
ボンネビルシリーズのカスタムコンテスト「トライアンフ・オリジナルズ 2025」が2025年8月に開催された。参加者は世界中から集まり、各国で地元のカスタムビルダーとタッグを組んで独創的なカスタムバイクを制作。その頂点に立ったのは、一般投票と専門審査員の両方で支持を得たブラジルの作品だった。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:トライアンフ
世界中のビルダーがボンネビルをカスタム
今回開催されたバイクカスタムの世界規模コンペティションには、世界各地から8チームが参加。その中からファイナリストに選出されたのは、ブラジル、フランス、イタリア、タイ、イギリスの5カ国からの参加者だった。今回の審査には、カスタムバイク界のレジェンドたちが名を連ねた。
「アイコニック・スタイル」部門:Tamarit Motorcycles共同創設者・クリエイティブディレクターであるキケ・ベルナ氏。彼は「ユニークな人々のためにユニークなバイクをつくる」という明確な使命を掲げ、創造性と英国モーターサイクルの歴史への深い敬意を融合させたデザインで知られている。
「ブリティッシュ・オリジナリティ」部門:Coolnvintage創設者・クリエイティブディレクターのリカルド・ペソア氏。クラシックなランドローバーを機能的なアートピースへと昇華させることで知られ、英国クラシックの象徴を修復・発展させてきた彼の経験が、各チームの作品が「英国的独創性の象徴」というテーマをどう表現したかを見極める理想的な存在であった。
「クラフトマンシップ」部門:日本のHeiwa Motorcycle創設者である木村健吾氏。Hot Rod Custom Showでの「Best In Show」や、トライアンフ「Three Arrows」での「ヨーロッパ最優秀モーターサイクル賞」など、数々の受賞歴を誇る彼は、トライアンフが誇る卓越した品質とクラフトマンシップにふさわしい作品を選んだ。
「創造性と革新性」部門:トライアンフ・モーターサイクルズ最高プロダクト責任者(CPO)のスティーブ・サージェント氏。トライアンフ全モデルのデザイン、スタイリング、開発を統括し、30年以上にわたり製品を形作ってきた彼は、各チームがアートとエンジニアリングのバランスを取りながら技術的創造性をどう発揮したかを評価した。
今回カスタムのベースとなったのは、トライアンフのアイデンティティそのものとも言える「ボンネビル」シリーズだ。1959年式の初代ボンネビルは、驚異的なパフォーマンスと完璧なプロポーションで伝説を築き、1956年にボンネビル・ソルトフラッツで達成したランドスピード記録にちなんで命名された。
モダンクラシックとして進化を続けるボンネビルシリーズは、T100、T120、T120 Black、Scrambler 900、Scrambler 1200 X、Scrambler 1200 XE、Bobber、Speedmaster、Speed Twin 900、Speed Twin 1200 & 1200 RSなど、幅広いラインナップを誇る。
その不変のオリジナルデザインDNAと最新のライディングテクノロジーが融合したボンネビルは、カスタムビルダーたちの創造力を最大限に引き出す最高のキャンバスと言えるだろう。例えば「スタイル部門」の優秀賞が授与された、イタリアチームは、Bonneville Bobberをベースに、1930~40年代のSpeed Twinのエレガンスと控えめなラグジュアリーさにインスパイアされた作品を披露している。
イタリアの作品は、ミラノのSouth Garage Motor Co創設者ジュゼッペ・カルッチ氏によって制作された。1930〜40年代のSpeed Twinの時代を超えた優雅さ、控えめなラグジュアリーさ、そして魅惑的な雰囲気に着想を得たという。Bonneville Bobberの力強い本質を基に、カルッチ氏はシャーシを再設計し、精密工学の技術を用いて特注のフロントフォークを含む目を引くカスタムパーツを制作した。
「ブリティッシュ・オリジナリティ部門」の優秀賞を受賞したイギリスの作品は、Triumph LondonのStockwell Designが制作した「Bonneville Sunraiser」。1960年代の英国ロックンロールムーブメントにインスパイアされている。T100をベースに、磨き上げられたアルミやステンレス、鮮やかなカラーリングで仕上げ、流麗な筆記体のトライアンフロゴをあしらった。
激戦を勝ち抜いたのは、ブラジル・サンパウロの「Shibuya Garage」を率いる出口テイディ氏が手がけた「Gaijin」。これはSpeed Twin 1200をベースとした、ダークで重厚なカフェレーサーだ。職人技が光るボディワークには繊細で洗練されたスキャロップ模様のペイントが施され、タンクの造形や、静止していてもスピード感と動きを感じさせるよう再設計されたテールが目を引く。
審査員は「もっとも独創的で一貫性のある作品。力強くアスリート的な存在感を放ちつつ、クラフトマンシップと細部へのこだわりがとても高い水準にある。一目で欲しくなり、乗っている姿を見られたいと思わせる。このバイクはまさにその両方を備えている」と絶賛した。
さらにブラジルチームは、日本のHeiwa Motorcycle創設者の木村健吾氏が審査する「クラフトマンシップ部門」でも優秀賞を獲得しており、「細部まで美しく作り込まれ、全体のデザインもよく整理されている。デザインとアイデアが詰まった一台だ」との評価を得た。
美しい職人技のペイントが目を引くメーターバイザー
ボンネビルシリーズが持つ無限のカスタムポテンシャルを世界に知らしめた今回のコンペティション。こんな一台をガレージに飾りたい!
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