標準タイヤ以外も楽しいぞ!

【Q&A】ツーリングタイヤとハイグリップタイヤは何が違う? スーパースポーツにツーリングタイヤはアリ?【バイクトリビア019】

逆にネイキッドにハイグリップもあり!

そういう意味ではネイキッドにハイグリップタイヤを履くのもあり。とくにビッグネイキッド系なら明らかにハンドリングが軽くシャープになるので、スポーツ走行でレベルの上がった走りを楽しめるだろう。ただしハイグリップタイヤは温度管理(タイヤの温め)をきちんとしないと存分に性能を発揮できないこともお忘れなく。

近年開発されたタイヤは、どのカテゴリーでも本当に驚くほど進化しており、またそのカテゴリーでしか性能を発揮できないわけではない。たとえばツーリングタイヤでも十分なグリップ力やスポーツ性能を備えたうえで、ツーリングに適したウエット性能や耐久性などに特に優れているというわけだ。また、昔のハイグリップやスポーツタイヤは極端に寿命が短かったりウエット路面に弱いものも少なくなかったが、これらの性能もツーリングタイヤには及ばないものの現在は随分と向上しているのだ。

とはいえタイヤのサイズは守ろう

どんなタイヤを選んでも楽しめるというものの、サイズは標準装着タイヤと同じものにしよう。たとえば純正のホイールのままで、標準装着タイヤより1サイズ太めのタイヤ(反対に細いタイヤも)を履くことは物理的には可能だし、同じタイヤ幅で異なる扁平率のタイヤを装着することもできる。

しかし幅の異なるタイヤを履くと、タイヤのプロファイル(断面の形状)が本来の形状と変わるため、大幅に乗り味が変わってしまう。同じタイヤ幅で扁平率を変えた場合も然りだ。これが良い方に変わればラッキーだが、そもそも狙ったハンドリングの設計から逸れるので、悪い方に変化するパターンの方が多い。それに乗り味の変化がタイヤのブランドやカテゴリーを変えたからなのか、サイズが変わったからなのかを判断するのも難しい。なので「太い方がカッコイイ」みたいな理由で安易なサイズ変更はしない方が良い。

というワケで、タイヤのサイズは幅だけでなく表記されている数字すべてを、標準装着タイヤと同じものを選ぼう。もし装着したいタイヤに適合するサイズが無ければ、そこは素直に諦めた方が無難だ。

タイヤの表記

上はカワサキNinja ZX-10Rの後輪のサイズ表記で、近年主流のラジアルタイヤのメトリック(ミリ)表示の例。タイヤを交換する際には、同じ表示のタイヤを選ぼう。

タイヤには「賞味期限」がある

話は前後するが、そもそもタイヤタイヤの交換時期はいつなのか? よく言われるのが「スリップサインが見えたら交換」だ。とはいえスリップサインはタイヤの性能を保証するものではなく、スリップサインがタイヤ表面と同じ高さになったら溝の残りの深さが0.8mm以下になっているというサイン。

これは道路運送車両法で定められた使用限界なので、交換しないと違反になるというサインだ。だからスリップサインが見え始めたらできるだけ速やかに交換するのが楽しく乗る上でも安全のためにも大切だ。

そしてタイヤの溝が十分残っていても、製造から3年経ったら「賞味期限」が来たと考えて交換しよう。タイヤのゴムは大気中のオゾンや太陽の紫外線によって徐々に劣化するため、摩耗していなくてもグリップ性能やダンピング性能が落ちてしまうからだ。ぜひ愛車のタイヤの製造時期をチェックしてみよう。

スリップサイン
○で囲った部分がスリップサインで、タイヤの溝の中に何カ所かある。タイヤが摩耗してくると溝が浅くなりスリップサインが見えてくる。

製造時期の表記
タイヤの側面(どちらか一方)に刻印されている4桁の数字が製造時期。最初の2桁が製造週で残りの2桁が製造年。上図の表記であれば2020年の6月半ばに製造されたタイヤだ。


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