●まとめ:ヤングマシン編集部(高橋剛) ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン
ホンダ スーパーカブ110 『天気の子』ver. ’58年発売のC100に端を発する、軽量コンパクトで頑丈な超ロングセラーモデル・ホンダ スーパーカブは、世界で愛され続けている。 スーパー[…]
思い通りに操れることがスーパーカブ最大の魅力!
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さて。フロントディスクブレーキがほとんどの現代、スーパーカブ110はドラムブレーキ。お世辞にも制動力が高いとは言えません。パワーや速度域に見合ったブレーキではありますが、ディスクブレーキに慣れた身からすると、ちょっと不満に感じるところ。
…と思ったのも最初のうちだけでした。フロントブレーキの利きがもうひとつな分、リヤブレーキをよく使うようになったんです。そして、足でリヤブレーキをコントロールするのが楽しくなってきたり(笑)
街乗りでは、ついズボラになってフロントブレーキだけで減速を済ませてしまいがちです。でもスーパーカブ110は、「付いてる装置は全部ちゃんと使いこなしなさい」と教えてくれるんです。ありがたい先生です(笑) そしてリヤブレーキを意識的にコントロールし始めるとすごくうまく走らせられて、「おおっ!」となるんです。
念のため繰り返しておきますが、このバイクの設定速度域からすれば、前後ブレーキとも十分な制動力が得られます。でも、もっとうまくコントロールできる余地が残されていて、そんなことを意識しながらの操作がすごく面白いんです。

「両足ベッタリの安心感とともに、”ちょうどいいな”と違和感なく乗ってましたが、気付けばシートの前の方に着座。ポジションは実は広々ゆったりしています。男性でも窮屈感はないはず」(静夏さん) [写真タップで拡大]
スーパーカブは、もともと働く人たちのために作られたバイクです。お仕事となると”ライディングの喜び”なんて考えている余裕はないのかもしれません。
でも、お仕事バイクの場合、思い通りに操れることって、趣味としてのバイク以上に重要だと思うんです。「止まりたい時に止まれる、加速したい時に加速する、曲がりたい時に曲がれる」という基本性能がちゃんとしていなければ、働く人たちは満足しないでしょう。バイクで遊ぼうとしているわけじゃありませんからね。
スーパーカブは1958年に登場して以来、62年も生産され続けている超ロングセラーモデルです。そして日本だけじゃなく、世界各地で愛されています。リヤブレーキを使い、思い通りにスーパーカブ110を操りながら、その理由がなんとなく分かったような気がしました。
ホント、不安も躊躇もなく、何でもできるバイクなんですよね。小回りも利くし、ギヤ操作も楽しいし、最初に言ったようにオシャレだし…。
それに聞いてください! この『天気の子』バージョンをお借りしている間の自分、妙に晴れ女だったんですよ! 鈴鹿に行けば晴れ、筑波に行けば晴れ…と絶好調でした。陽菜のチカラが乗り移ったのかな(笑)
スーパーカブ110 『天気の子』ver. インプレションまとめ
- スタイリング:まさに「THE カブ」。すごく実用的なはずなのに、なぜかかわいいのが不思議です。モダン要素の取り込み方もお見事!
- スポーツ性:自分で操ろうとすればするほど楽しくなるバイクです。電子制御がない分、挙動がダイレクトで分かりやすい!
- ツーリング:県外まで出向くには覚悟が必要だけど、お散歩感覚でチョイ乗りするにはピッタリ。このピンク、男子もイケますよ。
- 街乗り:「カブは街乗りのためにある」 発進停止を繰り返しても疲れないし、路面のギャップもマイルドにいなします。
- コストパフォーマンス:『天気の子』バージョンはノーマル+3万3000円とのことですが、自分ならピンク! この特別感がたまりません。
スーパーカブ110 『天気の子』ver.ディテール徹底解説
【ブレーキ&サスペンション】乗り心地は想像以上に良好。スクータータイプよりしなやかに路面からのショックをいなしてくれる。ブレーキは前後ともドラム。速度域に対しての制動力は十分。特にリヤは使い応えがある。 [写真タップで拡大]
【LEDヘッドライト&メーター】[左] 王道の丸目ヘッドライトがキュートさを引き立てます。でも中身はしっかりと明るいLED![右] 柔らかいカーブで構成され、なかなか凝ったデザインのメーターはスーパーカブのロゴ入り。 [写真タップで拡大]
【ウインカースイッチ&ハンドルロック】[左] プッシュキャンセル式のウインカー。細かい使い勝手を高めているのがいかにもカブだ。[右] ハンドルロックはメインスイッチと一体式なので手軽。別売のアラームにも対応する。 [写真タップで拡大]
【レッグシールド&シート】[左] カブと言えばこれ! 風雨からライダーを守ってくれるレッグシールドはとても偉大な存在![右] シートはピンクとのマッチングがいいブラウン。座り心地がよいウレタン素材が使われている。 [写真タップで拡大]
『天気の子』ver.のスペシャルな装備
【スペシャルヘルメット&特別色サマーピンク】[左] 映画の中で夏美がかぶっていたのとそっくりそのままにデザインされたヘルメット。成約者全員にプレゼントされた。[右] 『天気の子』劇中で夏美が走らせたスーパーカブのピンク色を忠実に再現している。派手すぎない抑えたトーンが絶妙だ。 [写真タップで拡大]
【カラーラベル&専用ステッカー】[左]レッグシールド内側の上部には非売品の専用ステッカーが貼られており、ちょっとしたスペシャル感が味わえる。デザインもかわいい。 [右] シート下に貼付されているカラーラベルもピンク。よく見ると、カラーネームもカラーコードも723、つまり夏美(笑) 遊びゴコロたっぷり。 [写真タップで拡大]
スーパーカブならではの利便性&実用装備
【荷掛けフック&チェーンカバー】[左] レッグシールドの内側、左上のあたりに荷掛けフックが設けられている。買い物などでちょっとした袋を掛けるのにすごく便利な装備。[右] チェーンオイル飛散による汚れや巻き込みなどを防止するチェーンカバーを装備。こういう気遣いこそが万人に愛される理由だろう。 [写真タップで拡大]
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