真似さえしていない『スーパー偽造品』はまがい物の極み
一般的に、偽造品とはすでにある製品で世に広く出回り、よく知られているもののコピー品のことを指す。ところが中には、何かをコピーしたわけではなく、メーカーが過去に一度も作ったことのない製品にそのメーカーの商標を盗用して付けたというものがある。これらをわれわれは『スーパー偽造品』と呼んでいる。正規品の真似さえせず単に商標を違法に盗用するという、あまりにもインチキな代物のことだ。
ブレンボの場合、特に多いのがカバーだ。ブレーキキャリパーにかぶせるプラスチック製(ごくまれにアルミニウム製)のカバーで、作り手としてはこれでキャリパーのルックスが良くなるとでも言いたいのだろう。
市場ではブレンボのカバーだとする偽造品が次々と出回っているが、ブレンボは現在も過去も、ブレーキ用のカバーは一切製造していない。ブレンボが日々ブレーキシステムを対象に行っている技術や研究の水準が、カバーのようなちっぽけなプラスチック製品に関わるわけなどないことは、皆さんなら容易に想像がつくはずだ。
つまりカバーに関しては、ブレンボ製のカバーというものがそもそも存在しないので、正規品との関連は絶対にない。偽造業者は、ブレンボが享受できている名声を利用して不正に利益を得ようとしているだけ。ブレンボの正規品のコピーを作るということが到底できそうにないため、まがい物のカバーという安物の代用品を作って自己満足しているのである。
ブレンボがまったく生産も試作もしたことがない製品にブレンボの商標を不正につけているわけだから、カバーはまがい物の極みだ。これがわれわれの称するスーパー偽造品である。
そして、このカバーを使用した際の危険性こそがまさにスーパーで、まず過熱が原因で問題が生じる。カバーはプラスチック製のため、キャリパーに直接空気が当たらなくなるため冷やすことに時間を要してしまうのだ。
偽造品被害への対処法
ここで述べてきたケースは実にさまざまで、出来のレベルに差はあるが、共通して言えるのはすべて危険ということ。
影響を及ぼす要因や製造に必要な専門技術、そして組み立てひとつをとってもブレーキシステムというのは極めて複雑かつ高度なもの。だからこそブレンボは、皆さんの愛車に装着するブレーキシステムの品質が確かであるか、そして正規品であるかどうか、十分注意することをお勧めしているのだ。
ユーザーの皆さんに最大限の保護と安全性を約束できるよう、ブレンボは長年にわたって革新的な取り組みを一貫して続けてきた。その結果、ブレンボのサービスはユーザーの皆さんから太鼓判をいただいていて、購入された製品が正規品であることを保証するサービスをブレーキ製造業界で初めて導入したのだ。
さらに安心して購入いただけるように、ブレンボの正規品(標準仕様品を除く)にはすべて本物であることを保証するためのスクラッチカード、ホログラム、もしくはQRコードによる偽造防止システムが備えられている。購入後は、その製品独自の製品コードを利用し、インターネット経由で製造を追跡して正真正銘の正規品であることがすぐに確認できるようになっている。
ブレンボ製品の種類によって、偽造防止システムを2種類に分けて運用
●ブレンボハイパフォーマンスシリーズ製品用の偽造防止カード
ブレンボハイパフォーマンスシリーズ製品は、クルマの制動力を性能、外観、快適性の点で向上させるよう各パーツを設計した点が特徴となっている。
このシリーズでは正規品であることの証明を、偽造防止スクラッチカードを使って確認できる。外箱の中に製品の説明書とともにカードを同梱。カードの裏面の銀色の部分を削ると、6ケタのコードが現われるので、それをブレンボのウェブサイトで入力することによって、そのパーツが正規品であることを確認できる。
他のスクラッチくじとは異なり、ブレンボのカードは当選確率が100%だ。その景品は効きが急に乱れたり低下したりすることなく、どんな状況でも発揮される高い制動力と長寿命である。
購入した製品を確認するには、ブレンボのウェブサイトでカード番号と、パーツの種類、購入店の国名を入力。さらに、eメールアドレスと装着したクルマやバイクの車種などの情報を入力すれば正規品証明書のPDFファイルをダウンロードすることもできる。ウェブサイトはスマートフォンにも対応しているので、購入した店頭ですぐに確認することも可能。
●ブレンボのアフターマーケットパーツ用偽造防止ホログラムおよびQRコード
ブレンボのアフターマーケット製品シリーズでは、制動条件を問わず発揮する高い性能と信頼性、耐久性、快適性を確保した純正品と同一または同等のパーツを取り揃えている。
ブレンボのアフターマーケット用ブレーキディスクとブレーキパッドには、正規品であることの証明を確認できるQRコードが付属。
外箱が未開封であることと改ざんの形跡がないことが重要だ。ブレーキパッドでは、外箱を封印しているステッカーの上にQRコードを印刷。ブレーキディスクの場合は、製品ラベルにQRコードがあり偽造不可能なブレンボのホログラムも施されている。
ブレンボのブレーキディスクとブレーキパッドには、コードとブレンボのロゴ、ECE R90マークも付属。ブレーキパッドにはさらにWVAコードも付き、ブレーキディスクには最小厚さをMin Thで表示している。
※本記事は“ミリオーレ”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
思った通りにバイクを扱う意識改革 免許を取ってバイクに乗っているなら、停止線で停まれない……という人はいないはず。それに勢い余って停止線を通り過ぎてしまう、というコトもまずないだろう(これは交通違反)[…]
新しいタイヤはナニがいい? 新車時に装着されているタイヤは、バイクメーカーとタイヤメーカーが共同で開発したり、バイクのキャラクターや性能に合ったタイヤを選定している。だからタイヤ交換の際に「間違いのな[…]
市販バイクの登場以来、スポークホイールは健在 バイクのホイールといえば、いまどきのロードスポーツ車は総じてアルミのキャストホイールを履き、ワイヤースポークホイールはオフロードバイクとクラシカルなスタイ[…]
エンジンのパワーが増すほど、クラッチレバーが重くなる!? ハイパワーモデルのクラッチを軽くする画期的な機構 かつてはビッグバイクの重いクラッチを操作できるのが一人前のライダー、みたいな風潮もあったが、[…]
カーボンディスクは温度管理がシビア。 ウエットでは冷やしたくない? 2022年のMotoGPは前半戦を終了。ファクトリー勢のマシンがまとまってくるなど、例年通りの流れで進んでいる。MIGLIOREでは[…]
最新の記事
- スズキ「Vストローム250SX」と「Vストローム250」は何が違う? 身近な兄弟車を比較!
- 【2024年11月版】150~250cc軽二輪スクーター 国内メーカーおすすめ7選! 125ccの双子モデルからフルサイズまで
- SHOEIがシステムヘルメットのド定番モデル「ネオテック3」に新グラフィック「ANTHEM」を発表!
- SHOEIが「Z-8 YAGYO」を発表! 百鬼夜行をイメージしたバイクパーツ妖怪が目印だ!!
- 【SCOOP!】ついに「GB500」登場へ?! ホンダが海外で商標を出願!