![[バイクメンテアイテム] “バイクリフト”がガレージにあると断然作業効率アップ](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
作業環境より作業内容の方が重要という意見もあるが、環境が作業に与える影響は大きい。腰をかがめたり仰向けになったりするのは、身体的にもキツいし作業精度も低下する。バイクリフトがあればその問題が解決するのだが…。そこで、プロメカニックの意見を聞いてみた。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:モトジョイ
サンデーメカニックにとってガレージ装備の夢!! バイクリフトの導入で作業精度が一気に高まる
愛知県小牧市のドゥカティ東名名古屋店は、2020年12月に移転リニューアルオープンしたドゥカティ正規ディーラーだ。ニューモデルが並ぶ2階建てのショールームに併設された明るく広いサービスピットには、3台のバイクリフトが並ぶ。
「整備士は2名で、それぞれ1台ずつのリフトで整備やカスタムを行っています。それらの作業の中には時間がかかるものもあるため、クイック修理などに即時対応できるよう、ふだんは1台分を空けてあります」と語ってくれたのは長谷川メカニック。
リフトを使用するメリットを尋ねると、「まず第一に、正確な整備ができます。クランクケースやサスペンションなど車体下部の部品交換を行う際に、バイクを自分の目線に上げることで、作業姿勢が楽になります。同時に、ブレーキまわりや冷却水など、液体の滲みや漏れも発見しやすくなります」と即答してくれた。
「当店はピットが表通りに面しており、ロールスクリーンを上げれば作業中の様子をお見せすることもできます。その際にメカニックが床に寝転んでいるようでは、ドゥカティの整備にふさわしいとは言えませんよね」とも。高級料理にとって食器や盛り付けも重要な要素であるのと同様に、ユーザーの大切なバイクを預かるディーラーにとっては、見せる作業も重要な顧客サービスなのだ。
ドゥカティ東名名古屋店が導入しているバイクリフトは、モトジョイが販売するAC100V仕様の電動油圧式。耐荷重500kgで最高1000mmまで上昇するテーブル、ボルトナットやパーツに優しい縞鋼板模様のゴムマット、リヤタイヤ着脱時に便利なスプリット仕様の天板、昇降時にベースフレーム側に残るスロープなど、ハードなプロユースに十分耐えうる頑丈さとクオリティを兼ね備えているのが特徴だ。
「サンメカには見せる整備は不要」と決めつけず、プロの意見を参考に作業環境の改善に努めよう。
ブラック×レッドの本体色は、モトジョイで販売されているデフォルトの2トーンだが、ドゥカティショップに完璧にマッチしている。テーブル前端のガードパイプ式タイヤストッパーが簡単に着脱できるのは、実際の作業現場で重宝しているという。昇降用スイッチがフレーム左右にあるのも、車体の左右から作業する際に使い勝手が良いそうだ。建物を設計する段階でリフト3台の設置を決めて、あらかじめ床面にコンセントを敷設。そのため壁面への電源コードがなく、リフトの周囲がすっきりしている。
テーブルを最高位置まで上げれば、180cmの高身長メカニックでも目線の高さでエンジンメンテナンスができる。テーブル最低高は、重量車でも軽く押し上げられる190mmなのに加えて、リフトアップ時にスロープがフレーム側に残るのも使い勝手が良いポイント。スロープをテーブルに引っかけるため、昇降時に着脱が必要なリフトが意外に多いのだ。
必要な工具をテーブルに置いておけば、目線の移動や体勢の変化が少なく、作業に集中できる。床にバラバラと工具を散らかすなどというのは、プロメカニックとして言語道断。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
“機械遺産”のコンディションをどう維持するか 電気自動車や電動バイクの普及が進めば進むほど、旧車や絶版車ムーブメントは一段と熱くなりそうだ。内燃機関に対する注目度が高まるのと同時に、ユーザー自身は“機[…]
擦らず拭くだけでOK。デリケートな素材も傷つけることなく赤サビを除去できる バイクや自動車の部品はもちろん、橋梁/建築物/工具/アウトドア用品の材料として当たり前のように使われている鉄素材。豊富な埋蔵[…]
車種別専用パーツのラインナップも豊富なキジマ バイクメーカーが開発するニューモデルは、ビギナーからベテランに至る幅広いニーズに応えるべく仕様を決定しているが、それでもすべてのライダーの希望を叶えられる[…]
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむホンダのモンキー&ゴリラ シフトアップ製88ccキットを組み込み、ノーマルキャブのままでセッティング変更せずに普通に走ることができた、6ボルト仕様の初期型黄色ゴリ[…]
