ホンダファクトリーのJSB1000撤退が囁かれるなか、強力なホンダ系チームが復活だ。自身も全日本GP500(1990)とスーパーバイク(1998)、JSB1000(2005~2006)でタイトルを獲得した伊藤真一がチーム監督となり、新型CBR1000RR-Rで全日本戦線を席捲する! ※タイトルカットは左から作本、渡辺、伊藤、清成、小原(敬称略)
Keihin Honda Dream SI Racingが全日本JSB1000クラス、鈴鹿8耐に参戦!
かつて全日本JSB1000クラスを席巻したケーヒンと伊藤真一が10年の時を経て、再びタッグを組むことになった。チーム名はKeihin Honda Dream SI Racing(ケーヒン ホンダ ドリーム エス・アイ レーシング)。SIは、Shiinichi Itoから取っており、伊藤が監督としてチームを指揮する。ライダーは、清成龍一と渡辺一馬が全日本JSB1000クラスに、作本輝介が新設されるST1000クラスにエントリー。鈴鹿8耐にも参戦予定だという。
マシンは、もちろんブランニューとなったHonda CBR1000RR-Rとなり、JSB1000クラスのタイヤはブリヂストン、ST1000クラスはワンメイクのダンロップを履く。サスペンションはSHOWA、ブレーキはNISSINを使用する。
「10年振りにケーヒンさんと一緒にレースができることになり、とても光栄です。全日本チャンピオン、鈴鹿8耐で上位を狙うことを目標に、まずはHonda勢でトップを走れるようにして行きたいと思っています。清成と渡辺なら、それが可能だと思っていますし、この2人以外は考えませんでした。ST1000を戦う作本は、鈴鹿8耐で一緒に走っていますし、まだまだノビしろがあるライダーなので成長が楽しみです」と伊藤監督。
「Keihin Honda Dream SI Racingで走れることになり、ワクワクしています。新しいチャレンジなので、不安はありますが、心強いチームですし、ケーヒンさんと一緒に、しっかり結果を出してレースを盛り上げることができればいいと思っています。開幕戦から優勝を狙えるように最大限努力して臨みたいですね」と清成。
渡辺も「新しいチームの立ち上げメンバーとして呼んでもらい、とてもうれしく思っています。とはいえ古巣に戻るようなものなので、すごくやりやすい環境だと思いますし、清成選手と切磋琢磨できるように全力を尽くします。そうすれば自ずとトップが見えてくるはずですから」と自信のコメント。
2019年シーズンは、スーパーバイク世界選手権に久しぶりに参戦したが思うような結果が残せず苦しんだ清成、3シーズン、カワサキのエースとして活躍した渡辺。2人とも新たな環境での巻き返しを狙っている。CBR1000RR-Rには、この撮影のときに初めてまたがったと言い「まだ乗ってないので分からない」と口をそろえるものの期待度の高さを感じさせた。
JSB1000クラスを戦う清成と渡辺は、小原レーシングが、ST1000クラスに参戦する作本は、昨年と同様にTeam 髙武RSCが担当。Keihin Honda Dream SI Racingは、いわば2チームを伊藤がまとめるプロジェクトとなっているのだ。全日本ロードレースのみならず、レース界全体が注目するチームになることは間違いない。
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