
赤サビを根こそぎ取り除くのが、サビトルキラーとサビタンキラー。中性で素材を傷めずサビを除去できるから、絶版車や旧車を楽しむサンデーメカニックに最適だ。サビのひどいマフラーやガソリンタンクに施工したので紹介する。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:株式会社BAN-ZI
タンク内部や塗装のサビはサビキラーシリーズで強力除去
サビの上から直接塗れる塗料、サビキラープロを開発したBAN-ZIが、徹底的にサビを研究することで誕生したサビ取りケミカルが「サビトルキラー」と「サビタンキラー」である。どちらも中性の透明な液体で、サビトルキラーは即効性、サビタンキラーはじっくりと反応が進むのが特徴だ。
錆びた部品にサビトルキラーを塗布すると、サビに反応した部分が数十秒で赤紫色に変色。これはブレーキダストを除去するホイールクリーナーと同様の反応で、実際、塗装面に付着した鉄粉除去にも効果がある。そして変色後のサビトルキラーをクロスで拭き取ったり水で洗い流せば、サビや鉄粉を簡単に除去できる。
この種のサビ取りケミカルの中には、塗装が変色したりめっきが曇る製品もあるが、サビトルキラーは素地の風合いに影響を与えないので安心して使える。
一方、サビタンキラーはガソリンタンク内のサビを最大24時間を目安に浸け込むことで、素材に食い込んだ頑固なサビを根こそぎ除去できる浸透タイプの強力サビ落としである。液性は中性で水道水で20倍に希釈して使うことで、1リットルのサビタンキラーで容量20リットルまでのガソリンタンクに対応できる。
どちらもサビに精通したBAN-ZIならでの明確な効果があり、サビ取り好きなサンメカもきっと納得できるはずだ。
【BAN-ZI サビトルキラー】バイク/自動車/自転車のボディやめっきの赤サビ、ブレーキダストに含まれる鉄粉などに強力に作用し、赤サビの原因である酸化第二鉄だけに反応する成分を採用することで、塗装やめっきを傷めず手軽に使える。界面活性剤の作用で、サビと一緒に水垢も落ち、めっき面が輝く効果もある。 ●価格:3487円(300ml)/2123円(100ml)
クロームメッキの下から出た点サビと、赤サビ汁で変色したマフラーでサビトルキラーをテスト
クロームメッキの下から出た点サビと、赤サビ汁で変色したマフラーでサビトルキラーをテスト。こういうマフラー、見かけますよね?
円筒形のサイレンサーにスプレーしたサビトルキラーは流れやすいので、ティッシュペーパー越しに吹き付けて定着させると良い。
サビ=酸化第二鉄に接触したサビトルキラーは、数十秒で透明→赤紫色に変化する。5〜10分間待つと、サビ取り反応がさらに進む。
液が残るとシミや変色の原因になるので、水道水でしっかり洗い流す。直接水を掛けられない場合は水で濡らしたクロスで拭き取る。
クレンザー系のサビ除去剤のように擦らなくても、水をかけただけでサビが落ちるのが快感。サビの再発を抑える防錆処理が必要。
ピンポイントに塗布するなら、ノズルが細いボトルタイプが使いやすい。ティッシュやブラシで均等に塗り広げる。
薄く塗っただけなのに、アングル材の赤サビはしっかり落ちている。サビが残っている部分は、追加塗布することでさらにきれいになる。
サビのプロが開発したタンクサビ取り剤。20倍に希釈できるから大型車もOK。お湯割りと保温で効果アップ
【BAN-ZI サビタンキラー】1Lの原液を水で20倍に希釈して使用する、中性タイプのガソリンタンク用サビ落とし。変質したガソリンが付着している場合は、専用の除去剤で取り除き、40~60℃程度のお湯を使うことでサビ取り反応が活性化する。5〜6時間後にタンク内を確認し、24時間以内に排出するのがポイント。●価格:6831円(1L)
長期間手つかず状態だったため乾燥しているが、タンク内部全体に赤サビが発生し、一部はカサブタ状に盛り上がっている。
燃料コックを外してサビ取りを行う際は、コック取り付け部分に残る穴を確実に塞ぐことが重要。あらかじめ中性洗剤で内部洗浄を行う。
サビタンキラーは水やお湯で20倍に薄めて使用する。タンク容量が6Lならサビタンキラー0.3Lを使用する。
ガソリンタンクのサビ落としの成否は、タンク内に空気を残さずサビタンキラーを充満させるかにかかっている。給油口を中心に前後左右に傾けて、内部の気泡を完全に排出する。
最初に40〜60℃のお湯で希釈し、毛布でしっかり包むことでサビタンキラーが活性化する。夏場ならクルマの中に置いても良い。
透明のサビタンキラー溶液は、赤サビを溶解することで茶色く濁る。空気が残りがちな給油口周辺は、サビの落ち具合を指で確認する。
溶液を排出したら、残った汚れやサビのカサブタを水道水で洗い流す。底板のサビは完全に落ちてツルツルと滑らかな手触りだ。
新たに5%希釈のサビタンキラー溶液を少量作り、タンク内に行き渡らせてリンスとする。リンス排出後は水洗いしないこと。
サビの再発を防ぐには早急な水分除去が必須。ヒートガンによる強制乾燥も有効。すぐに使用しない場合は防錆剤を塗布しておく。
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