自分一人分の荷物をバイクに積んで、気の向くままに時を過ごせるソロキャンプスタイルは、他の手段では得られない格別な”自由”を堪能できるのだという。では何をどうすればその自由を手に入れられるのか? 本記事ではキャンプ先で何を調理したいかによって選択肢が分かれるバーナー&クッカーの選び方について取り上げる。
●文:谷田貝洋暁 ●写真:武田大祐
軽量コンパクトなのは登山用のマミー型 ファミリーキャンプ用では四角い封筒型も使うが、積載スペースの限られるバイクキャンプでは、少ない布量で最大限の保温性を確保した山岳用のマミー型が便利。それに、そもそ[…]
作りたい料理によってバーナーの使い勝手が異なる
キャンプ用品の中で、バーナーやクッカーほどオーナーの個性が表れるアイテムもないだろう。というのも、バーナーには燃料の種類の違い、また縦型/横型があり、ゴトクの大きさも異なる。つまり料理のやりやすさがバーナーのタイプで違ってくるというワケだ。縦型はコンパクトだが重い調理器具は安定しにくく、ゴトクが小さければ大きな鍋を載せにくい。それぞれが一長一短。バーナーはキャンプに行ったらやりたい料理を思い浮かべながら選ぼう。
選び方その1:燃料の種類
現在主流の燃料は、使い勝手の良い液化ガス。家庭用コンロで使うCB缶(写真右)と、登山用に開発されたOD缶(写真左)の2種類に大別される。違いは缶の頑丈さと内部にかけられた圧力。OD缶は登山用として気圧の変化に強く、標高が高かったり、外気温が低いなどの悪条件下でも安定した火力が維持できるよう工夫されている。一方、CB缶は全国のコンビニやスーパーで手に入る手軽さが魅力だ。
選び方その2:縦型と横型
OD缶バーナーは缶が台座を兼ねる形状のため、ゴトクが高い位置にある縦型が多い。一方、CB缶は元々の長細い缶形状から寝かす必要があるため、ほぼゴトクが低い横型だ。ただしOD缶バーナーの一部には、分離タイプの横型モデルもある。
選び方その3:ゴトクの大きさ
載せる鍋の安定感はゴトクの大きさに比例する。つまり即席ラーメンや鍋物など、径の大きなクッカーに水を張って調理する機会が多いなら、ゴトクの大きなモデルを選んだ方がなにかと使いやすいというワケ。
クッカーは人それぞれ
オーナーの料理の好みがもろに表れるのがクッカーだ。即席麺しか食べない人、パスタが好きな人、スキレットやダッチオーブンなど鉄器を使って料理したい人などなど、キャンプを重ねると自然と得意な料理法が確立され、クッカーなどのアイテムもそれに準じて買い換えることになる。最初は”煮る/茹でる”から始めて、徐々にバリエーションを増やしていこう。
おすすめバーナーカタログ
プリムス 2243バーナー[OD缶]
堅牢さと携帯性において定評のあるプリムスのロングセラーモデルで、“プリムスの2243”と言えば通じるぐらいの定番アイテム。バーナーヘッドを4分割するように配置された特徴的なゴトクは、風による立ち消えを防止のため形状である。
EPIガス レボ3700ストーブ[OD缶]
111gという軽さ、手のひらに収まる収納サイズなど、登山用としてさまざまな技術が注ぎ込まれた同社のフラッグシップモデル。ガスの吹き出し口に採用する繊維状のシンタードファイバーポーラスメタルは、耐風性にも優れる素材だ。
コールマン アウトランダーマイクロストーブPZ[OD缶]
5000円を切る手頃な価格が魅力の縦型バーナー。火力は登山用のハイスペックモデルほどではないが、OD缶2500カロリーを確保するなど、価格/性能/軽さにおいて非常にバランスのいいモデル。収納のためのプラスチックケースが付属。
モンベル ジェットボイルフラッシュ[OD缶]
すべてのパーツをクッカー本体内に収納して持ち運びできるオールインワン設計のジェットボイル。しかし、その最大の特徴は燃焼効率の良さだ。数値だけみると火力は弱いが、クッカー底部のひだが効率よく熱を伝導。お湯を沸かすスピードはトップクラスで、燃料消費も少ない。湯切り機構がありパスタも作りやすい。
EPIガス APSA-IIIストーブ[OD缶]
岩場など縦型のOD缶バーナーが苦手とする場所でも、3点支持でしっかり安定させられる分離型のバーナー。カートリッジとバーナーヘッドが離れることで、ゴトクも大型化(2段階調整)でき大きな鍋でも安定して載せることができる。
スノーピーク ホーム&キャンプバーナー[CB缶]
“外で大鍋を囲みたい”そんな欲望を満たしてくれる大型ゴトクを備えたCB缶バーナー。組み立ててしまえば使い勝手はほぼ家庭用カセットコンロと同じなので、初めてでも使いやすい。ゴトクは大きめで鍋底の径が14~30cmのサイズに対応している。
ソト レギュレーターストーブST-310[CB缶]
マイクロレギュレーターを搭載したことで、火力が弱いというカートリッジボンベ(CB缶)バーナーの常識を覆したソトのレギュレーターストーブ。低温時や連続使用による気化熱冷却にも強く、もはやCB缶バーナー定番品となった感がある。
コールマン スポーツスターII:上級者向けの液体燃料ストーブ
随分数は減ってしまったが、厳冬期でも安定した火力が出せる液体燃料バーナーもある。以前はバイクに使う無鉛ガソリン(赤ガス)使用OKもモデルもあったが、現在は、アウトドア用品店で売っているホワイトガソリンを使うモデルが主流となっている。
燃料補充後、ポンピングして内圧を高めてガソリンを気化させて使う。燃料を運ぶボトルやじょうごが必要だったり、横倒し収納ができなかったり、少々手間がかかるが、ガソリンストーブにしかない味わいがある。
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