2021年末、BMWモトラッドのジェネラルマネージャーに就任した佐伯 要さん。学生時代以来のバイクライフが再スタートし、この日はBMW R1250GSアドベンチャーではじめてのオフロードを経験。貴重な1日に密着しながら、BMWが思い描く未来を伺ってみた。
佐伯 要(さえき・かなめ)/BMWモトラッド ジェネラルマネージャー。1982年生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、2005年BMWグループジャパンに入社。四輪部門のカスタマーサポートや営業企画、プロダクトマーケティングのシニアマネージャーなどの職務を経験し、2021年12月より二輪部門の本部長に就任。
●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:BMWモトラッド
はじめてのオフロードレッスンで汗を流した1日
「じつは今日はじめてR1250GSアドベンチャーに乗ったんです」
はじめてのR1250GSアドベンチャー(以下 GS1250)、そしてオフロードデビュー。BMWモトラッド ジェネラルマネージャーの佐伯 要さんにとって、この日は未知への挑戦尽くしだった。
レッスン場所となったのは、千葉県君津市のオフロード練習施設「MOTO MIXX(モトミックス)」。ここではアドベンチャーバイクに特化したトレーニングプログラム「FUN RIDE Training」を開催しており、この日もBMW モトラッド公認オフロードインストラクターの松井 勉さんを講師にレッスンが行われた。そのレッスンの合間に、まず佐伯さんのバイクライフについて聞いた。
「学生時代はヤマハのSR400に乗っていました。大型免許を取得したのは、BMWグループジャパンに入社した2005年です。それ以降、数年はBMWの大型バイクにも乗っていましたが、多忙な日々が続いたり家族ができたりとでバイクからは遠ざかっていましたね。今回、二輪事業部門のジェネラルマネージャーに就任して、リターンライダーとして楽しんでます」
大学で法学部を専攻していた佐伯さんは、リサイクルに関する法律の授業がきっかけとなり、ちょうど自動車リサイクル法のプロジェクトを立ち上げインターンを募集していたBMWに縁がつながったという。
「インターンを経て正社員として入社した後は、カスタマーサポート部でリサイクル法対応に携わりました。その後は、セールスやマーケティングの現場を経験。マネージャー職も経験しましたが、ずっと四輪事業の部署だったので、二輪事業ははじめて。いろいろと勉強中です」
キャリアでは大きな転換期を迎え、10年振りのバイクライフもスタート。新しい世界への挑戦のひとつとしてこのオフロードレッスンを迎えた。この日は暑さが厳しい真夏日だったが、「汗かくのキライじゃないんですよね」と笑いながら、終日レッスンに集中。初GS1250とは思えない上達ぶりで、最終的にはジャンプ台や林間トレイルエリアのライトヒルコースもクリアした。
40歳の若きトップに8つの質問
──バイク業界の印象はいかがですか?
佐伯「趣味性の高い乗り物という特徴もあり、二輪新参者のメーカーの立場からすると(あくまでも四輪との比較ですが)まだ『受け身』な販売が主流なのだな、と感じています。
それほど気持ちが強いお客様がいることが良い部分であり、それは今後も維持していきたいですが、同時に『攻め』の販売を定着させたいと考えています。
今はまだバイクに興味のない人が、我々の『攻め』でバイクに乗り出したり戻ってきたりして、結果的に人生を豊かにするきっかけになればこれほど嬉しいことはありません」
──BMWのプロダクトのどんなところをユーザーに伝えたいですか?
佐伯「懐の深さというか、文字通り身を預けられる信頼性と運転のしやすさです。
幅広いカテゴリーのモデルと多くのエンジンを有していますが、どれをとってもハズレがないので、バイクに興味のある方全員にBMWモトラッドのモデルも候補に入れていただけるようにしたいですね」
──そうしたBMWの魅力を伝える手段はどのように考え、計画されていますか?
佐伯「デジタルもひとつのきっかけにはなりますが、やはりバイクは実物をみて『カッコいい』と思っていただくことが大事なので、今まで以上に多くの方の目に留まるような展示なりをしたいと考えています」
──9月上旬に白馬で開催されたイベント「BMW MOTORRAD DAYS JAPAN 2022 LIGHT」はいかがでしたか?
佐伯「9月3日(土)はあいにくの天候でしたが、それにもかかわらず来場いただいたお客様から販売店のスタッフ、イベントの運営に携わった代理店のメンバーまで、白馬にいた全員から『開催されて嬉しい』と言っていただけたことが本当に嬉しかったです。
現地で行われた試乗は申し込みが多く、ほぼ全枠が埋まるほど盛況でした。白馬という素晴らしいロケーションにも助けられているかも知れませんが、ライダーの皆さまにBMWモトラッドのラインアップが魅力的に映っているのだと確信することが出来たことは大きな励みになりました」
──「BMW MOTORRAD DAYS JAPAN 2022 LIGHT」は3年ぶりの開催でしたし、多くのBMWファンが集ったと聞いています。イベントなどを通して、四輪とはまた異なるバイクの魅力を感じましたか?
佐伯「車の場合、目的地までわざわざ遠回りしていく方は一部の生粋のドライバーに限られますが、バイクの場合は多くの方が移動そのものに刺激を求めて目的地までの行程をプランしているのを目の当たりにし、これこそがバイクの魅力なのだと理解しました。
白馬のイベントも、来場いただいた方の帰宅後の感想は『やっぱりバイクって楽しい』だったのではないかと思います。イベントの趣旨も究極的にはそこなので、これからも『楽しい』を量産できるブランドでありたいと思います」
──今回はじめてGSに乗ってみて、印象はいかがですか?
佐伯「今まで機会に恵まれず、今回GS1250にはじめて乗ったのですが、オンでの乗りやすさとオフでの信頼性に感動し、多くのお客様に支持されている理由に心から納得しました。
社内でもGS1250を愛車にしている人も多いのですが、彼らが言わんとしていたGS1250の魅力というのを直に体感することができたと思います」
──いまいちばん所有してみたいBMWのモーターサイクルは何ですか?
佐伯「これは非常に難しい質問ですね。存在としてはR nineTが好きですが、R18でゆったり走ることも実は自分の性に合っていることに気づきましたし、GS1250の万能性も非常に魅力的です。
まだまだ認知度が低いこともあり、『目立てる』『広告になる』『かっこいい』という理由から、オプションでドレスアップしたR18であえて街乗りしたいですね。
そしてもう1台持てるなら、街乗りの大本命であるCE 04も欲しいです。振動がないので家族も喜んでタンデムしてくれます」
──最後に、新しくスタートしたバイクレンタルサービス「RENT A RIDE」について教えてください。
佐伯「先ほどバイクに興味のある方は全員BMWモトラッドを候補に入れてくださいとお伝えしましたが、その際の体験方法の1つとして活用いただけると考えています。
また、現オーナーの方が用途に応じて別のセグメントのモデルを試してみるという使い方も考えられます。さらには『RENT A RIDE』を用いて海外でディーラーにて整備されたバイクで安心してツーリングを行うことも可能です。
BMWモトラッドを通じてライダーのバイクライフを豊かにすることで私たちとの繋がりを強くしていただくことが我々の狙いで、そのためにはできるだけ早くより多くの店舗にサービスを拡大していきたいと考えています。
気になるモデルがあったら、まずは気軽にこのレンタルサービスを活用いただけると嬉しいですね」
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