
カワサキの海外モデルには、日本ではお目にかかれない名車が存在する。そのうちの一台が、北米市場で根強い人気を誇るデュアルパーパスモデル「KLR650」だ。かつて日本でも販売されていたKLR250の名を受け継ぐこのマシン、じつは1987年からラインナップされている超ロングセラーモデル。2021年には13年ぶりとなるフルモデルチェンジを果たしており、最新の2026年モデルも発売中なのだ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:USカワサキ
粘り強い100mmボアビッグシングルと23Lタンク
KLR650の心臓部は、水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンだ。排気量は652ccで、ボア径はなんと100mmにも達する超ビッグシングルとなっている。最高出力こそ41psと控えめだが、最大トルク5.4kgf・mをわずか4500rpmで発生。低中速の豊かなトルクで未舗装路をグイグイ進む、まさにオフロードの王道を行くキャラクターといえよう。
特筆すべきは、その航続距離性能だ。燃料タンク容量は23Lという大容量を確保しており、ガソリンスタンドのない広大な北米大陸の荒野を走り抜けることを念頭に置いたかのような作り。もし国内導入されていれば、北海道ツーリングのような長距離移動時に最強の相棒となりそうだ。
【KAWASAKI KLR650】●色:パールソーラーイエロー
【KAWASAKI KLR650】●色:メタリックスパークブラック
足つき不安を解消する「S」と、全部入りの「アドベンチャー」
ラインナップ展開も興味深い。日本人の身長にも合いそうなローダウンモデル「KLR650 S」が用意されているのだ。スタンダードのシート高が約870mmに対し、「S」はサスペンションとシートの変更により約815mmまでダウン。アドベンチャーモデルへの敷居を一気に下げてくれる設定だ。
【KAWASAKI KLR650S】●色:パールソーラーイエロー
【KAWASAKI KLR650S】●色:メタリックスパークブラック
また、最上級グレードの「KLR650 アドベンチャーABS」もラインナップ。こちらはサイドケース、LEDフォグランプ、エンジンガード、タンクパッド、DC/USBソケット等、旅仕様の完成形ともいうべき標準装備の充実ぶりだ。これだけの装備をまとっていても、最新の2026年モデルで現地価格8199~8299ドル(約120万円前後)。コストパフォーマンスの高さも見逃せない。
【KAWASAKI KLR650ADVENTURE ABS】●色:サイバーカモベージュ×メタリックマットカーボングレー
【KAWASAKI KLR650ADVENTURE ABS】●色:メタリックマットダークグリーン
質実剛健な“道具感”がたまらない
昨今のアドベンチャーバイクは電子制御満載のハイテクマシンが多いが、KLR650はABSの設定があるだけで、トラクションコントロールや電子制御サスといったライダーアシストは一切採用していない。「信頼性」を第一に掲げる質実剛健な作りを貫いているのだ。スタイリングも武骨そのもので、飾り気のない道具感が男心をくすぐる。
残念ながら、日本国内にはヴェルシスシリーズなどが存在するため、正規導入の可能性は低い。しかし、このシンプルでタフなビッグシングルが持つ魅力は現在の国内モデルとは異なるものがある。北米で長く支持されているというのも納得のモデルなのだ。
KAWASAKI KLR650シリーズ(2026年北米仕様)主要諸元
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 2280×970×1455mm |
| ホイールベース | 1540mm |
| 最低地上高 | 210mm |
| シート高 | STD / ADV: 870mm (34.3インチ) S: 815mm (32.1インチ) |
| 車両重量 | 221kg |
| エンジン形式 | 水冷4ストローク DOHC 4バルブ 単気筒 |
| 総排気量 | 652cc |
| ボア×ストローク | 100×83mm |
| 圧縮比 | 9.8 |
| 最高出力 | 41PS (30kW) / 6000rpm |
| 最大トルク | 5.4kgf・m (53Nm) / 4500rpm |
| 燃料供給方式 | フューエルインジェクション(FI) |
| 燃料タンク容量 | 23L |
| トランスミッション | 5速リターン |
| タイヤサイズ(前) | 90/90-21M/C 54S |
| タイヤサイズ(後) | 130/80-17M/C 65S |
| ブレーキ(前) | Φ300mm シングルディスク |
| ブレーキ(後) | Φ240mm シングルディスク |
| 現地価格(MSRP) | STD / S: $6,999 (ABS版 $7,299) Adventure ABS: $8,199 – $8,299 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型バイク(外国車/輸入車))
