二輪車利用環境改善部会レポート#35

都内で原付バイクが使えない理由【2輪車駐車場の利用頻度にみる現状と改善点】

都内で原付バイクが使えない理由【2輪車駐車場の利用頻度にみる現状と改善点】

●文:ヤングマシン編集部(田中淳磨)

’20年3月、日本自動車工業会二輪車特別委員会から「東京都/地方都市圏 二輪車駐車場の利用ニーズに関する調査 報告書」が公開されていた。調査自体は’19年7月下旬から8月上旬にかけて行われたものだが、バイクによる駐車場利用の実態と利用者のニーズが明らかにされているので本連載で紹介したい。

なお、新型コロナ禍の現在では、中古の原付バイクも引く手あまたとなり、調査結果に多少の変動もあると思われる。しかし、駐車環境に関しては何らかの改善施策が動いたわけでもないので、調査結果に大きな影響はないだろうと考える。本調査資料は現時点でも十分参考になるはずだ。本記事では調査の結果に基づき、2輪駐車場の(1)利用頻度 (2)利用目的 (3)箇所数(駐車場の数)への満足感 (4)駐車場充足による生活変化について順に紹介する。本編はまず(1)利用頻度から。

(1) 2輪車駐車場の利用頻度

まずは、2輪車ユーザーが2輪車駐車場をどれくらいの頻度で利用しているかについて考察する。週に1回以上は利用するユーザーを”日常的に利用する”層と捉えると、東京都では16.7%、地方都市圏では21.0%(グラフ1&2参照)。平均すると2割弱のユーザーが日常的に2輪車駐車場を利用していることになる。単純に見れば、地方都市圏の方が日常利用されているのだが、この調査では、利用車両別の結果とクロスして分析する必要がある。

都内で原付バイクが使えない理由【2輪車駐車場の利用頻度にみる現状と改善点】

2輪車駐車場の利用頻度:[左]グラフ1・東京都 [右]グラフ2・地方都市圏 [写真タップで拡大]

自転車法により駅前の駐輪場(自転車等駐車場)にも駐車できることが多い49cc以下の原付一種に注目する。すると、”ほぼ毎日”利用する人が東京都では2.7%、地方都市圏では11.0%。東京都の対象者数が少なすぎて”週に4〜5回”等の該当者がいないため、本来は東京都ももう少し多い可能性があるが、いずれにしても、これは通勤/通学時に利用する駅前等の自転車等駐車場の充足率を示していると推測できる。実際には、公共交通整備率も2輪車利用の判断に大きく関わるが、平たく言えば「東京都は通勤/通学といった日常的な利用(定期利用)の環境整備が整っていない」と言えるだろう。

都内で原付バイクが使えない理由【2輪車駐車場の利用頻度にみる現状と改善点】

二輪駐車場の利用頻度(利用車両別) [写真タップで拡大]

新型コロナ禍による原付ニーズ増を考えれば、今後は都内の各駅における自転車等駐車場(定期利用)の拡大/整備等の改善も必要だろう。〈(2)に続く〉

「二輪車駐車場の利用ニーズに関する調査」概要
●目的:(1)都市部における二輪車駐車場の数について二輪車ユーザーの満足度を把握する。(2)二輪車駐車場が十分に整備された場合、二輪車ユーザーの二輪車利用はどう変化するか、また、二輪車ノンユーザーは二輪車利用に関心を示すか明らかにする。(3)都市部において、どの場所にどのような二輪車駐車場が求められているか、具体的なイメージを浮き彫りにする。
●方法:「LINEリサーチ」登録モニターの中から条件に合う調査対象者を抽出し、アンケート調査(本調査)を行った。
●期間:抽出 ’20/7/31~8/2、本調査 8/5~8/8
●対象者:1都1府(大阪)5県(埼玉/千葉/神奈川/愛知/福岡)在住・満19歳以上3万人の中からA/B計1,000人
・A:2輪車ユーザー…原付または自動2輪車の利用者で、過去1年以内に有料2輪車駐車場を利用した人(700人)
・B:2輪車ノンユーザー…原付免許または自動二輪免許を所有しているが、現在は車両を利用していない人(300人)

日本自動車工業会二輪車特別委員会
「二輪車駐車場の利用ニーズに関する調査 報告書」

※本記事におけるデータ/グラフ/表は「二輪車駐車場の利用ニーズに関する調査 報告書」からの転載ですが、分析内容には筆者独自の解釈も含まれています。
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