ネットで注文できる1サイズ&1プライスガレージ。完成状態で運搬されてクレーンで据え置きされる サンデーメカニックなら誰もが知る工具ショップ・アストロプロダクツのホームページ上に「BIKE小屋」という商[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
エンジンがかかりにくい→完全停止へ 今回直したのはスズキのZZです。2000年代初頭に登場した50ccスクーターで、「通勤快速」として人気を博し、油圧ディスクブレーキやアルミホイールなど、当時としては[…]
“機械遺産”のコンディションをどう維持するか 電気自動車や電動バイクの普及が進めば進むほど、旧車や絶版車ムーブメントは一段と熱くなりそうだ。内燃機関に対する注目度が高まるのと同時に、ユーザー自身は“機[…]
大和ハウスグループが手がけたD-Wash 愛車を長持ちさせるためにも、大切にしたい「洗車」という作業。 汚れの放置はサビや各部品の劣化が進むことにもつながるし、洗車をしながら、緩んでいるボルトやパーツ[…]
擦らず拭くだけでOK。デリケートな素材も傷つけることなく赤サビを除去できる バイクや自動車の部品はもちろん、橋梁/建築物/工具/アウトドア用品の材料として当たり前のように使われている鉄素材。豊富な埋蔵[…]
スパナやレンチの長さが違うのはナゼ? 工具箱に並ぶスパナやレンチ。 10mm、12mm、14mm…サイズごとに全長が違うのは、当たり前の光景ですよね。これもそうだし。 コッチもそう。狭所作業用の短いス[…]
最新の関連記事(工具)
エンジンがかかりにくい→完全停止へ 今回直したのはスズキのZZです。2000年代初頭に登場した50ccスクーターで、「通勤快速」として人気を博し、油圧ディスクブレーキやアルミホイールなど、当時としては[…]
スパナやレンチの長さが違うのはナゼ? 工具箱に並ぶスパナやレンチ。 10mm、12mm、14mm…サイズごとに全長が違うのは、当たり前の光景ですよね。これもそうだし。 コッチもそう。狭所作業用の短いス[…]
【ご注意】本記事は、エンジンオイルの過剰注入がエンジンに与える影響を確認するための実験であり、一般使用車両での実施や再現を推奨するものではありませんのでご了承ください。 オイルの規定量は守らなくちゃイ[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
ソケットセット:ツールキャビネットの引き出しにそのまま収まるトレイ付きZ-EALセット ラチェットハンドルもソケットも、専門メーカーのノウハウを注入して開発されたZ-EAL。その代表的アイテムをセット[…]
人気記事ランキング(全体)
日本を代表するツーリングロードのティア表だっ! 「次のツーリングは、どこへ行こう?」 そんな嬉しい悩みを抱える全てのライダーに捧げる、究極のツーリングスポット・ティア表が完成した。 ……いや、そもそも[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」[…]
幻のヤマハロータリー〈RZ201〉 1972年東京モーターショウの最大の話題は彗星のように登場したこのローターリー車だ。水冷・横置きツインローターを搭載、また前輪とともに後輪にもディスクブレーキを採用[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
機能性を損なうことなく利便性を高めた、期待の新製品 おたふく手袋は、長年、多くのプロフェッショナルから信頼され続けている老舗軍手メーカー。同社が展開する「BODY TOUGHNESS(ボディタフネス)[…]
最新の投稿記事(全体)
2024年モデル概要:XSRらしさを受け継いだ末弟 海外で先行して展開されていたXSR125の国内導入が明かされたのは、2023年春のモーターサイクルショーでのこと。発売は同年の12月8日だった。 X[…]
似ているようでカブとはまったく違うのだ アウトドアテイストの強いCT125ハンターカブが人気だからといって、ここまでキャラクターを寄せてくることないんじゃない? なんて穿った見方で今回の主役であるPG[…]
懐かしのスタイルに最新技術をフル投入! 2025年3月の東京モーターサイクルショーで詳細が発表されたヨシムラヘリテージパーツプロジェクト。対象機種は油冷GSX-R750とカワサキZ1となっており、GS[…]
実績豊富なディーラーによる絶妙なバランス感覚 全国のハーレーダビッドソンジャパン販売網がカスタムの腕とセンスを競うコンテスト『バトルオブザキングス』にて2年連続で日本一になった実績を持つワタナベモータ[…]
エンジンがかかりにくい→完全停止へ 今回直したのはスズキのZZです。2000年代初頭に登場した50ccスクーターで、「通勤快速」として人気を博し、油圧ディスクブレーキやアルミホイールなど、当時としては[…]
- 1
- 2