
●文:ライドハイ編集部(根本健)
バイク運転の不安をなくすには“ゆっくり&やんわり”が一番効果的
バイクに乗っていると、何かのきっかけで不安が先に立つことは珍しくない。ましてや立ちゴケなどで心が折れると、ペースを落として走っていても、何かあったら対応できないかもという漠然とした不安に駆られてしまう。こうなると、心を癒すには時間が必要…かもしれないが、あなたの愛車の機能で、不安を和らげたり自信をつける可能性のある方法を試してみてはいかがだろう。
まず、走行モードが装備されているバイクなら、ROAD/SPORT/URBAN等ある中に“RAIN”があれば、これをセレクトする。
エッ、雨でもないのにレインモード? と思われそうだが、ベテランに言わせると、べつに雨が降っていなくてもかなり使える便利な設定でもある。
メーカーによって表記が違うこともあるのと、また最新スーパースポーツのように、エンジンからサスペンションまで1~4など数字の組み合わせで細かく設定する必要もある場合でも、とにかくもっとも穏やかでゆっくり、そしてやんわりとした設定にしてみよう。
そうすると、エンジンは濡れた路面でスリップしないよう、加速で空転を検知するとパワーを抑えるという基本設定となるが、不安を和らげるのに効果的なのがスロットル操作に対しレスポンスが鈍くなること。
この2次曲線的にジワッと後輪が蹴る感触は、タイヤが路面に押し付けられ安定したグリップ力で支えられているのを実感できる確率が高い。
たとえば直線でバイクが起きたまま、4速とか高めのギヤで2000~3000rpmの低回転域で、思いきってガバッとスロットルを大きく捻ってみよう。間違いなく即レスせずにジンワリと加速を強める、わかりやすくいうとタイムラグがあって、いきなりではない状態が安心させてくれるはず。
ベテランは、走り出してすぐバイクに慣れるまでの間や、タンデム時に後席とヘルメットがゴツンしないよう、このレインモードを使うことも珍しくない。
さらに、サスペンションがこのモードと連動している高度なバイクなら、踏ん張りより路面追従性が優先されたやんわりとした動きになって、乗りやすくリーンなど操作も軽快になるメリットも得られる。
でもフワフワしたら、かえって不安になりはしないだろうか? ところが、このサスペンションの上下動を促す側へ調整すると、ライダーの操作ミスをリカバーしてくれる側の効果のほうが大きいのだ。
それは電子制御サスペンションではなく、ベーシックなサスを調整するともっとわかりやすい差が感じられる……
※本記事は2022年5月24日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
日本のハイオクは海外ではレギュラー!? オートバイに限らずクルマでも輸入車はほぼすべてハイオク指定。世界に誇る高性能な日本車は、基本的にレギュラーガソリンの給油で事足りる。 そういうところが日本の技術[…]
ツーリングだと腰より肩のほうがカーブで効くと思いがち、でも大きくアクションするほど不確実(遅れる)になるので要注意! ツーリング先のワインディングで、腰を落としたりズラして攻めるのはリスキーでやらない[…]
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
レバー位置が遠いとチカラが入らないと思いがち フロントブレーキのレバー位置を、握りやすい近い位置にするライダーが多い。とくに手の小さい女性ライダーは指が届きにくいので、遠いレバー位置だとチカラが入らな[…]
そもそもボア×ストロークって? 最近ロングストロークという表現をみる。エンジンのピストン往復が長いタイプのことで、バイクのキャラクターを左右する象徴として使われることが多い。 これはエンジン性能で高い[…]
最新の関連記事(メカニズム/テクノロジー)
6段変速ミッション:スズキ T20(1965) 戦前はGPレーサーも4段変速までだったが、戦後の1952年にモトグッツィが5段変速を、1953年にドイツのNSUのレーサーが6段変速を採用した。そして国[…]
そもそもボア×ストロークって? 最近ロングストロークという表現をみる。エンジンのピストン往復が長いタイプのことで、バイクのキャラクターを左右する象徴として使われることが多い。 これはエンジン性能で高い[…]
