●記事提供: ライドハイ編集部
潤滑油のルーツは原油から燃料を抽出した残り。この鉱物油は化石の細胞が炭化して潤滑性が劣化する!
最新の高度なメカニズムを搭載したバイクは、ほとんどが潤滑油、いわゆるオイルの指定が化学合成油といったケースが多い。それだけ高性能なエンジンの過酷な高熱やデリケートなシステムを高いレベルで防護できるということだが、そもそも昔からある鉱物油と呼ばれるスタンダードなオイルとは何が違うのだろうか?
エンジンの潤滑油の説明を正確に伝えるには、双方に化学の知識が必要だったりでなかなかわかりにくい。そこで今回は、厳密にいうと違っても感覚的に理解しやすいよう噛み砕いているので、そこはご承知おきいただきたい。
まずは潤滑油のそもそもから説明していこう。内燃機関、エンジンが生まれたころは回転数も低く、クルマやオートバイの潤滑油はポタポタと少しずつ垂れ流したり、船のエンジンのように大きくゆっくり動く歯車や部品に対し、長い棒に布を巻いてそこにタールを染み込ませて塗布するというノンビリしたものだった。
潤滑油は黒くベタベタした粘着性のある状態で、まさにタールと呼ばれる付着したら洗ってもとれない、すぐには乾かない厄介な特性を利用していたのだ。
このタール、実は原油を蒸留してガソリンなど燃料の元になるナフサを抽出して、最後に残留した物質。猛烈に粘るので回転の低い時期のエンジンには、これが都合よかったわけだ。
それが出力を高めるため時間あたりの爆発回数を増やす、つまり回転を高くするとエンジンの摩耗を防ぐには粘着質より流動性のほうが重要になってきた。そこでこのタールを溶剤で液状にしたのが、鉱物油と呼ばれるエンジンオイルの元祖だ。
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