’17年に復活したレブル250が、灯火類を全LED化するなど早くもモデルチェンジ。前後サスの仕様変更やアシストスリッパークラッチも採用。さらに豪華装備の「S」も新たに加わった。
[〇] サスペンションの作動性が上質に。クラッチの軽さも美点だ
シリーズ展開しているレブル500のユーロ5対応に伴い、灯火類のLED化やメーターの変更などを同時に実施したレブル250。国内4メーカーで唯一の250ccクルーザーであり、2019年は約8100台を販売した軽二輪のベストセラーだ。
’17年のデビュー時に書いた私の試乗レポートには、「サスの動きにコストダウンを感じるものの、エアボリュームのある前後タイヤとしなやかなフレームがそれをフォロー」という一文がある。同様の指摘がユーザーからあったのだろうか、新型レブルのプレスリリースには「前後サスの仕様を変更」と書かれている。
その効果は想像以上だった。特にフロントフォークは動き始めからスムーズで、スロットルのオンオフによって発生するピッチングがよりスムーズに。リヤショックも高速巡航時の不快な突き上げ感がなく、過去の印象と比べると乗り心地はワンランクアップしている。メーカーによると前後ともバネレートから見直したとのことで、実は灯火類の変更より大ごとだったのではと推察する。
基本的なハンドリングの印象は従来型と同様だ。スランテッドアングルによってトレール量を最適化しており、速度の高低に関わらず舵角の付き方はナチュラルだ。加えてシート高は低いのにバンク角は十分にあるので、スポーティな走りを楽しむことも可能。ブレーキは前後ともコントロール性が高く、街中ならリヤだけでも十分に事足りるほどだ。
最高出力26psを発揮する水冷シングルは、トップ6速40km/hからでもスルスルと加速するほど低回転域で粘り強く、またスロットルを大きく開ければ歯切れのいい排気音とともに気持ちの良い加速フィールが楽しめる。非常に実用域の広いエンジン特性であり、少々シフト操作をサボっても乗り手を慌てさせず、またむやみに回してしまっても不快な振動はなし。クルーザーはツインでなければという既成概念を、シングルならではの軽さという特徴で改めさせたのがレブル250であり、それが多くのユーザーに受け入れられたことは販売実績からも明らかだ。
Sエディションは純正アクセサリーを標準装着
純正アクセサリーのヘッドライトカウルやフォークブーツ、ブラウンのシートを標準装着した「Sエディション」。色は専用のマットアクシスグレーメタリックのみ。
[△] ABSレス仕様は廃止
ABSのない仕様が’20年モデルから廃止になった。
ちなみに、’19年までのABS仕様と’20年モデルの税抜き価格は同じであり、これだけ仕様変更したことを考えると、消費税アップ分を相殺して余りあるほどだ。今年も販売台数上位は間違いないだろう。
[こんな人におすすめ] 地を這うような走行感が楽しい軽快クルーザー
軽くなったクラッチレバーや便利なギヤ段数表示など、従来型オーナーが悔しがりそうな変更がほかにも。足替わりに使えるほどに扱いやすく、ロングツーリングも苦にならない。付き合うほどに良さを実感できる稀有なモデルだ。
●まとめ:大屋雄一 ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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