
ホンダは欧州で、アフリカツイン由来の2気筒エンジンを搭載するツーリングモデル「NT1100」の2026年モデルを発表した。前年モデルでマイナーチェンジした内容を継承し、新色を追加ラインナップする。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
2025年モデルでエンジンのパフォーマンスアップ、電サスや6軸IMUも採用
ホンダは欧州で2026年型「NT1100」を発表した。2022年に初登場したNT1100は、CRF1100Lアフリカツインの心臓部とメインフレームを活用したツーリングモデルで、2023年~2025年には欧州のツーリングカテゴリーにおいてナンバーワンの座を獲得している人気車だ。
2026年モデルでは新色のイリジウムグレーメタリックを採用し、従来のガンメタルブラックメタリックを廃止。そしてマットウォームアッシュメタリック、パールホークスアイブルーの従来色は継続される。
さらに、2025年モデルではオプション設定だった電子制御サスペンションを標準装備した仕様「NT1100 Electronic Suspension」が正式にバリエーション追加されたこともトピックだ。
このほか、6.5インチTFTタッチスクリーン(アップルカープレイとアンドロイドオートに対応)、左右それぞれにフルフェイスヘルメットが収納可能なパニアケース(左37L、右36L)、167mm幅で手動調整できるウインドスクリーン、ヒーテッドグリップ、USBおよびACCソケット、センタースタンドを標準装備する。
2025年モデル時点でのマイナーチェンジでは、フェアリングのデザインがよりシャープな造形になり、ウインカーをビルトインしたデイタイムランニングライト=DRLを新採用。シート、パニアケース、ウインドスクリーン、ウインドディフレクターフロントマッドガードなども改良を受け、実用性と快適性が向上した。
270度クランクの並列2気筒エンジンは、先行してモデルチェンジしたアフリカツインと同様の変更内容(吸気ダクト径の拡大やECU、インジェクターの最適化など)で低中速トルクを強化し、ユーロ5+に適合しつつピークパワーを維持しながら低中速域のトルクを7%も増強。DCTはよりスムーズなギヤチェンジフィーリングになるよう改善された。容量20Lの燃料タンクは400kmの航続距離を確保している。
電子制御まわりも大きく進化し、6軸慣性計測ユニット(IMU)の搭載によって3段階のホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコンに相当)と3段階のウイリーコントロール、コーナリングABS、リヤリフトコントロールがより正確に制御されるように。また、前述のSHOWA製の電子制御サスペンション『Showa Electronically Equipped Ride Adjustment(Showa-EERA)』も2025年モデルで初めてオプションとして設定。このEERAは、あらゆる走行条件で減衰力をリアルタイムで最適化するほか、走行中にリヤスプリングのプリロードを調整する機能も有している。
このほか、スマートフォン接続機能(アップルカープレイ/アンドロイドオート対応)付きのタッチスクリーン6.5インチTFTディスプレイ、クルーズコントロール、アップグレードされたグリップヒーター、USBソケット、ACC電源ソケット、センタースタンド、オートキャンセル付きウインカー、エマージェンシーストップシグナル(ESS)、リチウムイオンバッテリー(12V/6.0Ah)などを標準装備する。
日本仕様の来季モデルも同様のカラーチェンジがあると思われるが、登場はまだしばらく先になりそうだ。
HONDA NT1100 / DCT / Electronic Suspension(DCT)[2026 EU model]
カラーリングは3つのグレード(マニュアルトランスミッション/DCT/DCT+電サス)全てに3種類をサインナップ。アクセサリーには2つのパック『アーバンパック(容量50Lのトップボックス、アラームをセット)』と『ボヤージュパック(アーバンパックの内容に4.5Lタンクバッグ、前後コンフォートシート、フォグライトなどを追加)』が用意される。また、個別アクセサリーとして双方向クイックシフター(MT仕様向け)などをラインナップする。
HONDA NT1100 / DCT / Electronic Suspension(DCT)[2026 EU model]Iridium Gray Metallic
HONDA NT1100 / DCT / Electronic Suspension(DCT)[2026 EU model]Mat Warm Ash Metallic
HONDA NT1100 / DCT / Electronic Suspension(DCT)[2026 EU model]Pearl Hawkseye Blue
| 車名 | NT1100 | NT1100 DCT | NT1100 DCT Electronic Suspension |
| 全長×全幅×全高 | 2240×860×1340mm | ||
| 軸距 | 1535mm | ||
| 最低地上高 | 175mm | ||
| シート高 | 820mm | ||
| キャスター/トレール | 26.5°/108mm | ||
| 装備重量 | 238kg(+パニア12kg) | 248kg(+パニア12kg) | 249kg(+パニア12kg) |
| エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ | ||
| 総排気量 | 1084cc | ||
| 内径×行程 | 10.5:1 | ||
| 圧縮比 | 92×81.5mm | ||
| 最高出力 | 102ps/7500rpm | ||
| 最大トルク | 11.42kg-m/5500rpm | ||
| 始動方式 | セルフスターター | ||
| 変速機 | 6段リターン (クイックシフターをオプション設定) | 6段DCT | |
| 燃料タンク容量 | 21.4L | ||
| WMTCモード燃費 | 20km/L | ||
| タイヤサイズ | 前120/70ZR17/後180/55ZR17 | ||
| ブレーキ | 前φ310mmダブルディスク+4ポットキャリパー /後φ256mmディスク+1ポットキャリパー | ||
| サスペンション前 | SHOWA製φ43mm SFF-BP (ストローク150mm) | ← | SHOWA製φ43mm EERA (ストローク150mm) |
| サスペンション後 | SHOWA製モノショック (トラベル150mm) | ← | SHOWA製 EERA (トラベル150mm) |
| 車体色 | イリジウムグレーメタリック(新色) マットウォームアシュメタリック パールホークスアイブルー | ||
| 乗車定員 | 2名 | ||
NT1100 のディテール
※以下の写真は2025年モデル発表時のもの
タッチパネル式の6.5インチTFTフルカラーディスプレイを採用。表示画面の構成は以下のようになっている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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