【検証】トイレ洗剤「サンポール」をバイクメンテに大活用! ステンレスマフラー磨きに挑戦してみる

トイレ洗剤のサンポールを使ってステンレスマフラーの焼き色を落としてみたい!エキゾーストパイプの焼き色が酸化作用なら、酸性の洗剤で新品同様にきれいにすることができるかどうか? 実際にやってみて、できたこと できなかったこと を皆様にシェアしてみたいと思います。そんじゃマフラー磨きいってみよう~!
●文/まとめ:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
このままでも車検は通る。だけどマフラーは光らせたい!
ここに、レストアが(ほぼ)完成したSR400があります。
取り付けられているマフラーはヨシムラサイクロンの24年物。古臭いを通り越してもはやヴィンテージです。いや~、もう、見事に焼けてますね。七色の虹色なんかとっくに通り越して、焦げ茶色って言うかほとんどまっ黒。
いくら焼き色がついてるとはいえマフラーの性能に問題あるわけではないし、もちろんこのまま車検を通すことはできます。
昔のように社外マフラーだからって目の敵にされることはありえないのですが、でもやっぱり試験官も人の子、やっぱり見た目が綺麗な方が印象良くなるでしょう? ってことで、いっちょマフラーを磨いてみることにしました。
なぜステンレスマフラーは黒くなってしまうのか?
新品のステンレスマフラーを取り付けてエンジンをかけると、ふんわり金色に輝いていくのを見ることができます。そしてそれから走行を重ねるごとに七色に輝いてきます。
なぜこのような色彩の変化があるのかといえば、これはステンレス表面に発生した酸化膜による光の反射が原因です。酸化膜の厚みで光の屈折が変わってくるので七色の虹色に見えるわけですね。
この酸化膜が厚くなっていくほどに光が反射しにくくになってきて、鈍いねずみ色、やがては黒っぽくなってしまうのです。
ステンレスの表面の酸化膜が原因で色が黒くなってしまうのであれば、その酸化膜を取り除けば「輝きが取り戻せる」ってことです。
実際、溶接の世界ではステンレス溶接のあとの焼け色の除去方法として「酸洗」といわれる方法が用いられています。酸を使って酸化膜を除去する方法なのですが、その酸洗をより一般的に使いやすい形にしているのがいわゆる「マフラー磨き剤」です。これは強力な酸が主成分なのです。
酸といったらサンポール!
そう、トイレ洗剤のあのサンポール。これも酸だし、ステンレスマフラーの焼け色も落とせるんじゃん? と思って調べてみたら、出てくる出てくる。どうやら本当に焼け落としに使えるそうなのですよ。
サンポールでステンレスマフラーの焼け色落としにチャレンジ!
サンポール本体のほかに、中和剤としてアルカリ性のマジックリン、それに作業用のゴム手袋とキッチンペーパーを用意しました。
そんじゃ、さっそくサンポールを使った焼け落とし、やってみましょう~!
作業中の注意点はコチラ↓
・ゴム手袋は必須
・換気をしっかりと
・飛び跳ねに注意!
作業中、洗剤に触れることが多いので、まずはゴム手袋をつけます。そして、作業中は換気に気をつけましょう。洗浄時に飛び散る可能性もあるので、浴室でもなく屋外での作業を強く推奨いたします。
用意していたキッチンペーパーをエキパイに巻き付けて、そしてその上からサンポールを少しずつ均一に染み込ませていきます。あたり一面に立ち込めるサンポールの香り…!
こりゃ、換気良くしてないと気分悪くなりますね…(くれぐれもご注意くださいませ)。
サンポールが染み込んだキッチンペーパーは、マフラーにぴったり張り付くよう、空気が入らないように密着させます。ここでムラができてしまうと後々磨くのが面倒なので、均等になるように気をつけるのが吉!
そして待つこと20分。
キッチンペーパーの下で焼け色が落ちていることを期待しつつ、キッチンペーパーを持ち上げてみると…。
お、お、おっ…おお!?
