~2月末予定
場所:cafe 1886 at Bosch(東京都渋谷区渋谷3丁目6−7)
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