
●記事提供:モーサイ ●文:睦良田俊彦 ●写真:モーサイ編集部
ハンドチェンジ/フットクラッチは昔の変速方式。ジョッキーシフトはその現代版カスタム
今回は、バイク乗りなら一度は見たことのあるかもしれない「ジョッキーシフト」について書きたいと思います。
戦前や戦後間もなくまでは、多く使われていたバイクのハンドシフト。カスタムバイクの世界ではこれを現代風に変化させて、「ジョッキーシフト」と呼ばれるようになりました。ただし、現行のメーカー製市販車でジョッキーシフト車はもちろんありません。ショップやプライベートレベルでのカスタム例であり、ハーレーダビッドソン(以下ハーレー)をはじめクルーザー系カスタムモデルで見かけたことがあるかもしれません。
左足のペダルをクラッチ操作用に変更(フットクラッチ化)する一方、変速は左側のシフトシャフトから伸びたシフト棒で操作します。街なかで見かけると、すごく器用なことをしているので目が行きますし、けっこう操作が大変そうにも思えます。そして、このシフト方式、令和の公道で走っても違反にはならないのかも気になるでしょうが、そんなジョッキーシフトについて、元白バイ隊員目線で解説します。
1.ハンドシフト/ジョッキーシフトとは?
そもそもジョッキーシフトの名前は、競馬の騎手(ジョッキー)の姿勢・動きから来ているようです。バイクで変速をする姿が、馬上でムチを打つジョッキーのフォームと重なることからJockey Shift(ジョッキーシフト)と呼ばれるようになりました。
競馬のジョッキーがムチを打つ姿が似ているから、「ジョッキーシフト」!?
バイク乗りでも憧れている方の多いハーレーでは、昔はハンドシフト方式が純正採用されていたことで有名ですが、そのほか海外製クラシックバイクや、日本でも戦前などの陸王や目黒などでハンドシフトが採用されていたようです。
2.ジョッキーシフトと昔のハンドシフトはちょっと違う
現代のカスタムバイクで採用されているのが「ジョッキーシフト」ですが、クラッチを足操作で行うという点は共通(※一部クラシックバイクはハンドシフト&ハンドクラッチも存在)なものの、昔のハンドシフトとは、シフトレバーの位置が違います。
ジョッキーシフトは、シフトペダルを通常位置のシフトシャフトから直接延びるシフト棒に換装したもので、ライダー左側の少し後方に伸びています。一方、クラシックバイクのシフトレバーは、タンクの左横か車体左横の比較的高い位置に付き、リンクを介してチェンジシャフト部につながっていました。
ハーレーダビッドソンの単気筒車「モデル21(1926)。タンク左横にある変速レバーからリンクを介してミッションに繋がっている。
ナックルヘッドのVツインを搭載したハーレーダビッドソン「FL-47」(1947)もハンドチェンジ車。この後ハーレーでは次世代のパンヘッド(〜1965)まで、ハンドチェンジが純正で存在した。
昔のハンドシフトの方式は、クラッチ操作が重かった時代に、足でやったほうが力が入るからという理由でフットクラッチにし、変速は手動のほうが確実という風に考えられたのだと思います。
では、なぜハンドシフトはなくなってしまったのでしょう?
