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【Q&A】レースでは、雨でもフルバンクで走れるのはなぜ?

MotoGPでは、雨でも膝どころか肘をするほど深くバンクできるのを見ていましたが、先日サーキットに出かけたとき、不運にも雨が降りだし、走行シーンを見ていると一般のライダーがレインタイヤに交換して信じられないペースで走っていました。レインタイヤは溝が多いだけの違いではない気がします。なぜあのような走りができるのでしょうか?


●文: ライドハイ編集部(根本健) ●写真: MICHELIN

A.レインタイヤは低温でも柔らかさが保てる素材で、構造も専用だから

レースでドライ路面を走るスリックタイヤと、ウエット路面を走るレインタイヤのいちばんの違いは、レインタイヤは低温でもグリップできるコンパウンド(タイヤのゴム質)とカーカス(内部の繊維構造)特性にあります。

ご存じのように、ゴムは低温だと硬く柔軟性に欠けます。そして温まると徐々に柔らかくなります。レースだと、タイヤは路面に接して凹んだり戻ったりを猛烈な勢いで繰り返し、発熱をします。そしてコーナリングでは、トラクションを兼ねた強烈な加速をします。レーシングタイヤはこのパワーに耐えながら、限界付近なので徐々に滑りながら安定したグリップをするよう作られています。

このいわば擦られた状態も、かなり発熱をします。この手で触ると火傷しそうな温度に達するスリックタイヤは、この温度で使われるのを前提にしており、温度が低いと簡単に滑ってしまいグリップしません。


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