
味わい深い空冷バーチカルツインを搭載し、名機WシリーズのDNAを今に伝えるカワサキの人気ヘリテイジモデルW800シリーズ。現行のモデル展開の基礎となった2019年モデルも、登場からすでに6年近く経つこともあり、手頃な価格の出玉も増えている。中古車としての注目度も高いので、この機会に各年式の違いをおさえて、自分に最適な一台を選んでみよう。この記事では2019年モデルについて紹介する。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:カワサキ
2019年モデル概要:WのDNAを今に伝えるモデルが再始動
1966年当時、カワサキブランド初の大排気量4ストロークマシンとして登場したW1が背負った最速という使命は、今なお続くニンジャやZシリーズが引き継いでいる。一方で、オリジナルWの機構や雰囲気、デザインをもっとも引き継いでいるのが、W800シリーズだ。
一時は2017年モデルのファイナルエディションを最後に、一部マーケット(インドネシア等)向けを除き、生産が終了していたが2019年モデルから国内でも復活。
空冷773ccのままでユーロ4に対応し、リヤブレーキをドラム→ディスクとしてABSも新装備。スタンダードスタイルのW800ストリートとビキニカウル付きのW800カフェ、2モデルにラインナップが拡大された。
また、2017年モデルまでのフロント19インチからフロント18インチに変更されたこともトピック。W1もフロント18インチホイールを採用していたため、原点回帰を目指したと思わせるこだわりだった。
こうしたフロントホイールの小径化やエンジン特性の変化に合わせ、ダブルクレードル形式のフレームもリニューアルされた。多くの部分で剛性が見直されており、パイプの外径を変えずに必要に応じて管厚を調整し、外観を変えることなく必要な性能を確保。従来モデルと同じに見えるフレーム形状もまた、こうした工夫あってのものだったのだ。
左が2019年モデルで、18インチとなったホイールはリムもワイド化。右は2017年モデルの19インチホイール。フロントフォークのインナーチューブはφ39mm→φ41mmへと大径化してスプリングもバネレートの高いものに改められた。またブレーキディスクはφ300mm→φ320mmに拡大されている。いずれも走りのよさを予感させるものだった。
リヤは2017年モデル(右)のドラムブレーキから2019年モデル(左)ではディスクブレーキに。出口のパイプ径アップが伺える。これが乾いたバーチカルツインサウンドを生んでいるのだ。
KAWASAKI W800Series[2019model]SPEC & COLOR
KAWASAKI W800 STREET
主要諸元■全長2135 全幅925 全高1120 軸距1465 シート高770(各mm) 車重221kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:99万3600円 ●色:黒×灰 ●発売日:2019年3月1日
【KAWASAKI W800 STREET[2019model]】メタリックフラットスパークブラック×メタリックマットグラファイトグレー
KAWASAKI W800 CAFE
主要諸元■全長2135 全幅825 全高1135 軸距1465 シート高790(各mm) 車重223kg ■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-18 R=130/80-18 ●発売当時価格:111万2400円 ●色:灰×銀 ●発売日:2019年3月1日
【KAWASAKI W800 CAFE[2019model]】メタリックマグネシウムグレー×ギャラクシーシルバー
KAWASAKI「W800シリーズ」最新相場情報
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