
●文:ヤングマシン編集部 ●写真:SDG Jr. 56RACING
全日本ロードレース選手権・第4戦「SUPERBIKE in MOTEGI」が2025年8月23日・24日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われた。
決勝日の24日、朝8時からのウォームアップ走行を富樫虎太郎選手は慎重にスタート。決勝用にブレーキパッドなどの部品を新品に交換していたため、慣らしと確認をしながらの走行となった。その後、徐々にペースアップ。4周目に3秒台(2分03秒343)へ入れると、そこから連続して3秒台で周回。ラストラップにこのセッションでの自己ベスト2分02秒876を出し、9番手でウォームアップ走行を終えた。
ドライコンディションの決勝は10時15分から18周で行われた。まずまずのスタートを切り、6番手で1コーナーに入った富樫選手。その後、加速部分で1台に抜かれて7位に落ちるが、ヘアピン入口で前車のインに飛び込み、再び6位へ。しかしその後の加速で抜かれ、7位へ。トップ3台が抜け出し、富樫選手は4位争いの集団に入る。ペース的にはトップグループが2分1秒台なのに対し、富樫選手が加わる4位争いは2分2秒台。周によっては前を走る全日本勢に迫る走りを見せる富樫選手だったが、前に出るまでには至らない。それでも安定して2分2秒台で周回し、終盤は3秒台に落ちたものの、その落ち幅も小さく抑え、単独6位でチェッカーとなった。
中野真矢監督は、富樫選手の序盤のペース向上が課題であると指摘。スタート練習の成果が見られ、良いリズムで走行できた。次戦のオートポリスに向けてさらなる成長が期待される。
#50 富樫虎太郎選手のコメント
「決勝はスタート位置が前の方だったので、ゴチャゴチャせずに1コーナーへと飛び込めました。全日本組の速いマシンの集団の中に入ることができ、コーナー区間では差を詰められますが、加速の部分ではどうしても離されてしまうので、そこは我慢して、丁寧な走りを心がけました。序盤から中盤にかけ、前のマシンを抜くことはできたのですが、そこで無理してタイヤを消耗させてしまうと、レース中盤から後半にかけてタイムを落としてしまい、後ろから追い付かれてしまうようなことになる可能性があるので我慢して、とにかく前について行くこと、ペースを維持することに集中しました。具体的にはブレーキングで奥まで突っ込まず早めに減速を終わらせておいて、スムーズにコーナリングして加速に繋げることを大事にしました。ただ、次戦のオートポリスは走ったことのないコースですし、そういう状況になると全日本組の人たちに引っ張ってもらうことになると思うので、そうした状況のときに後れを取ることがないよう、今日のあの場面では、苦労せずに前に出られるようになっておかないといけないと、レース中に感じました。自分に足りないことが明確になりましたし、順位的にあの位置で走れたのは自信になり、収穫の多い今回のレースとなりました」
SDG Jr. 56Racing 中野真矢監督のコメント
「現状での虎太郎の課題は、レース序盤のペースでした。中盤から後半にかけてのペースは良いだけに、序盤の上がり方が遅いので最終的なリザルトが苦しくなってしまいます。それを今回のレースウイークでは克服しようとトライしていて、金曜日のフリー走行、昨日の予選の中でそこに取り組み、今日の決勝でも序盤から全日本勢の集団の中に入り、良いリズムで走ってくれたので、一つ安心しました。そのためにスタートの練習も各セッション終了後に行ってきて、今日の朝のウォームアップ走行でやっとコツが分かってきたということだったので注目して見ていましたが、大きく出遅れることなく良かったですね。我々は特別参戦枠というスタンダード車両を使用するルールの中で戦っているため、改造範囲が我々よりも広い全日本組と戦うにはどうしてもハンディキャップが存在します。でもライダーの技量でそれを超える走りを見せてほしい。今日の虎太郎は、それを見せてくれましたね。あの走りを我々はシーズン当初から見せてほしいと期待していたのですが、実際はなかなか難しく、ここまでかかってしまいましたが、それでも4レース目で形にしてくれたのは良かったです。このあとは走ったことのないオートポリスでのレースもありますが、ぜひ今日の走りを自信にして、さらに成長してほしいと思います。我々もさらにバックアップしていきます」
