
世界耐久選手権(EWC)への参戦やリプレイス用高性能マフラーなどのアフターマーケットパーツの開発で名を馳せるトリックスターが、2024年11月に行った最高速チャレンジの雪辱を晴らすべく、再び300km/hの壁にチャレンジした。ベースマシンはカワサキ「Ninja ZX-4RR」、これをターボ化したミドルモンスターがJARIを疾走する!
●文:ヤングマシン編集部 ●写真:トリックスター
目指すはボンネビルの最高速度記録! 前回はエンジンブローで力尽きたが……
2024年4月の名古屋モーターサイクルショーで初お披露目されたトリックスター「ZX-4ターボ」は、2024年11月に日本自動車研究所 城里テストセンター(JARI)の高速周回路で最高速チャレンジの第1回を行い、事前テストは実施していたものの全開高回転域のまま走り続けるという未知の領域には初めて挑んだという400ccターボマシンだ。
そのときは平均130psをマークしたという最高出力により300km/hの数字が見えたかに思えたが、無念のエンジンブローにより、メーター読み252km/h、実測237km/hという記録にとどまっていた。
当然のごとく再チャレンジを宣言していたトリックスターだが、2025年春と予告していた通り、三寒四温の季節に再びJARIでのアタックを敢行。今回はメーター読みでかなり300km/hに近づいた結果となった。もちろん今回はエンジンブローなしだ。
マシンは前回の結果を踏まえ、エンジンブローせずに安定した高回転パワーを発揮させるべくツインインジェクター化。あわせて電装系を一新し、燃料供給や点火制御を最適化している。
スパ西浦(愛知県)でテストを重ね、確かな手ごたえを得てJARIへと向かった。
記録は以下の通り。GPS実測値は非公開とし、次回の記録更新に含みを持たせている。記録や課題に対するコメントはトリックスターのものだ。
チャレンジ結果
※数値はメーター読み
【1回目】292km/h
- 想定よりも大幅に速い記録をマーク
- この時点でファイナルギア比が限界に達し、さらなる最高速を狙うためには調整が必要と判断
1st Attack
【2回目】293km/h
- スプロケットをロング仕様に変更し、最高速をさらに伸ばすセッティング
- 今後のデータ収集のため、点火タイミングを変更した異なるマップを使用
- しかし、クラッチが滑ってしまい、100%のパワーを伝達できず
2nd Attack
【3回目】295km/h(!!)
- クラッチを交換し、万全の状態で再挑戦
- ファイナルの変更が功を奏し、さらなる速度向上に成功
3rd Attack
今後の課題と展望
現在の仕様でも300km/hの壁は見えてきたが、さらなる安定性とパワー伝達の最適化が求められる。
次のステップとして、「車体の振れ対策」「ビッグタービン仕様によるパワーアップ」を進め、「GPS 300km/h(つまり実測値)」達成へ向けてさらなる改良を加えていく。
この挑戦はまだ終わらない!
第1回チャレンジは以下↓
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