標準タイヤ以外も楽しいぞ!

【Q&A】ツーリングタイヤとハイグリップタイヤは何が違う? スーパースポーツにツーリングタイヤはアリ?【バイクトリビア019】

タイヤが減ったらもちろん交換。なんとなく「標準タイヤ」が間違いないだろうと、新車時と同じ銘柄をずっと履いているけれど、違うメーカーやカテゴリーの異なるタイヤを履いたら、何か良いコトがあるの? 乗りにくくなったり、安全じゃないのは困るんだけど……。


●文:伊藤康司 ●写真:ホンダ、ヤマハ、ブリヂストン

新しいタイヤはナニがいい?

新車時に装着されているタイヤは、バイクメーカーとタイヤメーカーが共同で開発したり、バイクのキャラクターや性能に合ったタイヤを選定している。だからタイヤ交換の際に「間違いのない選択」として標準タイヤを選ぶのはまったく問題ない。

とはいえタイヤメーカーからは、レースにも使えるようなハイグリップタイヤから、サーキット走行も楽しめるスポーツタイヤ、雨天や寒い時期でも滑りにくく寿命の長いツーリングタイヤなど、様々な種類のタイヤが発売されている。どうせ交換するなら、今までとは違うタイヤを選ぶのもオススメだ。

ブリヂストンのオンロードスポーツタイヤの一例。この他にもハイグリップでサイズが豊富なRS10や、S22の前身であるS21、ツーリングのカテゴリーには80年代の旧車にもマッチするバイアスタイヤのBT46等を用意し、さらにクルーザー用やアドベンチャー用など多彩なラインナップを誇る。

逆にいうとイロイロあり過ぎてわからない……という人もいるだろうが、そんな時こそヤングマシン当WEBのタイヤインプレッションをご覧になって頂きたい。サーキットでのスポーツ走行のインプレッションも大事だが、ストリートでの使い勝手や乗り味などを自分の使い方や乗り方に照らし合わせて読み解くと、大いに参考になると思う。

また「飛ばすワケじゃないし、自分にはタイヤの違いなんてわからない」と思っている方もいるようだが、タイヤ内部のカーカスやベルトの構造からコンパウンド(タイヤのゴム)の種類、トレッドパターン(表面に刻まれた溝)まで、どのタイヤメーカーも使用するシーンにとことん拘って開発しているので、どんなスキルのライダーでも、タイヤによる乗り味の違いはまず間違いなく感じることができる。そして自分の好みに合ったタイヤが見つかると、ライディングの楽しさが大きく変わる。

スーパースポーツにツーリングタイヤを履くのはありなのか?

先に答えを言ってしまえば、全然OK! レースに参戦するとかサーキットでタイムアタックする、というなら話は別だが、いわゆるスポーツライディングを楽しむような走りならサーキット走行も問題ない。なんとなく「ツーリングタイヤは減らないけどグリップ力が乏しい」と思っているライダーもいるようだが、それはかなり昔の話だ。

以下、スーパースポーツにツーリングタイヤを履いた際のメリットをあげてみよう!

●温度依存が少ない
走り始めたばかりや、急な雨などでも安心。特に冬のツーリングでは常に安心感を得やすい。ハイグリップタイヤは、暖まらないとどうしてもグリップ感が得られず、身体に力が入ってしまうがそんな緊張するシーンが減る。

●ハンドリングが穏やかになる
ハイグリップタイヤはタイヤのラウンド形状が尖っていてハンドリングはクイック。対してツーリングタイヤはタイヤのラウンド形状が緩やかなので、ハンドリングが穏やか。スーパースポーツでもメインのシチュエーションがツーリングや市街地ならツーリングタイヤが快適。

●ライフが長い
グリップを優先せざるを得ないハイグリップタイヤはどうしても柔らかいコンパウンドが必要になる。ツーリングタイヤはライフも重視しているため普段使いにも優しい。

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