
2025年の東西モーターサイクルショーで初公開されたホンダのCB1000Fコンセプトには、早くもモリワキの手によるレーシング仕様が登場している。 “CB-Fにセパハン”というだけで感涙モノだが、 他にも気になるカスタムパーツがテンコ盛りのコンセプトモデルなのだ。
●文:伊藤康司(ヤングマシン編集部) ●写真:関野温 ●外部リンク:モリワキエンジニアリング
新生CBのスポーツ性を示すイメージリーダー
まだ市販車が登場していないにもかかわらず、2025年の大阪/東京モーターサイクルショーのホンダブースにはCB1000Fコンセプトのフルカスタム車が展示されていた。しかもひと目で「モリワキ」とわかるカラーを纏ったレーシングマシン!
展示車に詳しい説明は一切ないものの、車両の構成とカスタムの内容から、HSR九州で開催されるホビーレースの『鉄馬』に参戦する車両と考えても良さそうだ。よくよく見ると、フロントおよびのサイドのゼッケンプレートに「IRON HORSE」の透かし文字が…。かねてからモリワキはカワサキZ900RSやホンダGB350で鉄馬に参戦しており、同レースの盛り上げにも尽力している。なのでコトの真偽はともかく、このカスタム車が誕生した経緯とは?
「CB1000Fコンセプトはカスタムも可能で、ユーザー次第で高いスポーツ性も引き出せることを示したかった。モリワキさんは1990年代のNK4というレースをCB400SFで戦うなど、とても大きな存在感を示しており、新生CBでスポーティーなイメージを作り上げてもらうには最適と考えました」
そう語るのはホンダ2輪・大型FUNモデルのゼネラルマネージャーを務め、CB1000Fコンセプトの開発も統括する坂本順一さん。具体的には2024年の鈴鹿8耐時にこのプロジェクトをモリワキ側に打診したのだという。
端正からワイルドに大変身
端正なCB1000Fコンセプトのスタイルが、低いセパレートハンドルやオイル飛散防止のアンダーカウル、スタビライザー付きの武骨なスイングアームなどによってワイルドに変身! 立ち位置は本気レーサーだが、カスタムの手本としてもGood!
CB-Fレーサーの姿に妄想が駆け巡る?!
前述の通り詳細な解説がないので細かなスペックは不明だが、写真からもわかるように「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング」はかなり本気のレース仕様車。とくに足まわりはナイトロンのサスペンションやOZ製のホイールはもちろん、モリワキが選手権レースでも使用するSPEEDBRAKE社のステンメッシュブレーキホース(の取り回し)まで、細部まで作り込まれている。
またトップブリッジの下にクランプしたセパレートハンドルも、コレだけで妄想を大いに駆り立て、SS以前のスポーツ車を前傾姿勢で攻めるイメージがふつふつと湧いてくる。それが「モリワキのパーツ」とあれば、もはや選択しない理由がない!
イメージが激変するセパハンとライト位置
ガルウイング形状に削り出したトップブリッジ下にセパレートハンドルをクランプ。どちらもオリジナルパーツだ。ブレーキマスターはブレンボのラジアルで、フロントフォークはナイトロンのインナーキットを装備。ヘッドライトステーもモリワキ製に変わり、メーターやライトはSTDよりグッと低く構えている。
【鋭いフォルムのBLADE】マフラーは日本刀からインスピレーションを得たモリワキの「BLADE」を装備。サイドへの張り出しが少ない5画断面のサイレンサーボディに、新素材のCFRPのエンドキャップと楕円形のエンドピースが高速走行時の乱気流を抑えて効率的に排気を行う。チタン製のフルエキゾーストで、エキゾーストパイプはコニカルヘッダーを採用。
【タイヤはスーパーコルサ】ブレンボStylema+サンスターのディスクをOZレーシングのホイールにセット。STDフォークのインナーをDLCコートし、アクスルシャフトはKOOD製。
【超レーシーなリヤまわり!】アルミ素地が迫力のレース仕様のモリワキ製スイングアームに、リヤショックはモリワキカラー仕立てのナイトロンRACE PROを装着。リンクプレートもモリワキ製だ。
▪️CB1000F CONCEPT MORIWAKI ENGINEERING
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