最後の空冷4発をとくと見よ! ホンダCB1100ファイナルエディション【ディテール徹底解説】

ホンダCB1100ファイナルエディション


現在ただひとつの空冷直4マシン、CB1100シリーズの国内向け生産終了が発表された。世界初の実質的な空冷直4量産車であるCB750Fourから数え、実に52年。空冷4気筒CBの歴史に幕が降ろされるのだ。最後を惜しむように設定された、CB1100のファイナルエディション。RSとEX両方に用意され、11月30日までという予約期間限定で販売された(現在、予約受注は終了)。ここでは2タイプそれぞれの、細部を見ながら特徴を解説していこう。


●文:ヤングマシン編集部(沼尾弘明) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:Honda

スタイリング

’10年の初代デビューから11年、有終の美を飾るファイナルエディションがEXとRSに設定された。ファイナルエディションと通常グレードの違いは、ズバリ外観だ。

【’22 HONDA CB1100 EX FINAL EDITION】■空冷4スト直列4気筒DOHC4バルブ 1140cc 90ps/7500rpm 9.3kg-m/5500rpm ■車重255kg シート高780mm 燃料タンク容量16L ■タイヤサイズ F=110/80R18 R=140/70R18 ●価格:136万2900円 ●色:赤、黒 ●発売日:’21年11月25日(予約期間は’21年10月8日から’21年11月30日まで)

【’22 HONDA CB1100 RS FINAL EDITION】■車重252kg シート高785mm 燃料タンク容量16L ■タイヤサイズ F=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:140万3600円 ●色 青、赤 ●発売日:’21年10月28日(予約期間は’21年10月8日から’21年11月30日まで)

【EXファイナルエディション】

【RSファイナルエディション】

【EXファイナルエディション】EXは丸みを帯びたタンクと厚みのあるシート、フォークブーツ+スポークホイールなどCB750フォアに似たフォルム。バフがけされたエンジンなどで金属の質感が強調されている。

【RSファイナルエディション】剛性の高い2ピースボトムケースフロントフォークなど専用の足まわりを与え、スポーツ性をアップしたRS。タンク中央にはシルバーのセンターストライプが入り、軽快な印象を演出する。

クロームメッキが輝く各部やフォークブーツ、前後18インチワイヤースポークホイールなどでトラディショナル感を強調したEX。今回撮影したレッドは、’20年型に設定されたキャンディークロモスフィアレッドと同色ながら、赤く塗装されていた前後スチールフェンダーをクロームメッキ仕上げに。金属の素材感を最大限に活かし、往年のモデルのような雰囲気が漂う。

そして前後17インチキャストホイールやラジアルマウントキャリパー、スポーツ感の高いサスで脚を固めたスポーティーなタイプのRS。撮影したブルーは近年ホンダのトレンドとなっているカラーで、特別に装備するブラウンシート、ゴールドホイールとの相性も抜群だ。

カラーバリエーション

EXはレッド/ブラックの2色展開

ベーシックなツヤありブラックと、格調高いキャンディーレッドを用意するEX。タンクのラインは従来型から引き継ぐ。ブラックは新色で、レッドと同様のラインをタンクに採用。こちらもクロームメッキ前後フェンダーを備え、一段と落ち着いた雰囲気をまとう。

【EXファイナルエディション カラーバリエーション】キャンディークロモスフィアレッド(左) ダークネスブラックメタリック(右)

RSはブルー/レッドの2色展開

一方のRSについては、ツヤ消しブルー、ホンダらしいソリッドレッドの2 カラーを設定。ツヤ消しブルーに比べ、レッドはかなり鮮やかな色味。ブラックシート、ゴールドホイールを組み合わせ、スポーティな印象が際立つ。ともにアウターフォークとリヤショックをブラックアウトし、足元を引き締めた。

【RSファイナルエディション カラーバリエーション】マットジーンズブルーメタリック(左) マグナレッド(右)

ライディングポジション

【EXファイナルエディション ライディングポジション】手前に引き寄せられたハンドルに手を添えれば上半身がすくっと直立したまさに王道ポジション。シート高は785mmと高くはないが幅がやや広め。足着きは両足の指の腹あたりだ。

【RSファイナルエディション ライディングポジション】ちょっと前傾が加わりフロントに荷重を乗せやすいポジション。ステップ位置はEXと同じ腰の直下。シート高はEXより5mm高いが、足着き性についてはほぼ変わらない印象だ。

特別装備

専用ステッカー

両モデルとも燃料タンクの上面に”Final Edition”、”AIRCOOLED INLINE4″の文字をあしらった専用ステッカーが大きな特徴だ。

足まわり

【EXファイナルエディション】スチールFフェンダーはEXのみ。通常グレードでは前後ともボディ同色だったが、ファイナルではクロームメッキを施し、一層750フォアに似た佇まいとなった。ウインカーもRSと異なる砲弾型で、各部にクロームメッキを奢る。

【RSファイナルエディション】ブルーの車体には、ブラウンシートとブラウンゴールドのアルミキャストホイールを合わせ都会的なイメージに。シート表皮は専用で、前後タテ基調のワディングがデザインされる。リヤサスはRSのみ圧側4、伸側15段階の減衰力調整が可能。

好評を得て予約受注は終了

ファイナルエディションの国内年間販売計画台数はEX/RS合わせて1600台。従来型ではRSが約6割、EXが約4割の比率で販売されており、ホンダとしてはファイナル仕様でも同程度の比率を想定していたようだ。

なお、初代から採用されるスマートなタンクのスタンダード仕様=CB1100にはファイナルエディションが設定されず、’19モデルから販売されたダークネスブラックメタリックでラスト。既にSTDはホンダWEBサイトのラインナップから姿を消している。

ファイナルエディションの価格は従来モデルから据え置き。あまりの人気に10月25日には受注を終了。幸運にも予約できた方にはぜひ末永く、空冷4気筒とのバイクライフを送ってほしいと思う。


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