
ライディングギアの老舗アールエスタイチから、自動車安全システムの世界的企業オートリブと共同開発したオートバイ用エアバッグベスト「T-SABE(ティーセーブ)」が登場した。サーキットではなく、複雑な環境が絡む「公道」での安全保護にフォーカス。ライダーの負担となる月額利用料を廃止し、買い切りで使い続けられるユーザーファーストな設計を採用している。ツーリングから日常の街乗りまで、すべてのライダーに提案したい新しい安全装備を紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:RSタイチ
公道に潜む危険から命を守る「実践的な安全」装備
オートリブとの共同開発プロジェクトにより誕生したこのライダー用エアバッグ最大の特長は、サーキットでの転倒とは異なる、対向車や障害物など予測不能な要素が絡み合う公道での事故データの数々に基づいていることだ。
徹底的な分析と30ヶ月に及ぶ開発と実車テストを経て、複雑な交通環境におけるリアルな安全性を具現化したという。
わずか0.049秒で展開。厚さ約80mmの空気層が衝撃を吸収
作動の要となるのが、立ちごけのような軽微な振動と実際の事故を的確に区別する高精度センサーだ。危険を検知してからわずか0.049秒で完全にエアバッグが展開し、ライダーの胸部と背中を瞬時に保護。
身体と対象物の間には約75〜80mmの強靭な空気層が形成され、従来のハードプロテクターでは防ぎきれない強烈な衝撃を効果的に吸収・分散する仕組みをもつ。
汗や汚れを気にせず使える。電子ユニットを外して手洗いが可能
ライディングウエアを作り続けてきたアールエスタイチのノウハウは、メンテナンス性にも表れている。エアバッグでありながら、内部の電子ユニットを取り外すことでベスト本体の手洗いに対応。
夏場のツーリングや毎日の通勤で汗をかいても、常に清潔な状態をキープできるのは、ウエアとしての実用性を熟知しているからこそ導き出された機能といえる。
転倒時のSOS発信も自動化。スマホアプリで一括管理する先進機能
専用アプリ「T-SABE CONNECT」をインストールしたスマートフォンとBluetoothで連携させることで、利便性はさらに向上する。
バッテリー残量の確認や電源のオンオフといった基本操作だけでなく、万が一の転倒時には、事前に登録した連絡先へ位置情報を添えて緊急メッセージを自動送信。
ソロツーリング中の人里離れた場所でのトラブルでも、迅速な救護要請が期待できる機能だ。
ツーリング派に朗報。月額費用ゼロで使い続けられるサブスク不要設計
ライダーにとって最大のメリットとなるのが、完全無料のユーザーフレンドリー設計。近年の高性能エアバッグに多く見られる月額利用料といったランニングコストが一切不要なのだ。製品購入後は、通常のメンテナンス費用のみで長期的に使い続けることができるため、お財布事情を気にせず日々のライディングに導入しやすくなっている。
30時間駆動と防水設計で長距離ツーリングにも対応
重量は約1.8kgに抑えられており、長時間の着用でも疲労につながりにくい。さらに連続駆動時間は最大約30時間と長く、宿泊を伴うツーリングでも充電切れの心配が少ないのは嬉しいポイント。
IP54の防水仕様にもなっており、突然の雨に見舞われてもシステムの故障リスクを低減。サイズは女性専用のWMから、S、M、L、XL、BXLまで幅広く展開し、多様な体格のライダーにフィットする。
東京モーターサイクルショー2026で公開されたばかりの最新ギア
「T-SABE」の希望小売価格は8万8000円(税込)。2026年3月27日〜29日に開催された「第53回東京モーターサイクルショー2026」にて正式発表されたばかりだ。世界基準の安全技術と、日本のライダーを知り尽くしたウエアメーカーの知見が融合した次世代エアバッグ。万が一の備えとして、これ以上ない心強い選択肢となるはずだ。
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