
スズキはEICMA 2026において、スポーツバイクGSXシリーズの新たなフラッグシップとなるフルカウルモデル「GSX-10R」を世界初公開した。「FUN. UNLIMITED.」をコンセプトに掲げ、最新のエアロダイナミクスとスズキ二輪最多となる15種類の電子制御を投じた注目のスポーツマシンだ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:スズキ
K5エンジンとフロントウイングレットが生む極上のスポーツパフォーマンス
スズキはミラノで開催されたEICMA 2026において、フルカウルスポーツモデル「GSX-10R」を世界初公開した。「FUN. UNLIMITED.」をコンセプトに掲げ、通勤から週末のツーリング、サーキット走行まで、あらゆるシーンで走る楽しさを追求できるフラッグシップマシンだ。
心臓部には、レースシーンで実績を残してきたGSX-R直系の999cc水冷直列4気筒DOHC「K5エンジン」を搭載する。ストリートでの扱いやすさとサーキットでの伸びを両立させるため、吸排気系から内部パーツに至るまで最適化を施した。低中回転域での滑らかなトルク感を確保しながら高回転域まで吹き上がる加速感を獲得し、欧州排出ガス規制Euro 5+にも適合させている。
車体設計においては、軽量なアルミツインスパーフレームを採用し、高剛性なシャシー構造を確立した。このフレームにあわせて、新設計のリンク式リヤサスペンションとφ43mmKYB製倒立フロントフォークをセッティングすることで、すぐれた路面追従性と軽快なハンドリングを両立させた。
前傾姿勢のセパレートハンドルにより一体感のある操作性をもたらす。カウリングとフロントウイングレットが強力なダウンフォースを生み出し、高速走行時の安定性に貢献している。
スズキ二輪最多となる15種類の電子制御S.I.R.S.とスライドコントロール
走りの質を引き上げる電子制御システムとして、進化した「S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)」を採用した。スズキ二輪最多となる計15種類もの先進機能を凝縮し、意図に忠実な挙動制御を提供する。統合制御「SDMS-α」では、パワーモードに加え、トラクションコントロール、リフトリミッター、ロールトルクコントロール、そしてスズキ初の「スライドコントロールシステム」を一括管理する。
6軸IMUが車体挙動を常にセンシングし、旋回中の後輪の横滑りを検知して制御することで、安心感のあるコーナーリング性能を実現させた。あわせて、エンジンブレーキの効きを調整できる「エンジンブレーキコントロール」と「アンチスキッドコントロール」を搭載し、シフトダウン時のリヤタイヤのホッピングやロックを抑制する。
さらに、クラッチ操作なしで変速可能な「双方向クイックシフトシステム」を標準装備。「ローンチコントロール」や「ローRPMアシスト」も備えており、立ち上がりから街乗りでのスムーズな発進までをサポートする。
車速や傾斜に応じたブレーキ圧保持や、停車状態を維持するスズキ初の「ブレーキホールドコントロール」の装備も使い勝手を高めている。
SGBSビームとコネクテッドTFTが切り拓く次世代フラッグシップの真価
スタイリングには、レーシングDNAとエアロダイナミクスを融合させたアグレッシブな造形美を採用した。フロントマスクにはコンパクトな高輝度LEDヘッドランプを配置。ウインカー作動時に周辺路面への光を制御して被視認性を高めるスズキ初の「SGBS(スズキグラウンドビーコンシステム)」を導入し、夜間走行時の安全性を高めている。
メーターパネルには視認性に優れたカラーTFTマルチインフォメーションディスプレイを採用した。スマートフォンアプリ「SUZUKI RIDE CONNECT+」との連携に対応し、ターンバイターンナビや天気予報、着信通知などを表示可能に。「クルーズコントロール」や「アクティブスピードリミッター」、USB-C電源ポートも装備しており、ツーリング適性を高めている。
18Lの大容量燃料タンク、Brembo製フロントキャリパー、専用190/55ZR17リヤタイヤを足回りに備え、妥協のないスペックを誇る。鈴木俊宏社長が「By Your Sideの精神のもと、豊かなバイクライフに寄り添う」と語る通り、日常からサーキットまでをカバーする万能マシンだ。欧州等での販売開始は2027年夏頃を予定している。さらなるスペックの全貌や国内導入の続報を楽しみに待とう。
SUZUKI GSX-10R (2027model / EU) COLORS
SUZUKI GSX-10R (2027model / EU) SPECS
| 項目 | 諸元 |
|---|---|
| 全長 | 2130mm |
| 全幅 | 740mm |
| 全高 | 1175mm |
| 軸間距離 | 1455mm |
| 最低地上高 | 145mm |
| シート高 | 810mm |
| 装備重量 | 214kg |
| エンジン型式 | 999cc水冷4サイクル直列4気筒DOHCエンジン(K5エンジン) |
| ボア×ストローク | 73.4mm×59.0mm |
| 圧縮比 | 12.2 |
| 燃料供給方式 | フューエルインジェクション(ライドバイワイヤ電子制御スロットル) |
| 始動方式 | セルフスターター |
| 潤滑方式 | ウェットサンプ |
| クラッチ | 湿式多板(SCASアシスト&スリッパークラッチ) |
| 変速機形式 | 常時噛合式6段リターン |
| フレーム形式 | アルミツインスパーフレーム |
| フロントサスペンション | φ43mmKYB製倒立テレスコピック(コイルスプリング/オイルダンパー/フルアジャスタブル) |
| リヤサスペンション | リンク式モノショック(コイルスプリング/オイルダンパー/フルアジャスタブル) |
| キャスター / トレール | 25° / 100mm |
| フロントブレーキ | 油圧式ダブルディスク(Brembo製キャリパー) |
| リヤブレーキ | 油圧式シングルディスク |
| フロントタイヤ | 120/70ZR17M/C(58W)チューブレス |
| リヤタイヤ | 190/55ZR17M/C(75W)チューブレス |
| 燃料タンク容量 | 18L |
| オイル容量(オーバーホール時) | 3.4L |
| 燃費 | 15.8km/L(WMTCモード) |
| CO2排出量 | 146g/km |
| メーター | カラーTFTマルチインフォメーションディスプレイ(SUZUKI RIDE CONNECT+対応) |
| 電源 | USB-Cポート |
| ライディングアシスト | S.I.R.S. 15機能(SDMS-α / トラコン10モード+OFF / リフトリミッター / ロールトルク&スライドコントロール / 双方向クイックシフト / ローンチコントロール / エンジンブレーキコントロール / モーショントラックブレーキ / ローRPMアシスト / クルーズコントロール / アクティブスピードリミッター / スロープディペンデント / ブレーキホールド / SGBS / イージースタート) |
| 発売時期 | 2027年夏頃より順次 |
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