落ちてる!!!
期待していたような銀色の輝きには程遠いものの、だけども茶色一色だったエキパイが明らかに焼け落ちている気がします! 効果がある。これは効果がありますよ~!!
艶がでてきてるので間違いなく効いてます!!
サンポール浸け、20分×2回。そして見えてきたことは?
もう一度キッチンペーパーを巻いてサンポールを染み込ませて、さらに20分放置してみました。その結果、エキパイは明らかに青っぽい色になり、ツヤも戻ってきています。
青っぽいなら虹色変色の途中なので、酸化膜が薄くなってきていることは間違いありません。
あきらかに酸化膜が薄くなってきてます!!!
ここでいちど「中和」、サンポールの効果を検証してみます
中和といっても、一度水でサンポールをしっかり洗い流してから、そのあと反対のアルカリ性洗剤「マジックリン」で洗うというもの。厳密には中和ではないものの、サンポールで酸性のままになっているよりはアルカリ性寄りにしておいたほうがまだマシ? といった程度のものですが。そして最後は中性洗剤の食器洗い洗剤で洗えば万全でしょう。
アルカリ性のマジックリンで”中和”した後、中性洗剤でも洗っておくと安心感があります。
と、いうわけで。実際にサンポールで洗ってみたエキパイを見ているとあることに気づきました。
それは、エキゾーストパイプの入り口側と出口側でサンポールの効果が全然違うということ。温度が上がりやすいエンジン側はまだ黒い焼けが残ってますが、後ろに行くにしたがって、焼け色が落ちているのです。
刮目して見よ! これがサンポールの威力だ
そうなんです。さっきなかなか焼き色が落ちなかったのは、酸化膜がブ厚かったところだったようです。同じエキパイでも酸化膜の厚みに差があるようですね。
そんなわけで、焼け色が少ないエンド部分にサンポールをふりかけて、キッチンペーパーでなでてみると…。
ホラッ! みるみる銀色の輝きが戻るのです…!! まるで魔法みたいに輝いていきます。まじか。すげーな、サンポール!
そんなわけで、口金側は追加で20分放置しないと酸化膜を落とせない一方で、テールパイプではさっとなでるだけでここまで焼け色が落ちました。
焼けが最強だった口金付近は黒さが取れませんでした(もっと長時間浸ければいけそうですが・・・)
ここまでの反省点としては、特に高温に晒されることになる口金付近はサンポールでも完全に焼けを落とすまでに至りませんでしたが、逆に焼けが少なかったテール部分は触れる時間が長すぎたようで、白っぽく濁ってしまいました。
こっちは逆に時間が長すぎました。サッと拭くだけでオッケーなようです
強力な酸性ゆえに、焼けの強さをしっかり把握して、漬ける時間を管理しなければならないようです。最長で1時間、最短で1秒(!)という差ですが。
とはいえ…完全にシルバーには戻らなかったものの…すっげぇ。これでも十分ツヤが戻っているので「キレイになった」といえるのではないでしょうか?