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
クランク:低速操作の「総合芸術」を身につける まず、あの忌々しい「クランク」から。 直角コーナーが連続するあのコース、公道で遭遇したら普通は足を着いてヨボヨボ進むか、そもそも入りませんよね。でも、あの[…]
未知のジャンルへ挑戦した縦置き80度Vツイン どうして縦置きVツインだったんだろう? ホンダGL/CXシリーズ対して、僕は昔から疑問を抱いていた。当時の技術資料を見ると「ウイングGLは1980年代の新[…]
車両の種別と免許の関係が複雑な「あの乗り物」 1.信号無視車両を停止させる 白バイ新隊員としてひとり立ちし、しばらく経った頃の話です。その日も私は、交通量の多い国道で交通取り締まりをしていました。交差[…]
今も勘違いが多いかも!? 「新基準原付」を詳しく解説 「新基準原付」が設けられることになった背景は 2025年4月1日から施行される新たな区分「新基準原付」が導入されるもっとも大きな理由は、新しい排ガ[…]
ライター中村(左)とカメラマン柴田(右)で現行と初代のGB350を比較 予想以上に多かったGB350の初代と2代目の相違点 「あら、エンジンフィーリングが変わった?」2025年9月、車種専門ムック「G[…]
最新の関連記事(交通/社会問題)
クランク:低速操作の「総合芸術」を身につける まず、あの忌々しい「クランク」から。 直角コーナーが連続するあのコース、公道で遭遇したら普通は足を着いてヨボヨボ進むか、そもそも入りませんよね。でも、あの[…]
【背景】三ない運動が交通事故の要因になっていた!? 公共交通が不便な地域が多いこともあって1世帯あたり約1.5台以上のマイカーを保有し、またスバルの工場も点在することから自他ともに認める“車王国”とい[…]
車両の種別と免許の関係が複雑な「あの乗り物」 1.信号無視車両を停止させる 白バイ新隊員としてひとり立ちし、しばらく経った頃の話です。その日も私は、交通量の多い国道で交通取り締まりをしていました。交差[…]
今も勘違いが多いかも!? 「新基準原付」を詳しく解説 「新基準原付」が設けられることになった背景は 2025年4月1日から施行される新たな区分「新基準原付」が導入されるもっとも大きな理由は、新しい排ガ[…]
窃盗犯が新品ではなく中古のヘルメットを狙う理由 窃盗犯が新品ではなく中古のヘルメットを狙うのは「盗みやすく確実に売れる」というのが、大きな理由です。実は近年、窃盗件数自体は減少していると同時に検挙率は[…]
人気記事ランキング(全体)
7.3リッターとなる心臓部はコスワースがカスタマイズ 今でこそアストンマーティンの限定車はさほど珍しくもありませんが、2000年代初頭、すなわちフォード傘下から放り出された頃の彼らにとってスペシャルモ[…]
17台のみのレーサーベースは売れ行きパッとせず⁉ ポルシェ924は1976年の販売開始から、924S がラストモデルとなった1988年まで生産されるというロングライフでした。すると、ポルシェの場合スポ[…]
簡単取り付けで手間いらず。GPS搭載でさらに便利に バイク用品、カー用品を多数リリースするMAXWINが開発したヘルメット取り付け用ドライブレーコーダー「MF-BDVR001G」は、ユーザーのニーズに[…]
60年代から続くデューンバギーの草分け的存在 デューンバギーといえば、本家本元はブルース・F・マイヤーズが創立した「マイヤーズ・マンクス」ということに。 オープンホイールのバギーは星の数ほど生まれまし[…]
型崩れを防ぐEVA素材と整理しやすい内部構造 布製のサドルバッグにおける最大の欠点は、荷物が入っていない時に形が崩れ、見た目が損なわれることにある。しかし、本製品はマットフィルムとEVAハードシェル素[…]
最新の投稿記事(全体)
PERFORMANCE MACHINE|Race Series エンジン/トランスミッションカバー 高品質なビレットパーツで世界的な知名度を誇るPerformance Machine(パフォーマンスマ[…]
SHOEIが1名増、「X-Fifteen マルケス9」はまさにリアルレプリカ WSBK(スーパーバイク世界選手権)で3度頂点を極めたトプラック・ラズガットリオグル(プリマプラマックヤマハ)のMotoG[…]
“モンスターマシン”と恐れられるTZ750 今でもモンスターマシンと恐れられるTZ750は、市販ロードレーサーだったTZ350の並列2気筒エンジンを横につないで4気筒化したエンジンを搭載したレーサー。[…]
クランク:低速操作の「総合芸術」を身につける まず、あの忌々しい「クランク」から。 直角コーナーが連続するあのコース、公道で遭遇したら普通は足を着いてヨボヨボ進むか、そもそも入りませんよね。でも、あの[…]
天敵ゼファーをターゲットから外しホンダDNAのスーパースポーツを目指す! 1992年のリリースから、実に30年ものロングセラーを記録した空前のヒット作、ホンダCB400スーパーフォア。 実はこれより前[…]
- 1
- 2




































