
ヤングマシンに“白バイライテク”が帰ってきた! 平成の世において、ヤングマシンと警視庁がタッグを組み、白バイ隊員の驚くべきライディングテクニックを紹介し続けたことは、往年のファンならご記憶のことだろう。その名作動画シリーズが、ついに令和バージョンとして蘇った! 現役白バイ隊員の指導を受け、バイク声優“にゃんばちゃん”こと難波祐香さんとおじさんライダー代表の編集部員がステップアップを目指す!
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:警視庁
白バイライテク復活第2弾は「ブレーキ」だ!
白バイと言えばヤングマシン! WEBが生まれる以前から、ヤングマシンは長きにわたって白バイを取材。安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転のお手本として白バイ流のライディングに迫って来た。その成果のいくつかは現在もAmazonプライムビデオやU-NEXTで視聴可能だ。
そして今! しばしの休息から白バイ安全ライテクが復活! ヤングマシン本誌でもおなじみのバイク声優“にゃんばちゃん”こと難波祐香さんと、まったりおじさんライダー代表・編集部員の山形が、現役白バイ隊員に弟子入りしてステップアップを目指す。 そして、師匠は……そう! かつてヤングマシンの連載で読者の目から大量のウロコをひっぺがした、“あの”警視庁・片岡克介隊員だっ!
【師匠:警視庁交通総務課 片岡克介隊員】平成5年の白バイ大会で優勝。ロンドン留学や安全運転中央研修所での指導も経験。乗るのも教えるのも最高峰の白バイ隊員だ。【進行役兼弟子:難波祐香】ヤングマシン本誌でもおなじみのバイク声優“にゃんばちゃん”。愛車はヤマハSRV250。もちろん白バイライテクに興味津々、究極の安全運転免許皆伝を目指す!【おじさんライダー代表:山形悠貴】アメリカンひとすじ20年のヤングマシン編集部員。2輪誌への配属を機に、“持ってるだけ” から “乗れてるアラフォー” へと脱皮を図る。
第2回となる今回のテーマは「ブレーキング」。非常に奥深い、いわばライディングの永遠のテーマだが、ここでは不安と危険と取り除くことにポイントを絞って学んでいく。
バイクにまたがる前に、まずは座学(立ったままですが!)でポイントを整理。「バイクのブレーキングは前後7:3」と珍しくまっとうな知識を披露する山形に対し、片岡隊員が掲げた目標は、
「前後100:100」!
その意味を聞いてナットクした2人は、さらにABSの有無による違いなどの知識を深めつつ、いよいよ実技に挑む!
[実践]フルブレーキング、やってみた! これ公道じゃ無理なやつ・・・!?
ABSなしのSRV250に乗るにゃんばちゃん、ABS付きのMT-07で挑む山形、それぞれ車両特性に合ったフルブレーキングにチャレンジ! クローズドコースで指導を受けるライテク講座ならではのチャンスを活かし、時速50キロからのフルブレーキングを体験する。
レディーファーストでまずはにゃんばちゃんから。ABS非装着車ということで、タイヤロックの恐怖からか思わずキャーッと声が上がる。がんばったけど、片岡隊員からは「フロントがまだ弱く、リヤは掛けすぎ」との指摘が。これって女性ライダーあるある?
続いて山形がチャレンジ。ABS装着車両なので、素早くABSを作動させることを狙う。
「割といいブレーキになってました」とのお言葉をいただくが、ABS作動よりも手前の領域でおさまってしまっていた。どうも勇気が足りない……ユウキは名前だけなのか?
指摘された内容に気をつけて、2回目にチャレンジ。より強くブレーキを掛けられるようになったにゃんばちゃん、勇気を出してABS作動を体験したやみゃがたちゃん、ふたりとも成長を感じることができた。
[お手本走行]さすがの安定感! 白バイの巨体をぴたりと止める
そしてお待ちかね、片岡隊員にお手本を見せていただく。
制動開始のパイロンを過ぎた瞬間、フロントフォークがほぼフルボトム! 総重量370キロほどにもなる白バイが、なにごともなかったかのように静かにスムーズに停止する。
にゃんばちゃん「すごい美しく止まりましたね、ほんと!」
片岡隊員「ありがとうございます。ブレーキをかけ始めてから止まるまで、強弱がなかったんじゃないかなと思います。あとはライディングポジションも大事ですし、前方の状況をきちんと見るのも大事です。ところで、イザという時に今みたいなブレーキング、特にABSが付いていない場合だとタイヤがロックする寸前のブレーキング、できますか? どうでしょうか」
にゃんばちゃん/山形「・・・・・・・」
片岡隊員「おふたりに一番感じてほしいのは、止まることの難しさを知ること、そして急ブレーキが必要のない運転をすることです。能ある鷹は爪を隠す、です。もちろんスキルアップも大切ですよ」
最後にあらためて山形から前後ブレーキの順序について質問が。
山形「リアブレーキを先に掛けるイメージでいいんでしょうか」
片岡隊員「運転ってクセ付けですよね。日頃からブレーキペダルの上につま先を置くような運転を心がけていれば、イザというときには必然的にリアから先にかかりますから」
見て、聞いて、自分でやってみて、深く学んだふたりなのであった・・・。
今回の動画はこちら↓
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