一応、「サンポールでエキパイの焼けを落とす」という今回の企画はここまでです。だけど、せっかくここまで来たので、もうちょっとお付き合いくださいませ♪
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
バイクの電装部品のひとつ、レギュレターってご存じですか? こういうの部品です。 車種によって場所はマチマチですが、だいたいがシルバーで、アルミ素材で空冷フィンがついていて、比較的バッテリーに近いところ[…]
アクセルの握り方って意識してますか? バイクのアクセル(スロットル)の握り方や回し方を意識しているライダーの皆様って、どれぐらい居らっしゃるでしょうか? 「そんなの当たり前!」という人は、かなり意識高[…]
軍手は洗車道具たりえるのか みなさんバイクってどうやって洗ってますか? スポンジ? ブラシ? それとも高圧洗浄でしょうか。実は筆者は最近「軍手で洗車」に目覚めたのです。 きっかけは使ってたスポンジがボ[…]
自家塗装には難関が待ち受ける 今回は、自己流でありますが自家塗装のお話です バイクのメンテナンスやカスタムしていると、近隣に迷惑を及ぼす可能性のある作業がいくつかあります。エンジン始動による騒音もその[…]
初心者向けの溶接機は? 「初心者ですが、溶接機は何を買えばいいでしょうか?」そんな質問をいただくことが、最近増えています。折れたステーの修理から始まり、フレーム補強やスイングアーム自作、極めつけがフレ[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
皮脂や汗に含まれる尿素が生地を痛めてしまう ──一般の方が汗でびちょびちょのヘルメットをリフレッシュさせたい場合、どのように行えばよいでしょうか? 「どこが外せるのか、どういうふうに洗えばいいのかは、[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! 世界的に知られるプレミアムカー用品ブランド・シュアラスターが、アメリカのカリフォルニア州ロングビーチで創業したのは1947年のこと。以来、カーシャンプーやワックス[…]
バイクの電装部品のひとつ、レギュレターってご存じですか? こういうの部品です。 車種によって場所はマチマチですが、だいたいがシルバーで、アルミ素材で空冷フィンがついていて、比較的バッテリーに近いところ[…]
メーカー自体が存在しない絶版車のメンテやレストアは難しい 日本のバイクメーカーは今でこそ4社に集約されていますが、1950年代には大小含めて数十社のメーカーが林立していました。第二次世界大戦で疲弊した[…]
キャッチニッパー :作業後のゴミが減り掃除が楽になる、切れ端を飛ばさないキャッチ機能付き 配線や結束バンドを切断した際に切れ端が飛び散るのは仕方がないというのが一般的な常識に対して、一方の刃にプレート[…]
人気記事ランキング(全体)
ホンダ「CB1000F SE コンセプト」が鈴鹿8耐で世界初公開! 8月1日より予選が始まった“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会のホンダブースにて、CB1000F SE コンセプト[…]
3色すべてホイールカラーも異なる カワサキは欧州でZ650RSのニューカラーを発表。カラーバリエーションの全てが新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリックブルー[…]
国内規制に合わせてエンジンを再設計 ホンダのCB750フォア(1969年)の発売と前後して、大型バイクの事故の増加や暴走族が社会問題化し、国内では750ccを超える排気量のバイクを販売しない自主規制が[…]
KOMINE プロテクトフルメッシュジャケット ネオ JK-1623 フルメッシュで残暑厳しい秋口のツーリングでも快適さを保つジャケット。胸部・肩・肘・背中にプロテクターを標準装備し、高い安全性も両立[…]
最小限のカスタムでクルーザーをアドベンチャーマシン化 1200ccという大排気量の水平対向エンジンを心臓部に持つBMWのヘリテイジモデル、R12シリーズ。その新しいバリエーションとして2025年5月に[…]
最新の投稿記事(全体)
シグナスシリーズ、20年の歴史を背負うニューフェイス 以前は空冷エンジン搭載のコンパクトな原付二種スポーツスクーターとして人気を博した「シグナスX」だが、水冷の新世代「シグナス グリファス」に交代した[…]
皮脂や汗に含まれる尿素が生地を痛めてしまう ──一般の方が汗でびちょびちょのヘルメットをリフレッシュさせたい場合、どのように行えばよいでしょうか? 「どこが外せるのか、どういうふうに洗えばいいのかは、[…]
発表と同時に発売! マットチタニウムカラーのアヴェニス125など新色×5種 スズキは欧州で、日本でいう原付二種に相当する125ccのスクーター×2車をカラーチェンジ。1車は2022年の現地登場以来(日[…]
鮮やかなブルーでスポーティな外観に 欧州においてスズキ「ハヤブサ」が2026年モデルへと更新された。アルティメットスポーツを標ぼうするマシンは基本的に2025年モデルを踏襲しながら、レギュラーカラーが[…]
「56design NARA」に続く新店舗が北海道に バイクアパレル&ファッションブランド「56design(フィフティシックス・デザイン)」が、北海道札幌市に新店舗「56design SAP[…]