新型コロナウイルスの感染拡大を防止する目的で全国実施されていた緊急事態措置について、政府は2020年5月14日に愛知や福岡など重点的な対応が必要とされてきた5県を含む39県で解除することを正式決定する見通しだ。そこで久々にバイクに乗るというユーザーにお伝えしたいことがある。
他の交通との関わり方だけでなく、操縦感覚についても触れておこう。
自分がバイクに乗れているのか、周囲の状況把握ができているかは、安全に直結するもの。これをなるべく早いタイミングで認識してく必要がある。おすすめしたいのは、家を出て最初の交差点での右左折でセルフチェックすることだ。
バイクは速度が上がれば勝手に安定し、それによって「自分は大丈夫」となってしまいがち。だからこそ、自分でバランスを取らなければならない低速時に判断するわけだ。
一時停止があるなら、そこでフラつきはなかったか。足を着く際にドキッとしなかったか。そして、右左折時に“思い通りに”曲がれているか。ここでわずかでもイメージとバイクの動きにズレがあったなら、それが一致してくるまではかなり慎重に走ったほうがいい。目安になるのは、前輪と後輪が思った通りのラインを通っているかどうかと、アクセルワークがギクシャクしなかったか、ブレーキで思った通りの位置に止まれたかどうかの3点だ。
また、ギヤチェンジは引っ掛かりなく行えているか、ブレーキを掛ける際にカクンとなっていないか、といった点も注意しておくといいだろう。とにかく、イメージと実際の動きのズレには敏感になっていただきたい。
そして同時に、周囲の環境が見えているかどうかも大切だ。交差点を曲がる際に路面ばかり見ていないか、歩行者や他車に気づくのが遅れていないか……。
いずれのセルフチェックも、速度が増して惰性で走れてしまう前に感じ取つことが大切だ。そしてイメージと体感が馴染むまで慎重に身体慣らしを行おう。また、以前のように周囲を把握するためには、必要以上と思えるほどに目線を切り替え、頻繁に目視やミラーの確認をするぐらいでちょうどいいはずだ。
本来であれば絶好のバイクシーズン。しかし、新型コロナウイルスとの戦いは長期戦の様相を呈している。また思いっきりバイクを楽しめる日を心待ちにしながら、慎重なスタートを切っていただければと願っています。
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