国産EVで世界の覇権をいかに握っていくか
「ZEVの普及には購入補助金も欠かせません。EVバイクを購入するときに、あまり価格が高いと手が出しにくい。ですから、国と都の補助金を併用すれば、同等のガソリン車と変わらない価格で購入できるようにしております。いまこそZEV化への流れを作る大きなタイミングです。全体を考えながらですが、これからもEVバイクを含めたZEVを応援していきます」
原付クラスのEVスクーターなど、航続距離がそれほど長くなくても大きな問題にならないコミューターの領域では、確かに充電時間や購入価格の問題の解決策が生まれ始めている。
しかし、スポーツバイクの世界では、いまだに国内で販売されているZEVはほとんどなく、とくに日本メーカー製は皆無と言っていい状態。’35年、東京都の掲げる新車販売の100%非ガソリン車という目標達成には大きな壁が立ちはだかっている。
「外国製の、BMWとかハーレーは大きなEVバイクも作っていますよね。もしかしたら、テスラも作ってくるかもしれません。
もともと日本車は世界中で人気があります。EVになってもどうやって覇権を握っていくかということだと思います。いまは多種多様なバイクが登場する戦国時代で、いかにして日本の技術と日本車への憧れを生かし、EVになってもどうやって覇権を握っていくか。日本だけではなく、世界でどうやってリードしていくか。利便性とカッコよさを備え、気候変動対策も兼ね備えていて、消費者のニーズに応えられるEVバイクを作ることは、まさに車両メーカーにとっては経営戦略そのものだと思います。
’35年までに新車販売される二輪車のZEV化を東京都は掲げています。ここに向かって技術革新に取り組み、消費者が望むものを作っていただきたいですね。これはまさに世界的な競争になると思いますし、いま日本車のシェアは世界のトップですが、下手したらこの世界シェアを失いかねません。危機感を持ってZEVに取り組んでいただきたいと思っています」
できる、できないを論ずるのではなく、全世界的な乗り物のEV化という大きなうねりのなかにあって、知事は日本メーカーのEV化の技術革新と、それによる世界シェアの確保に期待を寄せているようだ。
とはいえ、クルマと違ってバッテリーの搭載場所が限定されるバイクのEV化は非常に困難で、とくに現在の大型バイクに匹敵する性能と、現在のガソリン車と同等の販売価格を実現するのは至難の業であるのは周知の事実。ゲームチェンジャーが現れなければ、’35年の目標を達成できない可能性もはらんでいると言わざるを得ない。
ガソリンエンジン車と同等の価格にするために、都は手厚い購入補助金を用意していて、写真のホンダBENLY e:は車両本体+バッテリー2個/充電器2個の基本セット59万円だが、都(18万円)と国(6万円)の補助金が24万円出ることでガソリンのBENLY(24万2000円)との価格差を縮めている。
BMW Motorradが販売中の電動スクーターCE04。軽二輪相当だが、驚くような加速力を発揮する。価格は168万7000円~で、日本国内の型式認定を取得していないため、EV購入補助金の対象ではない。輸入車の場合、型式認定の有無が今後も課題になりそうだ。
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