●文:ライドハイ編集部(伊藤康司)
アクセルを戻した時にマフラーが発する音は、アフターファイヤー? バックファイヤー?
コーナー手前でスロットルを戻して、エンジンブレーキが効いた場合などに、マフラーから「パラパラパラッ!」と音がしたり、少し昔のキャブレター車だと「パンッ!」と破裂するような音が聞こえることがある。注意してレース映像などを見ると、スタートから第1コーナーに飛び込む際に、「バラバラバラッ」という音とともにマフラーから瞬間的に火を吹くこともある。
これは「アフターファイヤー」と呼ばれる現象。「えっ? それってバックファイヤーじゃないの!?」と思った方も多いはず。昔からなぜか混同され、かつバックファイヤーの方がよく耳にするからかもしれない。
となると、バックファイヤーとはどこから聞こえる音なのか? それはキャブレターやフューエルインジェクションのスロットルボディ、さらに遡ってエアクリーナーボックスから聞こえる場合もある。
というわけで、吸気側から聞こえるのがバックファイヤーで、排気側から聞こえるのがアフターファイヤーとなり、じつは発生する原因も少々異なる。
排気側から聞こえるのがアフターファイヤー
アフターファイヤーは、エンジンのシリンダー内で燃え切らなかった未燃焼ガスが、マフラーのサイレンサー内に溜まり、それがサイレンサーの高温になった部分や排気熱で着火して爆発する症状。混合ガスが濃すぎたり、点火プラグが劣化している場合などに起こりやすい。
また、抜けの良いマフラーに交換すると、排気抵抗が下がることで結果的に混合気が薄くなり、点火限度を下回ることで未燃焼ガスが増加して、アフターファイヤーを起こすこともある。これは昔のキャブレター車に多く見られた現象だ……
※本記事は2021年9月14日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
世界GP制覇が手に届くとみるや、市販車初のDOHC搭載で英国大型バイクの牙城に斬込んだホンダ ホンダは、1959年にマン島T.T.レースへの挑戦をスタート。まだ輸出もしていない頃に海外レースでの実績で[…]
1964年頃からGPレースで始まった、内ヒザを開くスタイル ヒザ擦りどころかヒジ擦りすら珍しくなくなったレースシーン。そこまでアグレッシブでなくても、ワインディングでそんなに深くバンクしてないのに内側[…]
[A] 猛暑日はライダーへの負担がハンパなく大きい。自分で絶対守る何箇条かを決める覚悟が必須 避けるべきシチュエーション 真夏にバイクに乗る経験がまだ少ない方は、照りつける直射日光と照り返すアスファル[…]
[A] より剛性を高め、スムーズな動きを追求るために開発された フロントのサスペンション機構、“フロントフォーク”には正立タイプと倒立タイプがある…と聞いて、何のこと? と思われた方は、まず写真を見て[…]
メッキのトラスフレームに2スト200cc単気筒。レプリカのバイクブームに迎合しないフィロソフィ 1980年代半ばはバイクブーム真っ只中。レーサーレプリカが乱舞し、毎年フルモデルチェンジが繰り返され、ユ[…]
最新の関連記事(Q&A)
1分でわかる記事ダイジェスト 旧車とネオクラシックの違い、そしてネオクラシックバイクの特長や選ばれる理由を、知り合いのバイク屋に聞いた。 旧車とクラシックバイクの違いは? ほぼ同じ意味合いで、設計が古[…]
振動の低減って言われるけど、何の振動? ハンドルバーの端っこに付いていいて、黒く塗られていたりメッキ処理がされていたりする部品がある。主に鉄でできている錘(おもり)で、その名もハンドルバーウエイト。4[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 筆者の経験談や失敗談も含めて、バイクエンジンの暖機運転の必要性を解説。 暖機談義その①クリアランスについて クリアランスについてエンジンは熱を発し、ガソリンが爆発するエン[…]
