
※本記事は、「MC CLASSIC No.1」(2017年10月号)の特集「’70年代国産500/550の世界」の記事より一部を抜粋し、再構成したものです。
●記事提供:モーサイ編集部 ●文:モーサイ編集部・阪本一史 ●写真:岡 拓、八重洲出版アーカイブ
新機軸「違いの分かる男の4気筒路線」
1969年に登場したCB750FOURに続き、4気筒シリーズの第2弾として1971年に発売されたCB500FOUR。
CB500FOURは、73年のマイナーチェンジで反射板、尾灯の大型化とカラーリング変更などが行われた後、74年にCB550FOURへモデルチェンジ。
1970年代を間近に控えた69年、バイク界に衝撃を与え、世界的な性能の基準を揺るがしたホンダCB750FOUR(フォア)。ナナハンブームの先駆けとなり、公道モデルとして初めて200㎞/hの世界を現実に引き寄せ、世界的ヒットを博すなどその影響は多大だった。
しかし、ホンダの創業者、本田宗一郎が同車にまたがり「こんなデカいバイク、だれが乗るんだ?」と驚いたように、その高性能を込めた車体が、標準的な日本人の体格では、持て余し気味だったのも事実だろう。
それゆえ、フラッグシップとしてのCBナナハンが君臨する一方、ホンダがそのイメージを継ぐCBフォア(4気筒)を、小さな排気量へ波及させたのはある意味自然な方向だったに違いない。その第1弾となったのが’71年に登場したCB500フォアだった。
同車登場時のカタログに書かれた有名なキャッチフレーズは「静かなる男のための500」。それに続き「……正統を好む男。虚飾を見抜く男。機能を洞察しうる男。男のスポーツの何たるかを知る男。そして限りなくモーターサイクルを愛する男。その男たちにおくる……」とも記された。
CB500FOURのサイドカバー。
いわば、違いのわかる男の選ぶマシンだ。その言外には、無理のない車格、扱いやすく十分なパワーといった、ライダーフレンドリーな500で、肩肘張らずに相対せるというメッセージがあり、それが硬派なイメージを崩さずにアピールされた。フラッグシップ的な存在もいいが、常に必要ではない。そんなユーザー層に対し、500フォアの主張はうまく浸透した。高性能至上主義に突っ走っていた70年代の機運の中、このアピールが琴線に触れたライダーは案外存在しただろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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