飾ってもよし、走ってもさらに良し マルケスの記念限定モデルと聞けば「カラーリングをチャンピオン仕様にカスタムした程度かな」と思いがち。ですが、ドゥカティは半端な仕事に終わらせることなく、あたかもGPマ[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
1/9発売:スズキ GSX250R 4気筒などの高性能を競うライバルが多い中、低中速域の扱いやすさを重視した並列2気筒エンジンにより、街乗りからツーリングまで幅広いシーンで真価を発揮する一台。2026[…]
自社だけでなく往年の欧州ブランドをも束ねる いまや中国ブランドとインドブランドは、世界の二輪市場のなかで欠かせない存在となってきた。EICMAで彼らの動きを定点観測していると、それを強く感じる。今年も[…]
第33回 ヨコハマ ホット ロッド カスタム ショーで鮮烈デビュー ハイクオリティなカスタムバイクを製作することで世界中に名が知れている46worksが、第33回 ヨコハマ ホット ロッド カスタム […]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
カワサキ KLX230シェルパS:抜群の足着き性と軽さで林道デビューに最適な一台 KLX230シェルパをベースに、前後サスペンションの変更でシート高を標準の845mmから825mmへ下げたのがこの「S[…]
1/9発売:スズキ GSX250R 4気筒などの高性能を競うライバルが多い中、低中速域の扱いやすさを重視した並列2気筒エンジンにより、街乗りからツーリングまで幅広いシーンで真価を発揮する一台。2026[…]
諦めずひとり粘ったカワサキだけが獲得したZZRカテゴリー! カワサキは1980年代、いわゆるレーサーレプリカをスポーツバイクの頂点とはせず、あくまでスーパースポーツが最高峰に位置する製品をラインナップ[…]
1位:カワサキの2ストが復活確定!! カワサキUSAがSNSで2ストロークの復活を宣言し、業界に激震が走った。注目すべきは公開された特許図で、吸気側のみにバルブを持つSOHC 2バルブの2ストという驚[…]
マーヴェリック号の燃料タンク右側ステッカー エンタープライズに配属された部隊 赤いツチブタは、「アードバークス」の異名を誇る米海軍「第114戦闘飛行隊(VF-114)」のパッチ。1980年代には第1作[…]
人気記事ランキング(全体)
前回は3日で作った“最先端”のバイク……ドリルとハンマーを使ってね 2026年1月14日にお届けした記事では、リヤホイールを半分ずつにして2つ装着したCBR300Rの製作過程を紹介しました。昨年はその[…]
「お金も時間もありそうなのに、なぜこんな天気の良い日にツーリングにも行かず、用品店に来ているんだろう?」という疑問 都内の某大手バイク用品店の駐輪場にて。今日も「なぜ来ているのかわからない?」ようなバ[…]
制動性能と視認性を高めたメカニズムの進化 「COCOシリーズ」は、三輪による走行安定性と、電動モーターによる静粛性を両立したモデルだ。開発元である株式会社バブルは、この新型モデルを通じて、日常の移動に[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
DR650は安くて壊れづらくて、ラリーにうってつけ! 1994年のパリ・ダカール・ラリーは前述の通り、古式ゆかしくパリをスタートして、ダカール砂漠を横断、そしてパリのゴールを目指すルートでした。これは[…]
最新の投稿記事(全体)
対照的なコンセプトで開発された2つのプログラムを用意 「Z」と「Adventure(アドベンチャー)」の各グレードに対応した専用カスタマイズパーツが登場した。今回のプログラムは、それぞれのグレードが持[…]
発売日は1月30日、価格は予想通りの120万円台から スズキ株式会社は1月22日、新型ストリートバイク「GSX-8T」および「GSX-8TT」を2026年1月30日より日本国内で発売すると発表した。 […]
1. 【背景と現状】“原付”モビリティの現状について かつては50ccガソリンエンジン車しかなかった“原付”も現在では多様化している。今回の排ガス規制により50ccガソリン原付は生産を終了し[…]
日本が文明開化している頃に生まれたメーカー ノートンは言わずと知れたイギリスの古参メーカー。日本が文明開化の真っただ中、19世紀末に創業されています。 その後、激動の社史をつづりつつ、1976年には1[…]
リアルとコミックの融合が生む「NSR500」の造形 本モデル最大の特徴は、実車のリアリティと漫画の世界観を高度に融合させている点にある。制作にあたってはホンダの協力のもと、実在するレーシングマシン「N[…]
- 1
- 2








































