CB750フォアを尖兵に、ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキの日本4大メーカーが世界の頂点に君臨する時代が幕を開ける。大排気量空冷マルチエンジンを搭載した公道の王者たち、その有志をご覧いただこう。本記事では、国産の量産車として初めて水冷エンジンを導入したスズキの”水牛”GT750を取り上げる。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 スズキ GT750 概要
- 2 スズキ GT750の系譜
- 3 スズキ GT750 兄弟モデル
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スズキ GT750 概要
対CBフォアの愛称”ウォーターバッファロー”
マッハ3に対抗するかのように、並列3気筒を選び、なおかつ750ccの大排気量と水冷を採用したのがスズキのGT750である。しかし、パフォーマンス志向の強いマッハ3とは打って変わり、GT750のキャラクターは“ジェントル”そのもの。開発目標は「最高出力67ps、最高速度180km/hで低速から高速までフラットなトルクを生み出す」ことだった。つまり最高速度よりもツーリングバイクとしての余裕に重きを置いたということだ。
水冷の採用もパワー向上のためというより、ウォータージャケットでピストンまわりを覆うことでメカニカルノイズの低減を実現するためのもの。また、空冷だと中央シリンダーの熱が問題になると予想されたため、冷却の確実性を求めたという側面もある。
水冷は国産の量産車として初の試み。当時は空冷全盛で、水冷の採用には慎重だった時代。その中であえて水冷に挑戦したのは、スズキならではの技術への探究心の表れだ。
初といっても安全性への配慮には怠りはない。例えば転倒時にウォーターポンプが破損して、ライダーが熱湯を浴びることがないように、ポンプをクランクケース中央部に配置してホース類を短くし、車体中央近くに配置させるといった具合だ。
ちなみに、グランツーリスモとして名を馳せた「紳士」だったが、レースでは一転して猛々しさを剥き出しに。’72年デイトナでは暴れ回って、底力を見せ、マニアたちに軽快な重量車=スーパーバイクとしての印象を植えつけることに成功している。
スズキ GT750の系譜
スズキ GT750 兄弟モデル
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