
●記事提供: ライドハイ編集部
メーカーのサス設定はPL対策で快適さを犠牲にしている?
ほとんどのビッグバイクにはサスペンションの調整機構が装備されている。しかし知識のないシロウトが触ったら、メーカーがテストを繰り返し、厳密に決めた万人に良い状態を壊してしまう。だからメーカーの設定をイジるなんてとんでもない……。
だがビッグバイクの主要なマーケットは欧米。日本より高速道路や一般道路の制限速度が高いこと、そして標準的な体格設定が180cmで70kg以上という大きな違いがある。
2人乗りでカーブを140km/hで駆け抜けるとき、路面のうねりや段差でバイクが揺れるようなときに、グラグラグラと収まりに時間がかかるのはとんでもない。搭乗者が少しでも危険に感じたら訴訟されかねないのが欧米なのだ。
グラッと一回で収めるサス設定が求められるとなると、減衰力をかなり強くせざるを得なくなる。エッ、それは良いことではないか…そう思われるかも知れないが、物事には程度というものがあって、一般的な日本人の体格ではあまりにも「動かない」サスになってしまう。
そしてこの硬さによって失われるのが、快適性や路面追従性の低下によるコーナリングのグリップ性能、さらには軽快性なのだ。
減衰力を弱めることは、サスの動きを速めること
「動かない」サスのデメリットは、路面の上下動にバイクもライダーも揺すられてしまうこと。動きが鈍いので衝撃の吸収も遅れ気味になるし、凸凹から戻ったときも追従が鈍く、サスが縮むときと伸びるときの両方で遅れが生じ、揺すられるような感覚を覚えるだろう。
サスを弱めるとフワフワして不安定になるのでは? と思うかも知れないが、サスの調整機構のでアジャストできる範囲に、そこまで弱めてしまう設定は存在しない。
ダンパーで生じている減衰力は、弱めるとフワフワして頼りなくなる……のではなくて、サスの縮んだり伸びたりといった動きを抑えるチカラが減り、動きが速くなるということを理解しておこう。そうなると先ほどの路面の上下動に対し、サスが素早く追従して車体やライダーを揺すらない、スタビリティの良い安定状態が維持されるというワケだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ライドハイ)
マイノリティ好きにはたまらない2スト250で3気筒、走りに刺激はなかったけれど海外でもファンが少なくなかった! カワサキが世界進出の勝負球として、500ccで2ストローク3気筒のマッハIIIをリリース[…]
Zを知り尽くしたエンジニアならではの勘ドコロを押えた絶品設計! 1989年のゼファー(400)が巻き起こしたネイキッド・ブーム。 カワサキはこの勢いをビッグバイクでもと、1990年にゼファー750と1[…]
ヤマハ・ハンドリングの真骨頂、パイプ構成では得られないデルタ形状アルミ鋼板フレーム! 1980年に2スト復活を世界にアピールしたヤマハRZ250の衝撃的なデビューに続き、1983年にはRZ250Rで可[…]
RZ250を上回る新テクノロジー満載! 1979年にホンダがリリースした、まさかの2ストローク50ccスポーツのMB50(広告なでの名称はMB-5)。 250ccやビッグバイクのスケールダウン・デザイ[…]
ヤマハ・ハンドリングのこだわりを400レプリカ路線へ融合! 1980年にRZ250をリリース、レプリカの時代に先鞭をつけたヤマハも、4ストのスポーツバイクXJ400系ではツーリングユースを前提とした、[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
生活圏に牙を剥く「熊」から命を守れ!! 年、都市近郊や住宅地にまで出没し、甚大な被害をもたらしている**「人里の熊」。もはや登山家や釣り人だけの話ではない。愛車を駆る週末ライダーも、通勤・通学の一般市[…]
激白!プレゼントは「自分の欲しいもの」が圧勝! 「日頃の感謝を込めて…」なんて殊勝なことを考えてる男性も女性もいるだろうが、甘い! そのプレゼント、本当に喜ばれているのか? パナソニックが行った調査結[…]
津軽の32温泉をすべて利用可能 2日間パス:2000円 3日間パス:2500円 たとえば、単体で利用すれば入浴料1000円の「黄金崎不老ふ死温泉」や、入浴料700円の「花禅の庄」、観光施設では入場料6[…]
新型モデルの実際の使い心地をチェックできる 2025年11月5日、スズキより、新型「DR-Z4S」および「DR-Z4SM」を「スズキワールドバイクレンタル」のラインナップに追加したとの発表があった。こ[…]
2024年11月:V3エンジンコンセプトが世界初公開 ホンダが、約40年ぶりとなるV型3気筒エンジンを搭載した「new ICE concept」を世界初公開したのはEICMA 2024でのこと。このコ[…]
人気記事ランキング(全体)
距離もブランドも関係なし!50人同時通話を実現 EVA Rモデルは、EVANGELION RACINGをモチーフとした特別デザイン(初号機A/B、2号機A/Bの全4モデル)をまとい、ナイトランでも存在[…]
最新の安心感と46worksテイストを両立した「究極のコンプリートモデル」 この『#02』は、2024年に限定販売された初代モデルに続くコンプリートカスタムモデル。今まで46worksが得意としてきた[…]
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
APトライク250って高速道路で通用するの? チョイ乗り系トライクとして知られるAPトライク125は、125ccという排気量ながら「側車付き軽二輪」という区分のおかげで高速道路を走れます。しかしながら[…]
防寒着に求められる3要素を網羅 真冬のバイク乗りにとって、防寒は死活問題だ。アウターで風を遮断しても、その内側、つまりミドルレイヤーやインナーの選択次第で、ツーリングの快適度は天と地ほど変わってしまう[…]
最新の投稿記事(全体)
2023年からV4エンジンの開発は始まっていた CFMOTOは、すでに2023年のEICMAでスーパースポーツ向けV4エンジンのプロポーザルを行っており、昨年はV4搭載マシンのモックアップモデルを展示[…]
勝利の哲学を纏った限定モデル 世界最大級のモーターサイクル展示会であるEICMAにて初披露されたこの限定エディションは、Insta360が誇る最先端の技術と、9度の世界チャンピオンであるマルケスの不屈[…]
生活圏に牙を剥く「熊」から命を守れ!! 年、都市近郊や住宅地にまで出没し、甚大な被害をもたらしている**「人里の熊」。もはや登山家や釣り人だけの話ではない。愛車を駆る週末ライダーも、通勤・通学の一般市[…]
激白!プレゼントは「自分の欲しいもの」が圧勝! 「日頃の感謝を込めて…」なんて殊勝なことを考えてる男性も女性もいるだろうが、甘い! そのプレゼント、本当に喜ばれているのか? パナソニックが行った調査結[…]
愛知の熱きモビリティ企業、プロトが名古屋をジャック! JAIA(日本自動車輸入組合)会員としてベネリモーターサイクルの正規輸入元を務め、さらに愛知モノづくり企業「愛知ブランド」の認定も受けるプロト。オ[…]
- 1
- 2




