並列4気筒エンジン:ホンダ ドリームCB750Four(1969年) イタリアのOPRAというメーカーの空冷OHCが並列フォアの始まり。この技術の権利を同じイタリアのジレラが購入して、空冷&水[…]
[A] 前後左右のピッチングの動きを最小限に抑えられるからです たしかに最新のスーパースポーツは、エンジン下から斜め横へサイレンサーが顔を出すスタイルが主流になっていますよネ。 20年ほど前はシートカ[…]
もう走れるプロトがある! 市販化も明言だ 「内燃機関領域の新たなチャレンジと位置づけており、モーターサイクルを操る楽しさ、所有する喜びをより一層体感できることを目指している。走りだけでなく、燃費、排ガ[…]
最新の関連記事(ライディングテクニック)
ツーリングだと腰より肩のほうがカーブで効くと思いがち、でも大きくアクションするほど不確実(遅れる)になるので要注意! ツーリング先のワインディングで、腰を落としたりズラして攻めるのはリスキーでやらない[…]
レバー位置が遠いとチカラが入らないと思いがち フロントブレーキのレバー位置を、握りやすい近い位置にするライダーが多い。とくに手の小さい女性ライダーは指が届きにくいので、遠いレバー位置だとチカラが入らな[…]
力まない柔軟な状態を保ちながら、カーブでのバイクのホールドはアウト側下半身で! 腕や肩、それに背中や腰など、バイクに乗るときはリラックスして力まない状態でいることが大事。ハンドルをちょっとだけでも押し[…]
リヤタイヤにはフルバンクした痕がつくのに、フロントだと浅いバンク痕になってしまう……これって乗り方の問題!? 最近そこそこ乗れるようになってきた。リヤタイヤのトレッドに端っこのほうまで路面に接した痕が[…]
多板式クラッチ構造を知ると、停車時を除いて必要以上にレバーを握っているのがわかる クラッチのレバー操作は、発進はもちろん、ギヤチェンジの度に切ったり繋いだり(放したり)とあまりに頻繁……左手が疲れて嫌[…]
人気記事ランキング(全体)
ツーリングだと腰より肩のほうがカーブで効くと思いがち、でも大きくアクションするほど不確実(遅れる)になるので要注意! ツーリング先のワインディングで、腰を落としたりズラして攻めるのはリスキーでやらない[…]
バニャイアの武器を早くも体得してしまったマルケス兄 恐るべし、マルク・マルケス……。’25MotoGP開幕戦・タイGPを見て、ワタシは唖然としてしまった。マルケスがここまで圧倒的な余裕を見せつけるとは[…]
2025年2月6日改訂 125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)[…]
ダーク系カラーに異なる差し色 カワサキモータースジャパンは、ニンジャ250と共通の車体に398ccの並列2気筒エンジンを搭載し、タイヤをラジアルに換装したフルカウルスポーツ「ニンジャ400」の2025[…]
ラムエア加圧時は49psの4気筒エンジン、オートブリッパー付きクイックシフターも装備 カワサキのニンジャZX-25R SEは、2023年モデルで令和2年排出ガス規制に適合しながら、最高出力&最大トルク[…]
最新の投稿記事(全体)
カラーリングの変更で新4色ラインナップに 2019年型CBR250RRには、新たなカラーリングが追加された。それが、色鮮やかな「グランプリレッド」と、グランプリレッドに躍動感のあるブルーストライプを配[…]
ナチュラルカラーの「パールシュガーケーンベージュ」と「パールスモーキーグレー」を追加 「CT125ハンターカブ」の2025年モデルが発売されたのは、2024年12月12日のこと。新色はいずれもアースカ[…]
日本のハイオクは海外ではレギュラー!? オートバイに限らずクルマでも輸入車はほぼすべてハイオク指定。世界に誇る高性能な日本車は、基本的にレギュラーガソリンの給油で事足りる。 そういうところが日本の技術[…]
目指すはボンネビルの最高速度記録! 前回はエンジンブローで力尽きたが…… 2024年4月の名古屋モーターサイクルショーで初お披露目されたトリックスター「ZX-4ターボ」は、2024年11月に日本自動車[…]
249cc/26psのスポーティな油冷単気筒エンジンを搭載 スズキは、油冷シングルのフルカウルスポーツモデル「ジクサーSF250」にニューカラーを設定し、2025年モデルとして3月25日に発売する。マ[…]