カワサキは欧州で、2021年にモデルチェンジして大胆な顔つきに変貌した「ニンジャZX-10R(Ninja ZX-10R)」にニューカラーを設定し、ホモロゲーションマシンの「ニンジャZX-10RR」とともに2022年モデルとして投入する。
10RのKRTカラーと10RRのライムグリーンは継承、エボニーに変化アリ!
カワサキは、10月5日に北米で先行発表していたニンジャZX-10R/10RRの2022年モデルを欧州で発表した。このうち、エボニーと名付けられた黒ベースの車体色のみ、欧州で初めて公開されたカラーリングを纏っている。
2021年モデルでは空力面の向上を中心に大胆なフェイスリフトを敢行。ダウンフォースは最大で17%向上したといい、ウイングレットを統合したアッパーカウルは伊達じゃないことを示している。灯火類はフルLEDになり、大型のTFTメーターディスプレイは更新されたRideologyアプリを介したスマートフォン接続にも対応した。また、スーパーチャージドエンジン搭載のニンジャH2系に限られていた“リバーマーク”をスクリーン内に配置したのもこの年式からだ。
さらに、KIBS(統合ブレーキシステム)や双方向クイックシフター、ローンチコントロール、コーナリングマネジメントシステム、調整可能なトラクションコントロール、そしてライディングモードとエンジンブレーキ制御(調整可能)を標準搭載するほか、スーパースポーツとしてBMW以外では珍しいクルーズコントロールを採用したのもトピックだった。また、街乗りだけでなく冬のサーキット走行会などでも重宝するグリップヒーターがオプション設定されているのも嬉しいところだ。
ニンジャZX-10RRのほうは、シングルシートが象徴するように、エンジンの高回転化や専用ホイールで戦闘力を高めたレース用ホモロゲーションモデル。通常版より+1psの204psを発生する。SBKで実績のあるPankl社製チタンコンロッドを2019年型から採用するが、新たに同社製の軽量ピストンも投入したほか、新設計カムシャフトやバルブスプリングも与え、レブリミットを1万4300→1万4700rpmとした。さらにパワーバンド自体も500rpm高めることで、限界域の性能を向上している。最高出力は不変ながら、ラムエア加圧時は10R/RRともに従来比1.1ps増の213.1ps/214.1psをマーク(国内仕様のスペック)する。
日本仕様の2022年モデルでは、どのカラーリングが採用されるのかは不明だが、北米/欧州で発表されたうちのいずれかの組み合わせになるはず。
なお、欧州仕様ではアクセサリーのアクラポヴィッチ製マフラーやシングルシートを装着した『パフォーマンスエディション』もラインナップされる模様だ。参考までに、英国における価格はニンジャZX-10RのSTDが1万5799ポンド(日本円換算約248万円)、同パフォーマンスエディションは1万6799ポンド(日本円換算約263万8000円)、そしてZX-10RRは2万4799ポンド(日本円換算約389万4000円)、同パフォーマンスエディションは 2万5599ポンド (日本円換算約401万9000円)となっている。
KAWASAKI Ninja ZX-10R / ZX-10RR[2022 EU model]
主要諸元■全長2085 全幅750 全高1185 軸距1450 シート高835(各mm) 車重207kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 203ps/13200rpm・ラムエア加圧時213ps/13200rpm[204ps/14000rpm・ラムエア加圧時214ps/14000rpm] 11.7kg-m/11400rpm[11.4kg-m/11700rpm] 変速機6段 燃料タンク容量17L■キャスター25°/トレール105mm ブレーキF=φ330mmダブルディスク+4ポットキャリパー R=φ220mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ※諸元は欧州仕様 ※[ ]内は10RR ●参考価格(英国):10R=1万5799ポンド(パフォーマンスエディション=1万6799ポンド)/10RR= 2万4799ポンド(パフォーマンスエディション=2万5599ポンド)
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