
2025年の東西モーターサイクルショーで初公開されたホンダのCB1000Fコンセプトには、早くもモリワキの手によるレーシング仕様が登場していた。鈴鹿8耐では宇川徹さんがデモランし、9月13-14日にHSR九州で開催される鉄馬レースに出場することが発表されたので、ここでは改めてMCショーの出展モデルを改めて振り返りたい。 “CB-Fにセパハン”というだけで感涙モノだが、 他にも気になるカスタムパーツがテンコ盛りのコンセプトモデルなのだ。
●文:伊藤康司(ヤングマシン編集部) ●写真:関野温 ●外部リンク:モリワキエンジニアリング
新生CBのスポーツ性を示すイメージリーダー
8月2日の鈴鹿8耐・決勝前夜祭では丸山浩のCB1000F(ノーマル仕様)とともに元MotoGPライダーの宇川徹さんがデモラン。ゼッケンは19に変更され、アンダーカウルにもステッカーが追加されていた。その直前のトークショーでは9月13-14日にHSR九州で開催される鉄馬レースに、2者×2車ともに出場することも発表された。以下に大阪モーターサイクルショーで世界初披露されたモリワキ仕様CB1000Fの詳細を振り返ってみたい。
まだ市販車が登場していないにもかかわらず、2025年の大阪/東京モーターサイクルショーのホンダブースにはCB1000Fコンセプトのフルカスタム車が展示されていた。しかもひと目で「モリワキ」とわかるカラーを纏ったレーシングマシン!
展示車に詳しい説明は一切ないものの、車両の構成とカスタムの内容から、HSR九州で開催されるホビーレースの『鉄馬』に参戦する車両と考えても良さそうだ。よくよく見ると、フロントおよびのサイドのゼッケンプレートに「IRON HORSE」の透かし文字が…。かねてからモリワキはカワサキZ900RSやホンダGB350で鉄馬に参戦しており、同レースの盛り上げにも尽力している。なのでコトの真偽はともかく、このカスタム車が誕生した経緯とは?
「CB1000Fコンセプトはカスタムも可能で、ユーザー次第で高いスポーツ性も引き出せることを示したかった。モリワキさんは1990年代のNK4というレースをCB400SFで戦うなど、とても大きな存在感を示しており、新生CBでスポーティーなイメージを作り上げてもらうには最適と考えました」
そう語るのはホンダ2輪・大型FUNモデルのゼネラルマネージャーを務め、CB1000Fコンセプトの開発も統括する坂本順一さん。具体的には2024年の鈴鹿8耐時にこのプロジェクトをモリワキ側に打診したのだという。
端正からワイルドに大変身
端正なCB1000Fコンセプトのスタイルが、低いセパレートハンドルやオイル飛散防止のアンダーカウル、スタビライザー付きの武骨なスイングアームなどによってワイルドに変身! 立ち位置は本気レーサーだが、カスタムの手本としてもGood!
CB-Fレーサーの姿に妄想が駆け巡る?!
前述の通り詳細な解説がないので細かなスペックは不明だが、写真からもわかるように「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング」はかなり本気のレース仕様車。とくに足まわりはナイトロンのサスペンションやOZ製のホイールはもちろん、モリワキが選手権レースでも使用するSPEEDBRAKE社のステンメッシュブレーキホース(の取り回し)まで、細部まで作り込まれている。
またトップブリッジの下にクランプしたセパレートハンドルも、コレだけで妄想を大いに駆り立て、SS以前のスポーツ車を前傾姿勢で攻めるイメージがふつふつと湧いてくる。それが「モリワキのパーツ」とあれば、もはや選択しない理由がない!
イメージが激変するセパハンとライト位置
ガルウイング形状に削り出したトップブリッジ下にセパレートハンドルをクランプ。どちらもオリジナルパーツだ。ブレーキマスターはブレンボのラジアルで、フロントフォークはナイトロンのインナーキットを装備。ヘッドライトステーもモリワキ製に変わり、メーターやライトはSTDよりグッと低く構えている。
【鋭いフォルムのBLADE】マフラーは日本刀からインスピレーションを得たモリワキの「BLADE」を装備。サイドへの張り出しが少ない5画断面のサイレンサーボディに、新素材のCFRPのエンドキャップと楕円形のエンドピースが高速走行時の乱気流を抑えて効率的に排気を行う。チタン製のフルエキゾーストで、エキゾーストパイプはコニカルヘッダーを採用。
【タイヤはスーパーコルサ】ブレンボStylema+サンスターのディスクをOZレーシングのホイールにセット。STDフォークのインナーをDLCコートし、アクスルシャフトはKOOD製。
【超レーシーなリヤまわり!】アルミ素地が迫力のレース仕様のモリワキ製スイングアームに、リヤショックはモリワキカラー仕立てのナイトロンRACE PROを装着。リンクプレートもモリワキ製だ。
▪️CB1000F CONCEPT MORIWAKI ENGINEERING
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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