二輪車利用環境改善部会レポート#39

東京都+地方都市バイクユーザーの6割以上が駐車場数に不満あり〈2輪駐車場不足問題〉


●文:ヤングマシン編集部(田中淳麿)

前記事に引き続き、「東京都/地方都市圏二輪車駐車場の利用ニーズに関する調査報告書(’20年3月日本自動車工業会二輪車委員会(旧二輪車特別委員会)発行)」から、二輪車駐車場の箇所数への満足感について紹介する。2輪車ユーザーは駐車場の数についてどう考えているのだろうか?

その3:駐車場箇所数への満足感

調査結果から言うと、東京都と地方都市圏(1府5県)の2輪車ユーザーの満足度は似通っていた。どちらも6割以上が2輪車駐車場の数に不満を持っていることがわかった。さらに排気量別に見てみると、原付二種(51〜125cc)/自動二輪(126cc以上)ユーザーの不満度がより高い傾向にあった。

利用車両別 二輪駐車場の箇所数への満足感

東京都の場合

東京都では二輪車駐車場の数に関して、「とても不満」「やや不満」を合計すると62.9%ものユーザーが不満を感じていた。「とても満足している」「まずまず満足している」は合計しても17.3%にしかならない。興味深いのは「どちらとも言えない」が19.8%もいることだ。一般的に、顧客満足度調査での「どちらとも言えない」はネガティブ指標として評価することが多い。計82.7%ものユーザーはとにかく納得が行っていないのだ。

駐車場箇所数への満足感(東京都)

東京都新宿区の新宿駅西口にある定期契約者用の「新宿駅西口自転車等駐車場」の様子。緊急避難的なスペースであり、利用者も少ない。

なお、東京都は都心(23区内)と都下(多摩地区等)では整備状況が異なる。「駐車場は目につくが駅や繁華街から遠い」「駐車場はあるが、利用者が集中していていつも満車」など、駐車場の存在は知っているが利用しにくい/利用できない環境に置かれていることも推測される。

車種別では、原付一種ユーザーの不満度が32.4%とずば抜けて高いのが東京都の特徴だ。駅前にも駐車場が少ないためだろう。

地方都市圏の場合

1府5県の地方都市で目につくのは、「とても不満を感じている」「とても満足している」が少ないこと。中間回答が多いのは、需要と供給、駐車違反取締り等のバランスがある程度取れているからだろう。車種別では、原付二種と自動二輪に関する不満度が高いが、原付一種の不満度は低く、駅前の自転車等駐車場など通勤/通学等に関する駐車利用環境が比較的整っていると推測される。

駐車場箇所数への満足感(地方都市圏)

大阪府吹田市の北千里駅前にある定期利用者用の「東第1自転車駐車場」の様子。用水路沿いにスペースが設けられ数十台の原付バイクが並ぶ。


※二輪車駐車場の利用ニーズに関する調査:都市部における2輪車駐車場の利用ニーズについて様々な側面からアンケートを実施。対象者は1都1府(大阪)5県(埼玉/千葉/神奈川/愛知/福岡)在住満19歳以上3万人の中から2輪車ユーザー700人+ノンユーザー300人(バイク免許はあるが現在車両を持っていない)の計1,000人
※本記事におけるデータ/グラフ/表は「二輪車駐車場の利用ニーズに関する調査 報告書」からの転載ですが、分析内容には筆者独自の解釈も含まれています ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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