スズキがEICMA 2022で新型Vストローム800DEを発表。Newエンジンはもちろん、オフロード走破性を高めるシャシーや足周りも魅力的だ!
●文:伊藤康司 ●写真:スズキ ●外部リンク:スズキ
アドベンチャーの新境地を切り開け!
アドベンチャーモデルのVストロームにシリーズに、新たに加わったV-Strom 800DE。排気量的には現行Vストロームの1000と650の間を埋める形になる。もしくは650の後継とも考えられるが、Vストローム650は平成32年(令和2年)排出ガス規制、すなわちユーロ5をクリアしているため生産期間的には当分余裕があるので、これに関しては現時点では不明だ。
エンジンは同時に発表されたネイキッドモデルのGSX-8Sと同系の、新開発の水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブの776ccを搭載。スズキ初の270度位相クランクをはじめ、数々の新機構を採用する。このエンジンの詳細は追って報告する予定なので、まずは車両の概要をお伝えしよう。
フレームは既存のVストローム1000/650とは異なり、コンパクトなスチールパイプフレームを新たに開発し、ハードなトレイルランに耐える強度と、軽量・コンパクトを両立。フロントの倒立フォークおよびリンク式のリヤサスペンションはSHOWA製で、ともに220mmのホイールトラベルを確保して高い走破性を実現。リヤショックのプリロードは手動で調整でき、積載やタンデムにも対応。耐食コーティングを施したワイヤースポークホイールは前21/後17インチで、セミブロックのダンロップ製TRAILMAX MIXTOURを履く。フロントのブレーキディスクは310mmのウェーブタイプで、アキシャルの2POTキャリパーを装備する。
ワイドなテーパータイプのハンドルバーや、幅広ゴムの滑りにくいフットペグ、そしてホールド性と広さを備えたシートが自由なライディングポジションを生み出す。タンデムに便利なグラブバーは、オプションのトップケースを簡単に取り付けられる。スクリーンの高さはは六角レンチを使えば15mm刻みで調整が可能だ。他にもハンドガードやラジエターのコアガード、プラスチック製のアンダーカバーで、ライダーや車両を防護する。
ヘッドライトはGSX-8Sと同系の6角ハウジングの二段重ねのLEDだが、特徴的なくちばしデザインは1998年のDR-Z800をオマージュしながら、Vストローム1050よりいっそうモダンに新化している。燃料タンクは20Lの大容量だ。
制御系も進化し、スロットルはライドバイワイヤで制御し、スズキインテリジェントライドシステム:SIRSもいっそう充実。ドライブモードセレクター(SDMS)はA(アクティブ)、B(ベーシック)、C(コンフォート)の3種を用意。トラクションコントロール(STCS)は3段階の介入度に加え、G(グラベル)モードを追加し、点火時期を遅らせることで砂利など荒れた路面でのコントロール性を向上。他にもクラッチ操作が不要のアップ/ダウン双方向のクイックシフターや、スターターボタンを1回押すだけでエンジンを始動できるイージースタートシステム、スタート時や低速走行時にスムーズな回転を維持する低回転アシストも装備。
メーターは視認性に優れた5インチのカラーTFTマルチファンクションインストルメントパネルが、多彩な情報を見やすく表示。またメータークラスター左側にUSBポートも備わる。
ボディカラーはDR-Z800を彷彿させるチャンピオンイエローNo.2と、流行のつや消しカラーのグラスマットメカニカルグレー、精悍なグラススパークルブラックの3色をラインナップ。
純正アクセサリーはヘビィデューティーなハードケース類をはじめ、ガードパイプやアルミ製のアンダーガード、センタースタンドなど多彩に用意する。
新型Vストローム800DEは2023年2月より、欧州・北米を中心に全世界で順次販売を開始する。
SUZUKI V-STROM 800DE[2023 EU model]
主要諸元■全長2345 全幅975 全高1310 軸距1570 最低地上高220 シート高855(各mm) 車重230kg ■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 776cc 84.3ps/8500rpm 7.95kg-m/6800rpm 変速機6段 燃料タンク容量20L ■キャスター28°/トレール144mm ブレーキF=φ310mmダブルディスク+2ポットキャリパー R=φ260mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=90/90-21 R=150/70-17 ※諸元は欧州仕様
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