
夏場のツーリングにおいて、最大の敵は言うまでもなく「灼熱の太陽」と「エンジンの排熱」だ。特に渋滞や長時間の信号待ちでは、走行風による冷却が途絶え、ヘルメットの中で意識が遠のきそうになることすらある。そんなライダーの救世主となりそうなのが、南海部品から登場した「SDW-4158 ペルチェクール・ファンベスト2」だ。
●文:田中淳麿
氷を当てられたような衝撃! 電流が生み出す「即効冷却」
本製品のキモは、電流を流すと冷たくなる半導体「ペルチェ素子」を用いた冷却デバイスと、空調ファンのハイブリッド構造にある。
ベストをセットアップし、長袖インナーの上に着用。その上からメッシュジャケットを羽織り、気温34℃の炎天下へ飛び出した。
スイッチを入れると、わずか数秒で首元に明確な冷たさを感知。10秒も経てば、まさに「冷えた缶ジュースを直接押し当てられている」かのような強力な冷却がスタートする。設計上のスペックは環境温度から最大マイナス22℃。走行風に頼らないこの冷たさは感動的だ。
風で全身の汗を蒸発させる空調ファンも秀逸。起動してもウエアがボコボコに膨らまない設計になっているため、ライディングフォームを崩さず、運転操作にも一切支障が出ない。
ペルチェデバイスの装着位置は首元(写真)と脇下の2か所から選べる。
最も効果を実感したのは「渋滞時&踏切待ち」!
実際に走らせてみると、ペルチェの冷気は「広範囲に風を送る」というよりは、「局所的に冷たさが深々と浸透していく」独特の感覚。
そして、このアイテムが真価を発揮したのは、走行中ではなく「渋滞時」や「踏切待ち」などの長時間停車時だった!
バイクが止まり、走行風がゼロになった瞬間のあのモワッとした絶望感……。そこへペルチェの圧倒的な冷たさが首の後ろを通る椎骨(ついこつ)動脈をダイレクトに冷やし続けてくれる。頭部に送られる血液が冷却される感覚があり、「これは強烈な熱中症予防になる!」と確信した。
冷たさに慣れさせない「ゆらぎモード」が賢い!
ペルチェ素子は長時間同じ温度で肌に触れていると感覚が麻痺してしまう弱点があるが、本機は「10分稼働→2分停止」を繰り返す「ゆらぎモード(白)」を搭載。これが実にスマートで、麻痺しかけた頃に一瞬オフになり、再始動時に再び「冷たっ!」という鮮烈な感覚を引き戻してくれる。
また、ペルチェ・ファンともに4段階のモード切替が可能。稼働時間や冷え具合を状況に合わせて細かく手元で調整できるのもライダーには嬉しいポイントだ。
装着&電源の注意点
ベストの前身頃や中材には通気性の高いメッシュ素材を採用。装着時は背中の横開きファスナーを全開にして、各部のスリットにケーブルを正しく通すのがコツだ(ペルチェは最大4個まで増設可能!)。
注意したいのはバッテリーが2個必要という点。
- ファン用: 付属の17V専用20,000mAhバッテリーを使用(残量表示付き)。
- ペルチェ用: 別途、市販のPD対応モバイルバッテリー(5V・PD3.0A対応)を用意する必要がある(※今回はエレコム製10,000mAhを使用)。
これらは左右脇腹のポケットにすっきりと収納できる。
バッテリーは2個使う
ファン用のバッテリー(左写真)は付属するが、ペルチェデバイス用のバッテリーは別途用意が必要。今回はエレコム製PD 対応モバイルバッテリー10,000mAh(右写真)を用意した。
◾️ベストの組み立て方
ペルチェデバイス2個とファン2個をベストに装着し内側にケーブルを這わせてバッテリーを装着すれば完成。バッテリーは脇腹のポケットに収納する。ペルチェデバイスは2個増設可(要別途購入)。
装着のコツは背中の横開きファスナー(上画像)を全開にすること。各部のスリットにケーブルを通し忘れないように注意。
結論:夏の快適性と安全性を劇的に変える一着
走り続ければ空調ファンで涼しく、止まればペルチェが強制冷却。このダブルアタックは、夏のバイクライフにおける「止まると暑い」という永遠の課題に対する見事な回答だ。
「真夏でも快適にツーリングを楽しみたい」「熱中症のリスクを極力減らしたい」というタフなライダーに、自信を持っておすすめしたい!