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(レース)
タイヤの内圧規定ってなんだ? 今シーズン、MotoGPクラスでたびたび話題になっているタイヤの「内圧規定」。MotoGPをTV観戦しているファンの方なら、この言葉を耳にしたことがあるでしょう。 ときに[…]
MotoGPライダーのポテンシャルが剝き出しになったトップ10トライアル 今年の鈴鹿8耐で注目を集めたのは、MotoGPおよびスーパーバイク世界選手権(SBK)ライダーの参戦だ。Honda HRCはM[…]
ワールドスーパーバイク選手権で6度の世界王者に輝いた北アイルランド人 ジョナサン・レイがついに引退へ──。 2024年にカワサキからヤマハへと移籍したジョナサン・レイが、2025年シーズン終了をもって[…]
路面温度が70度に迫るなか、2人で走り切った#30 Honda HRC 鈴鹿8耐が終わってからアッという間に時が過ぎましたが、とにかく暑いですね。鈴鹿8耐のレースウイークも日本列島は、史上最高気温を更[…]
15周を走った後の速さにフォーカスしているホンダ 予想通りと言えば予想通りの結果に終わった、今年の鈴鹿8耐。下馬評通りにHonda HRCが優勝し、4連覇を達成した。イケル・レクオーナが負傷により参戦[…]
人気記事ランキング(全体)
ファン+ペルチェでダブル冷却 山善のペルチェ ベストは、外径約100mmの大型ファン(厚み約38mm)で風を取り込み、さらに内蔵のペルチェデバイスで空気やウェア表面を冷やす仕組みを採用。保冷剤用メッシ[…]
MotoGPライダーのポテンシャルが剝き出しになったトップ10トライアル 今年の鈴鹿8耐で注目を集めたのは、MotoGPおよびスーパーバイク世界選手権(SBK)ライダーの参戦だ。Honda HRCはM[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
コンパクトながら高出力のペルチェ冷暖ベスト おたふく手袋の「冷暖ペルチェベスト JW-699」は、USB PD対応の2万mAhバッテリーを標準付属。psEマーク取得のバッテリーで、最大連続使用は冷却の[…]
ワークマン公式アプリから先行予約、店頭受け取り限定で販売 まずはイージス防水防寒スーツの「リミテッドブラック」が欲しくてソワソワしている人のために、その予約方法をお伝えしよう。 ワークマンは9月1日([…]
最新の投稿記事(全体)
陸・海・空にまで広がるホンダの”夢” 今回の展示のテーマは「夢の力」。陸、海、空の3つの領域におけるホンダの多様なモビリティを通して、その技術力と未来へのビジョンが示されます。 二輪車からは、市販モデ[…]
全日本ロードレース選手権・第4戦「SUPERBIKE in MOTEGI」が2025年8月23日・24日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われた。 決勝日の24日、朝8時からのウォームアップ走行を[…]
税込4400円! リーズナブルなメッシュグローブ 今回紹介するのは、ゼロスシリーズでも人気のグローブシリーズのひと品「ゼロスグラブエア」。その名の通り、走行風を取り込むメッシュ仕様のサマーシーズン用グ[…]
『FanFunミーティング』は入場無料。レッドバロンユーザーでなくても参加可能! 今年4回目となる会場は那須モータースポーツランド(以下:那須MSL)。この会場の目玉は、なんといっても那須MSLならで[…]
インドにも影響を与えたヒッピー文化をオマージュ ロイヤルエンフィールドジャパンが「ゴアンクラシック350」を正式発表。4つのカラーバリエーションをラインナップし、価格は74万9100円から。2025年[…]
- 1
- 2