
●文:モーサイ編集部(中牟田歩実)
「ティラノサウルスは意外と鈍足」近年の研究で判明
恐竜の王といえば、ティラノサウルスを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
福井県恐竜博物館の標本データベースによると、ティラノサウルスは中生代後期白亜紀に生息した最大級の肉食恐竜で、大きな頭と小さな前あしが特徴。
狩りをして獲物を捕まえて食べていたのか、死体を漁っていたのかについては、いまだに議論が続いているといいます。
1993年に公開された『ジュラシックパーク』などの恐竜映画では、ティラノサウルスを始めとする大型肉食恐竜に追いかけられ、ジープ ラングラーやフォード エクスプローラーといった大型自動車で逃げるものの、最終的には追いつかれ襲われてしまう…というシーンが多く描かれています。
そのため「もしもティラノサウルスに追いかけられたら、素早いスポーツカーでもないかぎり逃げ切れない」というイメージがあるかもしれません。
ところが、最近の研究では「ティラノサウルスの移動速度はそんなに速くない」ということが分かっています。
ティラノサウルスの走る速さは時速19km〜27km。歩行速度は人間より遅い
たしかに、2007年頃までに発表された論文(英マンチェスター大学の古生物学者ウィリアム・セラーズ氏らによる『ロボティクスを使用した恐竜の最大走行速度の推定』など)では、ティラノサウルスの移動速度を秒速5〜15mと結論づけていました。これは時速にすると18km〜54kmになるので、『ジュラシックパーク』に登場したようなジープ ラングラーやフォード エクスプローラーをもってしても、悪路であれば追いつかれてしまう可能性があります。
しかし、前述のウィリアム・セラーズ氏は2017年7月、新たに『マルチボディダイナミック解析によるティラノサウルスの走行能力の検証』という論文を公表しています。この論文では、2007年の論文では考慮されていなかった「ティラノサウルスの骨の耐久度」を検証項目として新たに取り入れました。
その結果、ティラノサウルスが時速19km以上で走行すると、走行時にかかる力に耐えられずに足の骨がバラバラになってしまうはずで、ティラノサウルスの最高移動速度は、高く見積もっても時速27km前後だったと結論づけています。さらに……
※本記事は2021年12月23日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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