【SPEC&DATA】
- ブランド: NANKAI(南海部品)
- 品名: SDW-4158 ペルチェクール・ファンベスト2
- 税込価格: 44,000円
- カラー: ブラック
- サイズ: M、L、XL、XXL、3XL
- 素材:
- 表地/裏地:ポリエステル100%
- 詰め物:レーヨン100%・ポリエステル100%
- 中材:ナイロン100%(ポリウレタンラミネート)
- 問い合わせ: 南海部品株式会社(https://www.nankaibuhin.co.jp)
■ 稼働時間&冷却性能目安
| デバイス | モード | 連続稼働時間 | 性能/電圧 |
|---|---|---|---|
| ペルチェ (2個) (PD対応20,000mAh使用時) | 白(ゆらぎ) 赤(強) 青(中) 緑(弱) | 約11.3時間 約9.4時間 約11.7時間 約14.9時間 | 最大約-22℃ 最大約-22℃ 最大約-18℃ 最大約-13℃ |
| ファン (2個) (付属17V 20,000mAh使用時) | ① ゆらぎ ② 強 ③ 中 ④ 弱 | 約5.7時間 約10.5時間 約18.8時間 約28.33時間 | 17V 13V 11V 8V |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
独自にチューンしたF5型V8ユニットを搭載 ご存じの通り、ストックのZ8がサーキットの匂いを感じさせるスパルタンな仕立てだったのに対し、アルピナが目指したのは「どこまでも快適に、エレガントに長距離を走[…]
標高差と朝晩の寒暖差に悩むライダーへ!「温度調整」のストレスからの解放 早朝の高速道路では身を切るような冷風に晒され、日中の街乗りやワインディングでは暖かさでじんわりと汗をかいてしまう。さらに峠道の頂[…]
ミラノのランウェイで世界初公開!「タイガーイエロー」が放つ洗練の衝撃 2026年9月23日、ミラノ・ファッション・ウィークのランウェイに、一台のフルカウルスポーツバイクが突如姿を現した。ホンダと、19[…]
■ 注目の見どころをチェック! 激アツのインフルエンサートークショー! ゲストには「mimika」さん、「Ruriko」さん、「バイク女子ボウラーAIKA」さん、「Sちゃん」さんといった豪華メンバーが[…]
ワイルドなクルーザーだけど快適で操縦しやすいライディングポジション カワサキのエリミネーターシリーズは、さまざまな排気量帯とエンジン形式で’80年代から展開されてきたクルーザー。現行の国内モデルは、「[…]
最新の投稿記事(全体)
本当なら、バイクで走ってみたかったけど 普段は静止画撮影がほとんどの筆者にとって、動画撮影は少々ハードルの高い存在である。静止画と違って動画は撮影する際のセッティングがシビアであることを取材現場で痛感[…]
レーサーの設計思想を公道へ! Hondaが本気で作った2スト250 1983年、Hondaは同社初となる2ストローク250ccスポーツモデル「MVX250F」を発売した。90度V型3気筒という独創的な[…]
重慶ショーで「CB250SSコンセプト」が世界初公開!2027年春に市販 中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(重慶モーターサイクルショー)」。そこでホンダはニューレトロスタイルのコンセプトモ[…]
「乗るならハーレー」勝利の証として 12歳で総合格闘技の世界に入り、プロ格闘家として活躍する箕輪ひろばさん。人生の半分以上を格闘家として歩んできた箕輪選手だが、バイクへの憧れは少年時代から抱き続けてい[…]
ネオクラの大本命に「極上の足つき&座り心地」をボルトオン! 往年のCB-Fを彷彿とさせるスタイリングで注目を集める2026年型CB1000F。ノーマルのシート高は795mmと比較的親しみやすい数値では[…]
- 1
- 2








































