
ホンダはEICMA 2026において、フラッグシップ・スーパースポーツ「CBR1000RR-R Fireblade」シリーズの2027年モデルを世界初公開した。「Total Control for the Track」の理念のもと、実に約75%の構成部品を新設計。新設定の「HRC Works Edition」を含む3ヴァリアントで、圧倒的な走りの高みを目指す。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:本田技研工業
75%の部品を新設計! 剛性バランスを極めた新次元フレーム
ホンダのフラッグシップ・スーパースポーツが、完全刷新を遂げてEICMA 2026で初公開された。「Total Control for the Track」のコンセプトを掲げ、2027年モデルとして登場した新型「CBR1000RR-R Fireblade」は、実に全体の約75%におよぶ構成部品を新設計。フルモデルチェンジを果たしている。
最大の注目は、サーキットでの限界性能と公道でのコントロール性を高次元で融合させた新設計アルミツインチューブフレームだ。ヘッドパイプ開口部を拡大して吸気効率を高めるとともに、従来の鋳造一体型だったエンジンハンガーをボルトオン式の独立ブラケット構造へ変更した。
これにより、ねじり剛性を維持しながら横剛性を20%低減することに成功している。さらに、薄肉重力金型鋳造(GDC)技術により最小肉厚2mmを達成し、フレーム単体で440gの軽量化を実現した。さらにスイングアームもピボット軸径を20mmから17mmへ小径化し、ねじり剛性を保ちつつ横剛性を12%低減。これらの相乗効果によって、コーナリング時のタイヤ接地感と加減速時の車体安定性を向上させている。
量産二輪初の2段階可変ファンネルと進化した電子制御
パワーユニットには、999ccの水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒エンジンを搭載。驚くべきはホンダの量産二輪車初となる「2段階可変長インテークファンネルシステム」を採用したことだ。
上下に分離したファンネルが11,750rpm以上の高回転域でスライド分離することで、高回転域における圧倒的なパワー特性を維持したまま、低中回転域での出力を引き上げることに成功した。
さらに、2モーター式のスロットル・バイ・ワイヤ(TBW)を高度に熟成させることで、スロットル開度の精密な制御を可能にした。加速時のリニアなレスポンスと減速時の緻密なエンジンブレーキ制御が両立し、コーナー進入から立ち上がりへの過渡特性がより扱いやすくなっている。
また、軽量化への追求にも妥協がない。シリンダーヘッドカバーをアルミニウムからマグネシウムへ変更し、200g以上の軽量化を達成した。さらに、燃料タンクには従来のカバーを廃した純チタン製タンクを採用。SPグレードではチタン地肌を露出させた手仕上げのヘアライン加工が施され、機能美を主張する。
WSBKを見据えたHRC Works Editionと環境素材の融合
今回のモデルチェンジにおける大きなトピックが、WSBK(世界スーパーバイク選手権)のホモロゲーションモデルとして新たに設定された「CBR1000RR-R Fireblade HRC Works Edition」の存在だ。サーキットでの勝率を高めるため、1人乗り専用設計として構築されている。
フロントには軽量・高剛性なCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)製のフロントウイングレットを装着し、強烈なダウンフォースを生み出して加速時およびコーナリング時の空力性能を高めた。サスペンションには手動調整式のオーリンズ製NPXフォークとTTX36リヤサスペンションを組み合わせ、ブレーキにはブレンボ製Hypureキャリパーを採用している。公道走行に必要な法規を満たしつつ、レース用キットパーツの装着にも対応する本格派だ。
一方で、持続可能な社会を目指すホンダの環境技術も導入された。ウインドスクリーンには植物由来バイオプラスチック「DURABIO」を採用し、シートベースやカバー類には家電・自動車の再生リサイクル素材を使用している。環境への配慮とサーキットでの絶対的な速さを両立させた先進のレーシングマシンとして完成度を高めたといえよう。量産化と市場投入に向けた準備は着実に整いつつある今、国内導入の続報が待たれる。
HONDA CBR1000RR-R Fireblade / Fireblade SP / Fireblade HRC Works Edition (2027model / EU) COLORS
【HONDA CBR1000RR-R Fireblade SP】●イグニッションレッド
HONDA CBR1000RR-R Fireblade / Fireblade SP / Fireblade HRC Works Edition (2027model / EU) SPECS
| 項目 | 諸元 |
|---|---|
| エンジン型式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒 |
| 総排気量 | 999cc |
| 吸気システム | 2段階可変長インテークファンネルシステム / 2モーター式スロットル・バイ・ワイヤ |
| フレーム形式 | アルミツインチューブフレーム(GDC薄肉鋳造 / 最小肉厚2mm) |
| 燃料タンク仕様 | 純チタン製(SP:露出部手仕上げヘアライン加工) |
| フロントサスペンション | SHOWA BPF(STD)/ Öhlins NXP Smart-EC3.0電子制御(SP)/ Öhlins NPX手動調整(Works Edition) |
| リヤサスペンション | SHOWA BFRC-lite(STD)/ Öhlins TTX36 Smart-EC3.0電子制御(SP)/ Öhlins TTX36手動調整(Works Edition) |
| フロントブレーキキャリパー | Brembo Hypure(Works Edition) |
| 専用空力装備 | CFRP製フロントウイングレット / カーボンフロントフェンダー / リヤダクトフェアリング(Works Edition) |
| 環境配慮素材 | DURABIO™バイオプラスチック(スクリーン)/ 再生リサイクル材(シートベース・カバー類) |
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