[A] 猛暑日はライダーへの負担がハンパなく大きい。自分で絶対守る何箇条かを決める覚悟が必須 避けるべきシチュエーション 真夏にバイクに乗る経験がまだ少ない方は、照りつける直射日光と照り返すアスファル[…]
1分でわかる記事ダイジェスト レーサーレプリカとは、1980〜1990年代にかけて盛り上がっていたバイクレース用マシンの走行性能やスタイルに基づき、作られたバイクのこと。スーパースポーツとの違いは歴史[…]
最新の関連記事(メカニズム/テクノロジー)
レーダーを核とした6種のARAS新機能を一挙公開&テストもさせてくれた! ボッシュ(Bosch)といえばドイツの会社で、ABSをはじめ、レーダーを利用したACC(アダプティブクルーズコントロール)とい[…]
堂々と公道を走れる原付一種の折り畳み電動モペッド、発売早よ! スズキがジャパンモビリティショー2023で初公開した原動機付自転車の「e-PO」は、同時発表の「eチョイノリ(e-choinori)」や新[…]
完全なオートマチックとして走ることができ、ハンドシフト操作も可能 ヤマハは次世代シフトテクノロジー「Y-AMT(ヤマハ オートメイテッド マニュアルトランスミッション)」を6月に発表。クラッチレバーと[…]
スマートキーって?メリットだけじゃなくデメリットもある メリット1:乗り出しから停車までが楽になる バイクの乗り降りの際に、キーの出し入れ/キーシリンダーへの抜き差しといった一連の動作を省けるのが、ス[…]
[A] より剛性を高め、スムーズな動きを追求るために開発された フロントのサスペンション機構、“フロントフォーク”には正立タイプと倒立タイプがある…と聞いて、何のこと? と思われた方は、まず写真を見て[…]
人気記事ランキング(全体)
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
1441cc、自然吸気のモンスターは北米で健在! かつてZZ-R1100とCBR1100XXの対決を軸に発展し、ハヤブサやニンジャZX-12Rの登場からのちにメガスポーツと呼ばれたカテゴリーがある。現[…]
バランス重視キャラでコストと性能を両立か 「カワサキとの真っ向勝負は避けるとしても、出力的に70ps程度は出してくるだろう。フレームは軽量化のため、ダイヤモンド型を採用する可能性が高い」 ヤングマシン[…]
スタイリッシュな250ネイキッドでのキャンプツーリング記 夏の早朝。日が出る前に、ボクはブリクストンがリリースする「クロムウェル250」で走り始めた。スチール製セミダブルクレドールフレームに空冷250[…]
国内導入予定はないけれど……のZ125プロ カワサキは北米で2025年モデルを続けざまに発表している。ここで紹介するZ125プロは、金色に輝く倒立フロントフォークに加えて2025年モデルの濃緑にはゴー[…]
最新の投稿記事(全体)
Screenshot TRIUMPHオーナーはもちろん、他社のバイクでも参加OKだ 「TRIUMPH NATIONAL RALLY 2024」の会場は2023年同様、会場からの景色が美しく近隣に多くの[…]
日本で唯一の砂浜公道である、千里浜なぎさドライブウェイ。約8kmにわたる砂浜がまるで天然の道路のように広がり、車やバイクで波打ち際を駆け抜ける、珍しい爽快な体験ができるスポットです。ライダーにとっても[…]
人気のスポーツツアラーに排気量アップでさらなる余裕を カワサキは欧州と北米で、ニンジャ1000SXから排気量アップでモデルチェンジした「ニンジャ1100SX(Ninja 1100SX)」を発表した。エ[…]
2つのカラーバリエーションを刷新! 海外で発表されていた(海外のZ900RSにもある)グリーンボールの登場だ! これまでは1970年代にザッパーと呼ばれたZ650(空冷4気筒モデル)をオマージュしたカ[…]
電子制御も充実のロングセラー・ミドルクラスアドベンチャー ヴェルシス650は、以前のモデルは輸出専用モデルとして海外で販売されてきたが、2022年モデルで待望のフルモデルチェンジを果たし、2023年末[…]