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ヤマハが主催するヤマハファン&オーナーのイベント「ヤマハ モーターサイクルデー2022」が10月22日に山梨県のふじてんリゾートにて開催された。2019年以来、3年ぶりの開催とあって多くのヤマハファンが会場に詰め掛けたが、そこには初公開となるヤマハ製プロトタイプが2台展示されていた!
●文と写真:ヤングマシン編集部
設定盛りすぎ!? 3輪&ハイブリッド全駆のTW200「TMW」
見てのとおり、TW200にヤマハ独自のフロント2輪機構「LMW(リーニング・マルチ・ホイール)」をドッキングさせた車両。製作はヤマハ実験部の有志で、LMWが持つ抜群の安定性、高いフロントのグリップ力を悪路走破性に全振りした1台だ。ちなみに車名のTMWは「Tough&Multiporpose Wheeler」の略とのこと。
3輪化に加えて興味深いのは、フロントホイールにインホイールモーターを仕込み、ハイブリッドの3輪駆動車となっている点。エンジンだけ/モーターだけ/その両方の3モードでの走行が可能で、フロント2輪にはリヤと同寸の180mm幅のタイヤを装着したことと併せ、どんな路面状況でも怯まず突っ込める無敵の走破力を有しているハズだ。
LMWは部品点数が多く構造も複雑なため、無骨さやイカツさが表立ってしまいがちだが、それをデザイン要素としてタフさの表現に利用しているのもTMWの特徴。モーター駆動で静かに走れるうえ、4輪では不可能な場所にも入れる機動性を踏まえれば、震災時の救助用車両など、TMWならではの利用用途も色々と思い浮かぶ。
開発者いわく「モーターはともかく、LMW機構だけなら+30万くらいで実現できるはず」とのことだし、TW200は北米向けなどにいまだ現役。TMWは自立機構も有しているから、農場や牧場で使われるアグリカルチャーバイク、ヤマハならばAG200の後継機にもなりそう。ともあれヤングマシンとしては、チョー面白そうだから試乗させて欲しいですヤマハさん!
フロントのボックス内にはバッテリーが収まるが、その上のスペースや牽引するトレーラー、頑強そうなリヤキャリアで積載性も高そうだし、フル積載でもLMWならではの安定感が武器になりそう。こうした電動の使い方も面白い!
戦闘力は高まったが…それだけじゃない!?「YZF-R7 SP」
国内発売から約8ヶ月、YZF-R7に上級バージョンが登場だ!? 同じく会場に展示されていたスペシャルR7は、オーリンズの前後サスやYZF-R1用と思しきブレーキキャリパー、アクラポヴィッチのマフラーなどで武装され、さらにレーシーな専用ボディカラーをまとったことで、ノーマルR7よりも“レーサーレプリカ”感や“武闘派”感がより強烈に演出されているのが特徴だ。
それだけでなく、このスペシャルR7はなんだか色々ときな臭い(笑)。まず、現地で流されていたPVを見ると、中須賀克行選手がスパ西浦をバリバリ走らせている(タイヤがドロドロなのはそのせいらしい)。ってことは単なるショーアップではなく、この仕様でのテスト走行も実施済みだと思えるし、今年11回目の全日本王座に輝いた中須賀選手とのリレーションがあるのかもしれない。
現地では「R7SPの外装が発売されたら購入したいか?」というアンケートが行われていたから、ひょっとしたらワイズギアが限定発売したヤマルーブ外装に次ぐ第二弾なのかもしれない。さらにテントには初耳の「YAMAHA MOTOR LAB for R7」という文字があるのだが、検索しても何も出てこないし・・・。
このへんの仕掛け人、どうやらR7のデザインプロデューサー氏のようなのだが、彼に質問しても「お楽しみに!」と笑うだけで真相は闇の中。とはいえ、何やら色々と仕込みがなされていることだけは間違いない。兄貴分たる“YZF-R9”の噂も流れているが、まだまだR7も話題を提供してくれそうだ。
車体上部は純正カラーを生かしつつ、カウルサイドとフロントフェンダーに異なる色調(新型XSR900の青メタとのこと)を置いたブルー系のツートーンが新鮮。レーシーでいて大人っぽさが漂うのも魅力!
大盛り上がりのヤマハモーターサイクルデー2022
コロナ禍で3年ぶりの開催となった同イベント、ヤマハ系の展示だけでなく、各ショップ/メーカーブースの出展やヤマハの電動スポーツ自転車「YPJ」の試乗会など、多様な展示&見どころがいっぱい。総来場者数も約5000名(うち2輪での参加は約3200台)と、3360名を集めた前回の2019年を大きく上回る盛り上がりとなった。以下、写真でご紹介します!
ヤマハモーターサイクルデー2022
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