ハーレーダビッドソンが誇る伝統の空冷45度Vツイン、その最大排気量1923ccのミルウォーキーエイト117エンジンを搭載するNEWブレイクアウトに早くも乗った。最速試乗レポートをお届けしよう!
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:長谷川徹
10周年を機に心臓部を強化!
まず車体を見ていく。ロー&ロングの伸びやかな車体に、フロント21インチの大径ホイール、そしてリヤに240mmものワイドタイヤをセットするのが『ブレイクアウト』だ。
2013年モデルで初代『FXSBSE CVO ブレイク』がデビューして以来、基本的にはスタイルを大きく変えていない。デビュー当時は、一世代前のツインカムエンジンを搭載していたが、’17年モデルから現行のミルウォーキーエイトへパワーユニットを刷新している。
ブレイクアウト10周年の節目となる2023年モデルでは、1868ccだった排気量を1923ccにスケールアップさせ、モアパワーを獲得。剥き出しにしたエルボー型のハイフローエアクリーナーエレメントが、より多くのフレッシュエアをシリンダーに送り込み、最高出力は102PSにも達する。
スロットル操作に対する反応が鋭くなったことに加え、速度レンジが上がってからの中間加速でも余裕をもたらす。よりゆったりと、高速巡航ができるようになっているのだ。
新型ではオートクルーズコントロールを新採用していることも見逃せない。トップ6速にて100km/hで流すと、デジタルタコメーターは2250rpmを示し、最高出力を発揮する5020rpmまではまだまだタップリと余裕を残す。
低中回転域からトルクが潤沢で、とても重い鉄の球が滑らかに、かつ力強く転がるようなフィーリングに心地良さを感じてならない。速度レンジが上がってもバランサーが振動を抑え、高速道路も穏やかにゆとりをもって流せる。
エアクリに足は当たらないのか!?
フォワードコントロールであるものの、フットペグが遠すぎるなんてことはない。写真のとおり、足が伸び切ることはなく、ヒザが曲がってリラックスした乗車姿勢となる。キノコ型のエアクリーナーがエンジンから張り出しているが、ヒザやスネが干渉することはなかったことも報告しておきたい。
シート高は665mmと相変わらず低く、身長175cmの筆者がまたがると両足カカトまでべったりと地面に届く。車体重量は310kgと決して軽くなく、どちらかといえばへビー級だが、足が地面にしっかり届くから踏ん張りが効き、取り回しに苦労はしない。
航続距離延長でより遠くへ!!
ガソリンタンク容量を5ガロン(18.9リッター)に容量アップしているのも大きなポイント。従来型のタンク容量は13.2リットルだったから5.7リットルの増量となり、満タンでの航続距離が100kmほど伸びたことになる。
そして目をみはるのが、アルミ鋳造カスタムホイールの仕上がり。細身の26本スポークが切削加工され、金属の鈍い輝きとブラックとの美しいコントラストを見せている。これがノーマルであり、新車時から備わっているのだから、オーナーの満足度は非常に高くなるだろう。
カラバリは4色
車体価格はベーシックとなるビビッドブラックで326万4800円。モノトーンだと331万9800円。ツートーンの設定はなく、モノトーンにはブラックデニム、ニューカラーであるバハオレンジ、さらにアトラスシルバーメタリックも選べる。
超人気モデルなだけに、気になる人は迷っている時間はないだろう。全国のハーレーダビッドソン正規ディーラーへ急ぐ必要がある。
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